これが読めるか勇者よ- 結 -

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

【防衛戦なら私の権能ですが…】 「拠点さんとの契約には戦争参加は含まなかったからな。あくまで拠点防衛、拠点内の統率」 [専守防衛、とな] 【攻める理由もありませんし。何しろ、待ち構えて罠に嵌めるのが魔王様のやり方。大軍指揮には向いておりません】 「戦略遊戯とかホント嫌い、我。無理ゲー」

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【ほんと極端に弱いですものね。あれ、思いの外楽しいのに】 「いざとなると分体作って並列思考する拠点さんに勝てる訳無いでしょ！？」 【思考はほぼ同じですが？】 「別視点を持ち客観視できるもう一人の自分とか強いでしょ！？もうずるい！！」 【契約で分体を使うなと言われておりませんでしたし】

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[意外とちゃっかりしておられるのう…] 「ほんとね、拠点さん、したたか…」 【強みは活かすものですわ】 「それだよなぁ。我の強み。特化式必中呪い」 [しかし、あくまで対個人に絞った上で制約もある。今回の大軍相手には…] 「…となると、頭を狙う、なのだが」 [王子か…あやつには新勇者がおる]

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「正直、あれをどうにも出来ないと王子には近付けない。あの新勇者には呪いが通用しないのは、ほんと我対策特化し過ぎよなぁ」 [何ゆえ、通用せんのかの？不思議でならぬ] 「我の呪いのみに限定した防御を備えているか、呪いの認識を受けないように制限をかけているか…」 【つまり…勇者のように？】

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「うちの勇者は呪いの理解に必要な認識と知識を欠けさせる、根本的に呪いそのものを理解させない対策でやられた。だが、あの不気味な勇者は…それ以外でそもそも効かない、そんな感触でな？」 【なんですか、その手の動きは？】 「難しく考えて説明するときこうなるのよな、我。手をついつい癖でね」

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[つまるところ、思考能力が無い、というのは無いのかの] 「だったら別の方法でやれるんだが…我、あれと邂逅した際に試して、認識そのものはされてる感触はあったのよな。だが、認識されたのに呪いは回避された」 【別の防御手段…】 「それさえ分かればなぁ。今回は相手の切札が意味不明に強過ぎる」

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【では、結果的には今回は逃げの一手と】 「流石に拠点変更する。ま、ここ蜂起しても赤字で財宝も何も無いから気軽よな」 【予算は計画的に】 「ほんとすんません」 [となれば、勇者も移動させなければならぬが…そこはどうかの？] 【治癒そのものは安定しておりますわ。ですが…】 「起きぬのよな…」

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【もう、勇者を蝕むものも苦しむものも何も無いのですが…何故か…】 「ま、休ませるだけ休ませよう。最悪、精霊獣に搭載して上手く逃げて貰う。海一つ渡れば追手も来るまい」 [さて、私はどうするかの？足手纏いなら置いていっても構わんが] 「もう一つの最悪なら、それもお願いするつもりであるよ」

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【魔王様！？】 「正直、これ以上戦いに巻きこむのもなぁと」 [ふ、誘拐しておいてよく言うわい] 「まぁ、あくまで最悪での前提。希少な教師を手に入れて、そうおいそれと解放するかよ？我、魔王ぞ？」 [強欲でよろしい。花丸じゃな] 「それはどうも。しかし、本当に同行する気か？国に戻れぬぞ？」

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[今更帰った所で、喜ぶものもおるまい。さっきも言ったが、王子からすればむしろ格好の攻める理由の補強材料にして、後に処分されるのが見えておるよ] 「…あの王子、思った以上に魔王以上の行動よな。我より魔王じゃね？」 [皮肉な評価だが、王と言う支配者としては、何とも理想的な合格印じゃな…]

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【それでは、別拠点に退避、それでよろしいですか？】 「うむ。勝てぬ戦いに挑む理由無し。戦場は決めた側が優位。そこに挑むバカは大抵死ぬか負け」 【それでは行き先の手配を行います】 「任せた。ただし、ただ逃げるのも魔王的にはつまらぬし…ちょっと嫌がらせしておくか。我、卑怯な魔王だし？」

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#これが読めるか勇者よ -結- 栞2 <王子> pic.twitter.com/rFmNnYvxTu

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「あのー、しーませぇん、そこお方達ィ」 |なんだ、お前は。こっちは魔王軍討伐の準備で忙しいんだ。ここらは戦になる、逃げておけ| 「あぁー、そーでごぜぇますかぁ。いやぁ、なんだか最近物騒でぇ、村のもんがぁ何事かぁと」 |呑気な村だな、おぃ…。まぁ、いい。兎に角ここらは戦場になるからな|

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「戦争ですかぁ…いやぁ、ここ最近はぁ平和な年が続いてましたもんでぇ、ピンとこねぇですなぁ。まぁ、危ぬぇつぅんなら、村のもんと話してぇきますわぁ」 |そうしろ…いや、待て。村と言ったな| 「へぇ。年よりばかりの村ですがぁ、何か？」 |食糧を買い取りたい。色々とあってな、心許ないのだ|

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「へぇ、それでしたらぁ是非に。逃げるに沢山持っていけねぇっすから、ありがてぇこって。前の貴族様がぁ死んでからぁ新王様がここらを取り仕切ってから、税も安くなって、蓄えはぁありますよってぇ」 |なら好都合。あの王子、いや新王も、なかなかの為政者のようだな。お陰で不足を補えそうだ|

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「とりあえずぅ、竜芋ぉなら捨てるほどたんまり保存してますやぁ。茹でるとホクホク感がすげぇいいんですわぁ」 |竜芋か…まぁ、無いよりはましか。酒はあるか？| 「樽5つほどならぁ」 |よし、それも買い取ろう。それと飲める水はあるか？| 「村ぁの井戸ぉなら、それなりにぁ。飲めはしますなぁ」

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|よし。因みに家、特に多人数が泊まれそうな建物はあるか？| 「へぇ、それならぁ、村ぁの教会なら。昔に造られたぁで、もうボロいですがぁ石づくりでぇ頑丈なのが自慢ですわぁ」 |よし、魔王討伐までの間、その村ごと借りるとしよう。なに、すぐに終わる。数に頼る魔王など我々の敵ではないわ|

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「ｹｯ…そりゃあ、頼もしいこったでぇ。ではぁ案内しやしょうか」 |うむ。頼むぞ| 「いやぁ最近はぁなんか色々とあったようでぇ、都でたくさんの貴族様がぁクビになったり、魔王がぁ近くの神殿襲ったとかぁ、いやぁ怖い怖い。のんびり竜芋を育てぇだぁな」 |なに、暫くの辛抱だ。我らに任せておけ|

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「しかしぃ兵士様方は、ここらの出で立ちじゃあござぃませんが、どちらから？」 |隣国の神殿騎士団だ。本来であれば今年も大神殿の警備につくはずであったが、魔王め、神聖なる神の膝元を汚すとは…！| 「まったくもって。魔王とはぁ神も恐れぬとんだぁバチあたりでぇ。どーか、倒してくだせぇ…」

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|…ところで、村人。道はこっちであっているのか？| 「いやぁ、しーませぇんなぁ。辺鄙なところでしてぇなぁ。そろそろ新王様にぃ道を造って頂きてぇところですわ」 |まったくあの若造は。新王と名乗り改革をしている様子だが、国の血の巡りどころである肝心の道など重要な所は、まだ分かっておらぬわ|

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「へぇ、道に橋、ほんとぉ大事ぃでございましてぇなぁ…。ほれ、あそこですわぁ」 |ほう、聞いて思った程は粗末ではないな。よくまとまった村ではないか。あの教会の建物も、よく手入れされておるではないか。信心深いのがよく分かる。我らに声をかけたのも、神のお導きか| 「さぁさぁ、どうぞどうぞ」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

|しかし、あんな立派な教会、我々が知らないのも妙な話だ。大神殿にいたが、今まで一度も聞いたことがない| 「やはりぃ、辺鄙なところでしてぇ、あんまり目に止まらないのでしたのかなぁと…」 |いや、なに、これからはお前達の村が神の御加護を受ける場所になるかもしれぬ。我々に協力するのだからな|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

「へぇ、そりゃあ、ありがてぇこって。神様ぁも粋な計らいなさぁりますなぁ」 |神の家があり、我々は神殿騎士団、これは神の導き。魔王討伐をせよとお告げかもしれぬ。魔王討伐の後にはここに新たなる大神殿をつくるのも良いな| 「なんと！そりゃ村にとっちゃありがてぇありがてぇ…ささ、どうぞ」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

|…他の村人の姿が見えぬようだが| 「念のためぇ、家に引きこもってますわぁ。まぁ、話を聞けばぁ直ぐにでも酒を持って来ますやぁ」 |ふむ、そうか。それは楽しみだ。他の者達、この村は神の新たなるお膝元と思え。乱暴狼藉は固く禁じる！| 「いやぁ実にありがてぇこって…さ、皆様、教会へどうぞ…」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

|失礼するぞ…ふむ、あまり物が置いていないようだな。質素であるが、信仰の場はやはりこうでなくてはな| 「とこらでぇ、今いる皆様はぁ何名様おられるので？」 |とりあえず、代表代理の我々が5名と15の指揮官級騎士達。部下の兵士100は先程の陣で待機させている| 【神殿騎士20名様、ようこそ、皆様】