- hfsm_ABIDING
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AFからの攻撃は激化の一途を辿っている。装甲とコジマ粒子の相性でディスアドバンテージを背負う3機が戦闘を続ければ、いずれ致命的な結果が齎されるのは明白だった。 「無念だが、ここで退く」 「……了解。殿は大和が務めます」 「ここまでとはな。上に何と言えばいいのやら」 #ギガベース日誌
2019-11-06 01:47:03「やったな不知火。今頃あいつら大喜びでお前のぶち開けた穴通ってるだろうよ」 メインカメラがダウンし、ノイズとアラートが賑やかに重なるコックピットにDfJと不知火はいた。 「……まずい」 「何がだ」 #ギガベース日誌
2019-11-06 01:57:58「機体、壊れた」 「はい?」 AMSコネクタからケーブルを引き抜く不知火。搭乗中後ろに逃し、癖のついた髪を軽く撫で付け、コックピットのコンソールを叩く。 「……ダメだ、完全に動かない。多分メインブースターが吹っ飛んだ。オートバランサーも死んでるから、数分後に沈む」 #ギガベース日誌
2019-11-06 02:02:44「骨折してるから泳げる自信ないぞ。菊月はレイで手一杯だろうし」 「……仕方ない」 再びコンソールに手を伸ばす不知火。数回の操作の後に、小さく漏れた『よし』という言葉が、DfJにはとてつもなく頼もしく聞こえた。 「策があるのか?」 「絶対使わないと思っていたのだけれど」 #ギガベース日誌
2019-11-06 02:06:27コックピット後方の収納部分のロックが解除され、白煙と共に機械構造体が露出する。 「これは……陽炎型の艤装?本気なのか?」 「何時だって例外はあるもの。それじゃあ提督、失礼して」 わざとらしい提督呼びと同時に、不知火はDfJの身体を持ち上げた。 #ギガベース日誌
2019-11-06 02:10:30この日。 多くにとっては突然に。極一部の者にとっては覚悟めいた予感の的中として、それは世界を駆け巡った。 #ギガベース日誌
2019-11-06 02:13:46オーメル本社に対するギガベース鎮守府の攻撃。 そこに介入し、両陣営を壊滅させた後に本社施設及び最新鋭AFを掌握した、深海棲艦から成る第3勢力。 滅びたORCAを名乗る者達が、深海より浮上したという事実。 #ギガベース日誌
2019-11-06 02:17:31企業支配体制がもたらしたゆるやかな死。 隠匿され続けていた不可避の滅びは、人類種の天敵によってその実在を少しずつ暴かれていった。 そうして達したこの日より、全ての人類は己が生すらその渦中にある事を自覚した。 #ギガベース日誌
2019-11-06 02:21:26ACT07「CREATED VICTIMS」 完 ACT08「PHANTASMA BEING」に続く #ギガベース日誌
2019-11-06 02:24:33