ツンデレ、ループ、セカイ系。それらとノベルゲーム(美少女ゲーム)との関係を考察(と、TVアニメ『YU-NO』10、11話の感想)

「ツンデレキャラ」「ループ(パラレル)構造」「セカイ系」と、ノベルゲーム(エロゲ/ギャルゲ)との関係を語ります。 それと、(ほぼツンデレの話だけですが)テレビアニメ版『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』10、11話の感想です。
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しろうと @sirouto

もちろん、承認欲求を満たす動機があるのは、ノベルゲームもそうだろうが、それはシナリオ部分で、立ち絵部分があるので、そちらはビジュアルで訴求する。

2019-06-18 21:09:30
しろうと @sirouto

イメージだけで言うと、立ち絵はきらら的な美少女との日常へ向かうが、シナリオはなろう的な世界(社会)からの承認へと向かう。

2019-06-18 21:11:53
しろうと @sirouto

ノベルゲームでは、立ち絵とテキストと、レイヤーが二重だし、シナリオのボリュームが大きいこともあり、前半後半で、別の展開をする構成がよくある。『YU-NO』もそうだろう。

2019-06-18 21:13:47
しろうと @sirouto

前半では立ち絵のイメージから想像できる、(美少女との)日常を描き、立ち絵に見慣れてきた後半では、そこから逸脱する非日常、世界の謎を描く。『ひぐらし』(鬼隠し編)とかもそうだし、ノベゲではよくある。

2019-06-18 21:14:57
しろうと @sirouto

さらに、セカイ系は、「ツンデレ」や「ループ」(または『YU-NO』のような「パラレルワールド」)との相性も良い。この関係を見ていこう。

2019-06-18 21:16:16
しろうと @sirouto

まず、セカイ系は世界全体の謎を扱うので、ループ系のような世界全体を制御する構造とは相性が良い。「ループするセカイ」のようなことだ。これはいいだろう。

2019-06-18 21:17:23
しろうと @sirouto

しかし、「ツンデレ」と「セカイ系」の相性が良い、というのは、いまいちピンと来ないのではないか? これを説明したい。

2019-06-18 21:18:02
しろうと @sirouto

その前に、セカイ系と一番相性が良いのは、世界全体(の秘密)と直結しているヒロインだ。『エヴァ』でいえば「綾波レイ」のような。

2019-06-18 21:19:02
しろうと @sirouto

その綾波のようなセカイヒロインをサポートするのが、アスカのようなツンデレヒロインだ。両者は補完的な関係にある。それはどういうことか?

2019-06-18 21:20:12
しろうと @sirouto

綾波のような世界の謎に直結しているセカイヒロインが、セカイ系にとって都合が良いのは言うまでもない。しかし、彼女だけでは、話が非常に分かりにくくなる。セリフが少ないことが多いので、説明不足になる。

2019-06-18 21:21:16
しろうと @sirouto

漫才のボケとツッコミのように、話を分かりやすくする役割のヒロインも必要で、ツンデレキャラはその都合に合う。

2019-06-18 21:23:48
しろうと @sirouto

別の角度から見ると、ツンデレキャラの「ツン」の部分には、セカイ系が排除した、社会性や他者性が回帰している。「エヴァ」のアスカが、何かと大人の立場を借りて、シンジを攻撃してくるのが典型的だ。

2019-06-18 21:25:29
しろうと @sirouto

しかし、なろうではツンデレより従順なヒロインがウケる。これはWeb小説が連載とランキングという構造を持っており、読者の評価スパンが短いから。パッケージの美少女ゲームとは、明確に別構造になる。

2019-06-18 21:27:54
しろうと @sirouto

なろう系の読者は、ツンデレのツン期のイニシャルコストをガマンできないので、従順なヒロインが採用されることが多くなる。ただし、メインではなく、サブヒロインにツンデレがいることなら、よくあるだろう。

2019-06-18 21:29:29
しろうと @sirouto

こういったわけで、「ツンデレ」「ループ(パラレル)」「セカイ系」というのは、ノベルゲーム(のギャルゲ/エロゲ)と、相性が非常に良い。

2019-06-18 21:30:34
しろうと @sirouto

これで、だいたい大筋の話は言ったが、論点はこれで全部ではない。全部は言い切れないが、細かい論点をひとつ補足しておこう。

2019-06-18 21:31:31
しろうと @sirouto

たとえば、ノベルゲームの立ち絵は少数精鋭なので、微妙な感情表現は苦手だ。マンガやアニメなら、毎回細かい感情の揺らぎを表現できるが、立ち絵は数種類の感情しか表現できない。それもツンデレに有利だ。

2019-06-18 21:32:47
しろうと @sirouto

スピーカーやヘッドホンなど、音声(機器)の調整の方向性に、「フラット」と「ドンシャリ」という大ざっぱな違いがある。ツンデレはドンシャリだろう。そうなるのは、立ち絵の枚数制約があるから。

2019-06-18 21:34:56
しろうと @sirouto

さて今回のように、制作の制約条件からの要件を考えると、「ツンデレ」というのは、ノベルゲームでコスパが良いキャラのパターンだ。だから、ノベルゲームで流行していたのも分かりやすい。

2019-06-18 21:36:49
しろうと @sirouto

『エヴァ』なら、綾波とアスカ、『YU-NO』なら、神奈と澪。そういう風に、作品のセカイを代表する神秘的なヒロインと、それを社会の側からサポートするツンデレヒロイン。このキャラ配置はバランスが取れている。

2019-06-18 21:38:19
しろうと @sirouto

ところで、テレビアニメ『YU-NO』の澪は、原作よりマイルドな性格になっている。原作『YU-NO』や同年代美少女ゲームのツンデレヒロインは、もっと攻撃的な性格をしていた印象がある。

2019-06-18 21:41:42
しろうと @sirouto

それから、別にツンデレはノベルゲームにだけいるわけじゃない。キャラクターは生態系を構成しているから、一カ所にしかいない、ということはない。

2019-06-18 21:42:44
しろうと @sirouto

しかし、マンガやラノベにしても、ツンデレの人気が出てくるのは、長期連載の枠組だろう。たとえば読み切りでは本領発揮できない。やはり、ツンからデレに変化するために、それなりに長い尺を必要とする。

2019-06-18 21:44:48
しろうと @sirouto

なお、話を単純化するために、一本道のシナリオでの、尺の長短だけを話題にしているが、これはマルチシナリオで、攻略ルートに入るとデレを見せる、といった時間的な変化でない、同時多面的なツンデレでも同じだ。

2019-06-18 21:46:30
しろうと @sirouto

そういうわけで、ツンデレはマルチシナリオとの相性も良い。つくづくノベルゲーム向きのキャラクターだと言えよう。だから、ツンデレとノベルゲームもしくは美少女ゲームの流行は、同時代に起こったのだろう。

2019-06-18 21:48:20