ノース・アメリカン・エディション #2

「最後に、秋雲、タイキック」 1:https://togetter.com/li/1367945 3:https://togetter.com/li/1369271
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劉度 @arther456

「艦長、幌筵の城島大将から通信です!」『あなご』の通信員が叫んだ。「繋いでくれ!」《おう、武藤艦長!『マクマホン』がそっちにいるってホンマか!?》城島の声は焦っていた。「はい!こちらの通信には応答せず、AL海域を目指しています!」すると、城島はとんでもない事を言った。21

2019-06-20 21:57:00
劉度 @arther456

《アカン……武藤艦長聞いてくれ!さっき、整備士から聞いたんやけど、『マクマホン』には核が積まれとる!》「なん……何ィ!?」思わぬ情報に、武藤の声が裏返る。「米軍とのブリーフィングでは、そんな話は聞かされていませんよ!?」《俺もや!あいつら、秘密にしとったんや!》22

2019-06-20 22:00:02
劉度 @arther456

《それで、何で核を積んでるのか聞こうとしたら、修理も終わってないのに無理矢理出航しよった!》「アメリカ本国からの回答は!?」《向こうも驚いとる!核を積んだ記録もなければ、ここからの出撃命令も出しとらんってな!》「つまり、『マクマホン』は爆走の可能性がある……!?」23

2019-06-20 22:03:00
劉度 @arther456

《あいつら、多分、北方棲妹にそいつを撃ち込む気や!今、『マクマホン』を止められるのは君らしかおらへん!何としても止めてくれ!》「……了解しました!」核を撃ち込まれれば、北方棲妹を止めようとしている提督たちも巻き込まれることになる。それは避けなければいけない。24

2019-06-20 22:06:00
劉度 @arther456

「艦長、どうしますか?武器の準備は整っていますが」副長が提案するが、武藤は首を横に振った。「爆走していても同盟国の船だ。こちらから先制攻撃をすれば国際問題になる」「では、このまま呼び掛けを続けますか?」「いや。俺が直接会って、話をする。塚本、ブリッジを頼めるか?」25

2019-06-20 22:09:00
劉度 @arther456

「……アイアイサー!」「よし!両舷全速!『マクマホン』を右舷後方から追い越せ!」『あなご』のエンジンが唸りを上げ、船体を加速させる。中破した『マクマホン』はこれを振り切れず、みるみるうちに距離が縮まる。武藤はそれを確かめて、ブリッジから出ていった。26

2019-06-20 22:12:00
劉度 @arther456

「進路、フタ、ハチ、マル!」機を見計らって塚本が命じた。「了解!進路、フタ、ハチ、マル!」『あなご』は進路を変え、『マクマホン』の進路上に割り込んだ。『マクマホン』はこれを避けようと減速、回頭。『あなご』の横腹をかすめつつも、なんとか衝突を回避した、その時だった。27

2019-06-20 22:15:01
劉度 @arther456

「うおおおぉっ!」甲板に移動していた武藤が、『あなご』から跳躍!数秒の滞空時間の後、『マクマホン』の甲板に見事着地した。離れつつある『あなご』に向かって、武藤は中指と薬指を親指につける独特のポーズを見せつけると、『マクマホン』の内部に飛び込んでいった。28

2019-06-20 22:37:17
劉度 @arther456

【ノース・アメリカン・エディション】#2 おわり

2019-06-20 22:37:32