「国民に何かを諦めてもらう政治」の必要性について

日本は今や、総合的な国力や将来性の点においてもはや「先進国」の名に値する存在ではなく、「途上国」の姿へと近づきつつある。その典型は財政である。極度の財政難に直面する今後の日本は否が応でも「国民に何かを諦めてもらう政治」を展開しなければならないのではないか。そうした理念とそれを進める英雄的政治家の必要性についての考察。
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fj197099 @fj197099

(震災前の)しばらく前からずっと思っていることなのだが、今の日本政治に必要なのは「国民に何かを諦めてもらう政治」なのだと思う。現在の日本の総合的な国力、将来性といったものはもはや途上国並みである。政治も経済も軍事もその他の分野も「先進国」の名に相応しいものは急速に失われつつある。

2011-05-18 23:34:05
fj197099 @fj197099

もちろん、国民の日々の生活水準はまだまだ高く、日本は「先進国」であるという自己認識に疑いを抱かない面があることは事実であろう。しかしそれは結局、将来世代を犠牲にする形で豊かさを先取りしているだけのことに過ぎない。日本の国力の少なくとも相対的な衰退を示す指標は数多く存在する。

2011-05-18 23:35:35
fj197099 @fj197099

それらをいちいち例示するつもりはなく代表的には財政のみを挙げれば十分であろう。30兆円程度の収入で92兆円の支出をする国家、それが日本である。その借金を返済できる見通しは全く立たない。累積債務がGDPの二倍ほどもある現状はほぼ途上国並みである。だが日本人にはその自覚が十分にない。

2011-05-18 23:39:19
fj197099 @fj197099

要するに日本政治は根本的な社会構造そのものの改革が必要であるにも係らず、それを正面から取り上げることをどこまでも避けてきたのだ。例外的に小泉政権では財政再建に向けた取組みが行われたが、その取組みは直ぐに「百年に一度の不況」を主張する同じ自民党政権によって否定されてしまっている。

2011-05-18 23:44:53
fj197099 @fj197099

現在の民主党政権はそれに輪をかけて財政制約を無視した積極財政論者が幅を利かす政権である/あった訳だが、今次震災の結果としてもう日本は今迄のやり方が通用しないことをそろそろ学ばねばならない。生活も復興も社会保障も全ては財政制約という限度に規定される現実を正面から見据えるべきだ。

2011-05-18 23:47:02
fj197099 @fj197099

そうした限界を直視する中で生まれる政治のあり方とは、すなわち「国民に何かを諦めてもらう政治」だと思う訳である。放漫財政を放置してきた責任は結局国民に帰着する。そのツケを払うのは国民であるべきだし、国民以外に考えられない。それを正面から主張できる政治かどうかが重要だと思う訳である。

2011-05-18 23:50:04
fj197099 @fj197099

日本の「途上国化」との関連で言えば、現在の日本では「途上国」の国民が「先進国」の生活をしているようなものだ。それが現在の極度の異常な財政の姿に表れている。こうした現状は持続しない。国力が「途上国」なら国民生活もそのレベルに合わせるべきだ、と政治家が主張できるかどうかが問われる。

2011-05-18 23:52:26
fj197099 @fj197099

すなわち「国民に何かを諦めてもらう」必要性を正面から議論しなければならない。国民が諦めるべき「何か」とは状況により多様だ。一般化すればおそらく子供なら勉強や進学、若者なら就職や結婚、夫婦なら出産と子育て、現役世代なら夢と収入、老人なら年金と社会保障などということになるであろう。

2011-05-18 23:55:31
fj197099 @fj197099

人口動態を考慮すれば日本では今後、経済にしても財政にしても拡大均衡は望めない。ならば縮小でも均衡を目指さねばならない。その帰結は程度の差はあれこのような「国民に何かを諦めてもらう政治」にならざるを得ないと考えられよう。それは最悪の帰結を避けるための次善の方向性でさえあるだろう。

2011-05-18 23:59:42
fj197099 @fj197099

こうした時代において政治家の評価もいかにうまく「国民に何かを諦めてもらう」ことに成功したか、になるべきではないかと感じる。これまでの政治家は概ね予算を採って利益誘導することばかりが評価の対象になってきた。もうそういう時代ではない。政治家の評価尺度も変える必要があるのではないか。

2011-05-19 00:02:25
fj197099 @fj197099

言うまでもなく「先進国」としての生活を享受してきた国民に「途上国」の生活水準を受け入れさせることは至難の技だ。デモや暴動さえ起こっておかしくない。故にこれを実現できるのは真の英雄のみである。英雄的存在のみが国民にその必要性を自覚させ自ら進んでその帰結を受け入れさせることができる。

2011-05-19 00:06:29
fj197099 @fj197099

日本に必要なのは結局のところ、「国民に何かを諦めてもらう政治」の理念とそうした英雄的な政治家の存在ではないかと思わざるを得ない。後者は既存の日本政治の枠組みからはおそらく登場してこないだろう。国民を根底から変える大ショックがないと政治は変わらないのだろうか(震災では不足の模様)。

2011-05-19 00:10:37