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コトバノリアキ @KotobaNoriaki
騎士や兵士の人数も結構面白くて ローマ時代の兵士は参政権を持つ市民全員と 当時の人口規模からみても異例の動員数なのだけど 中世暗黒時代の地方の都市国家付きの騎士・兵士の数は 一つの都市(1000人)に正規兵は30人程度で、太守の私兵・従士だったりする 戦争時に徴用されるの農民兵の武器は農具
歴史なお話
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
しかも農民兵の防具は革の服 革の服に鍬、革帽子と栄養失調の体で戦争に行くのが当然のスタイル 騎士は栄養満点な食事と鍛錬で筋肉の塊になり 全身に鎖帷子と鉄兜、剣と盾と移動用の馬で体力の温存すらする (戦闘時は下馬する。騎兵突撃は更に後の時代) 挙句の果てに騎士は身代金でコンティニュー可
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
文字通り、農民は1対1では騎士に絶対に勝てない時代が中世時代で ファンタジーだと更に血筋で魔力などか加算されるため もはや地方の凡俗が村を飛び出て成り上がるというサクセス それこそ神や悪魔の加護や魔法的なバフがかからない限り埋まらない地獄 #誰もそこまで求めていない
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
この圧倒的な差により、正規兵の数=都市間の力関係になりがちなのだけれど そこを目ざとく埋める職業も誕生する事になった 傭兵の誕生である(それ以前から居たけれど、騎士クラスの装備を持つのはこの辺りから) 因みに傭兵は一度依頼を受けたら どんなに金を積まれても絶対に裏切らない職業の一つ
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
ファンタジー作品だと金で裏切る悪い奴程度の扱いされるけれど 『契約金渋って契約解消→強さを良く知ってる敵方に雇用』のパターンが普通にあった為 ころころ金で裏切る奴は傭兵間で最優先の粛清対象だったことも結構知られてない事実 信用問題は今も昔も業界全体の悩みだったのですわ
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
現実世界最高のスイス傭兵のエピソードで フランス革命で最後まで王族を守り、その大多数が命を散らしたのがスイス傭兵 少数の忠義者を除いたフランス衛兵は逃げ出すか革命側に回った
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
「命を懸けても、契約がある限り雇用主を絶対に裏切らない」 これができるのが傭兵という職業の信用を担保する上での、最低限で最も強い契約 逆にこれが出来ないやつは傭兵じゃなくてチンピラのザコ そう、ファンタジー作品で出てくるあの傭兵くずれの姿である
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
ちなみに指揮能力と武装の自弁能力を持ちながらも 領地や従者をもたず、鎧を磨くことが出来なかった為 黒錆加工をした鎧を着込んだ傭兵騎士も存在した 当然鬼のように強い上に雇用されれば裏切らない 場合によっては契約からそのまま召し抱えられたりもする これはファンタジー作品でよくみる黒騎士
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
なのでゲームやファンタジー小説の黒騎士が強いのはある意味史実通り 裕福な荘園持ちの貴族騎士とは違い、戦場から戦場を腕一つで渡る 貴族騎士が行う遊歴(武者修行)の旅どころか生活のかかった戦旅をする奴が 弱いはずが無いのだわ・・・(なお遊歴の騎士も大概ふざけた強さ)
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
遊歴の騎士と黒騎士を農民兵の目線で比べるのは 芋虫に「カブトムシとクワガタムシどっちなら勝てそう?」と聞くようなもの 無理だよ甲虫同士で戦ってくれ
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
とは言え傭兵は契約守るためなら命も掛けるけど それを違反しないぎりぎりまでは敵味方の傭兵で八百長やったりもする しないやつはガチもガチの先祖代々傭兵だった連中くらい そう、やっぱり例のスイス傭兵である 彼ら隣人同士でも契約で殺しあうから筋金入り
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
スイスの永世中立と国民皆兵の国是は この傭兵家業が国家事業だった事の名残とも言われているので 本当の本当に傭兵という概念が国の形になったような国
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
ヨーロッパのどの国もスイス傭兵の血が契約で流され またスイスはどの国とも国として戦争をしなかった 敵味方となれば同じ国民同士でも全力で戦い、血で購い、禍根を残さなかった 自分たちが死ぬ事で国の妻と子に補償がなされる、未来が紡がれると知っていた為 傭兵とは大体こんな職業
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
そもそも土地が山しかなくて兵隊しか輸出品無かったのが原因なんだけど 極まりすぎて戦争代理人みたいになってしまった例
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
なので傭兵崩れでもない職業傭兵がチンピラみたいに 金で簡単に裏切るように描かれる作品を見ると粘土を食ったような顔になります それかあのしわしわピカチュウの顔になります 別に文句は言わないけれど、現実の傭兵の覚悟を思うとしょんぼりする
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
因みに傭兵の雇用価格は一人当たり月80万円くらいの感覚で 十人長や五十人長の指揮経験があると価値が更に上がる 最高級の傭兵騎士になると月収400万円とかのレベルになるけど 当時の甲冑の価値がスポーツカー並み(数百~一千万円程度の感覚)で それの修繕費用も当然バカ高いので妥当な金額
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
ちなみに個人的ファンタジー傭兵ベストキャラはFFTのガフ・ガフガリオン あいつ最後まで契約のために戦って、契約のために死んだ傭兵の鑑 ラムザは理想の貴族として100点だけど理想の傭兵としては0点
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
よくファンタジー作品で見る 「旗色が悪くなったから寝返っちまおうぜ」って傭兵像 あれが一番最低の傭兵未満の姿 「勝った後、誰がそんな奴を次に雇うんだよ」ってなります 「命あっての物種だぜ」も大体このタイプの傭兵未満のセリフで 「傭兵は死ぬのも仕事だ、貰った金の分はきっちり働け」が本物
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
だから、いい傭兵は高い 命を売り物にしている以上、決して安売りしないから高い そして命を売り物にしている以上、契約は遵守する なぜなら「自ら納得行く金額で売り、金で雇われた命と武力だから」 絶対に裏切らず、死を厭わない、戦争の為に鍛え上げられた雇われ者 だからこそ、いい傭兵は高い
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
と、色々言ってきましたが 私自身専門家ではなくて、創作する上での手習いとして覚えた浅学の徒なので ようするに「こんなイメージがファンタジー世界の常識のベースになった史実なんだよ」って程度の話でした
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
あとスイス傭兵爆ageだけど実際バケモノ染みた強さなので仕方ない ほかにもイタリアの騎士傭兵コンドッティエーリとか ドイツ傭兵でスイス傭兵の弟子にして商売敵の傭兵集団ランツクネヒトも有名 ゴミ傭兵のイメージは武器をかっぱらって脱走した農民兵が 戦争の度に顔を出し、それ以外は山賊してた奴
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
「契約はした、あとは死ぬのも給与の内だ。せいぜい戦え野郎共!」 と、『傭兵』という職業を生業としていたプロの傭兵達と 「農業やるより略奪の方が楽だべ、女も抱けるし死ぬ前に逃げりゃええ」 としか脳が機能していない元農民兵の『傭兵もどき』が混同されてるのが 今のザコ傭兵像と言うお話
コトバノリアキ @KotobaNoriaki
ちゃんと武装して、立派な鎧付けて傭兵団旗掲げてるような傭兵が 「死ぬのやだから契約破って逃げマース」とか言い出したら 「モンスター娘が売りの漫画で、表紙以外人化魔法で  最後まで人と同じ姿の話だった 鱗一枚出ねえ」レベルの悲しみを背負う そう言う作風だと割り切っても塩水が漏れる
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コメント

びびったー☆うるせえ @vivitter_vivitt 2019年7月14日
最後のほうでも書いてるけど、多くの戦いではお高いスイス傭兵やそれに匹敵する傭兵よりも、ゴロツキを安値で雇って戦わせたと思うのだわ。そういう安い傭兵が主流だからこそスイス傭兵がブランドとして成り立つのかと。
また結婚したバツ3 @CAFE_XXX 2019年7月14日
雇われ兵の悲しさ。サラリーマンと同じ使い捨てなんやで。泣けるわぁ・・・
(あ) @MutsuniNaruBeam 2019年7月14日
騎士に騎士道があるように、傭兵にも傭兵道があったんだなあ
reesia @reesia_T 2019年7月14日
つまり日本で言うと伊賀とか甲賀とか雑賀とか根来とか
Yuka|Wicca @QQYukaQQ 2019年7月14日
黒騎士の成り立ちはなるほどなぁと。
夜更至ヒルネスキー @hiruneskey 2019年7月15日
《そもそもスイス自身が(中略)ハプスブルク家からの実質的独立を勝ち取ってから、(中略)大敗を喫っするまで、熱に浮かれた様にただひたすら支配地域拡大を目指す「農本主義的侵略国家」の時代を経験している。まるで日中戦争当時の関東軍の様に。》 スイス「武装中立」の裏側でhttp://ochimusha01.hatenablog.com/entry/2016/04/28/070915 ふーむ。
m.t @Ellfas3 2019年7月16日
この「契約がある限り」というのがとても難物で、中世のヨーロッパの国家は基本財政的にそんな長期間兵士を雇っていられない。傭兵を集めてバッと(可能な限り早く)戦争やってハイ解散。ハイ解散した傭兵たちがその後どうやって食っていくか?そこに村がありますね?
m.t @Ellfas3 2019年7月16日
当時ある意味点と線でしかない戦争自体の荒廃よりもこの元傭兵たちによる損害がとても大きく、「戦のあとの後難(Tard Venu)」とか言われておりました
RXF-91 @rxf_91 2019年7月16日
スイスと言う国の成り立ちを垣間見たい人は「狼の口」って漫画読むといいよ!バイナウ!
あんちゃん @hayato46251 2019年7月16日
なんで強いキャラの代名詞に黒騎士とかあるんだろって思ってたけど ちゃんと由来つうか意味あったのか、知らんかった