産科医2名でお産が継続できない理由

産科医2名の施設でお産が難しくなっている理由についてまとめました。 365日24時間、産直かオンコールになるという超長時間労働、労基法違反の持続の他、地域での周産期機能の維持、労働環境改善による新規産科医の獲得、離職の防止という視点が必要です。
分娩 長時間労働 周産期センター 産科 医師の働き方改革 集約化
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Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
とりあえず「周産期センター」というには 1)産科医が常勤で8名 2)新生児科医が常勤で8名 いないと、まともにシフトが回らない、というところから話をしないといけませんな。 それをクリアしてもし医師が余ったら、その周辺にも配置できる、というレベル。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
周産期センターが無くなればそもそも開業産科診療所レベルも存在できないので、その地域から分娩施設は完全に消滅します。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
なので、地方自治体の皆様におかれましては、自分の地域の周産期センターがどこで、そこに常勤産科医8名+新生児科医8名がいるかどうかを確認するところから始めていただきたく候・・・
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
1〜1.5次の産科施設も常勤3名以上が好ましいと思っています。3人いれば ・一人はフリーで休める ・学会などで知識研鑽に参加できる これは2人で開業している自分の実感
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
地域によっては周産期センターのバックアップがあれば2名もしくは1名で産科施設を維持できるかもしれません。ただしそれは周産期センターが先ほどの人数を確保してきちんと運営できていることが前提条件。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
なお周産期センターでは年間分娩数1000〜1500件程度を想定。帝王切開率は20~30%(ハイリスク扱うので)で年間300〜400ぐらいですかね。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
件の市長の話ですが 丹波医療センターを見ると産婦人科医師は5名ですかね? 常勤医が何名かは分からないですが、ここにささやま医療センターの2名が加われば7名となって、周産期センターの必要産科医数8名に近づきます。そうすれば交代制勤務を違法労働状態を作る事無く概ね実施できる。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
兵庫医大の構想はそういうことなんじゃないですかね? 地元民じゃ無いからわからないけど・・・。 そうならやる気の問題では無く、人員配置の問題。 で、優先順位は 3次施設>2次施設>1次施設 なんだな。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
なんでかっていうと、周産期では1次施設は2次施設の、2次施設は3次施設という親亀の背中に乗ってる子亀なので、親亀がこけると子亀もこけるから。親亀がいないと子亀も存在できない。だから親亀を守ることが第一なんです。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
なので周産期施設というのはそもそも多施設連携が前提なんですよね。それぞれの医療圏である程度完結するシステムを構築しないといけない。「自分の町に産科施設がありさえすればOK」というわけにはいかないんです。 まあ、理解してもらえるならあんな発言は無いでしょうけど。。。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
ちなみに周産期死亡率で言うと、平成元年でもまだ10超えてるんだよね。5を切ったのは平成17年。昭和54年は20超えてる。一人で開業が当たり前だった時代(昭和50年代ぐらいまで)は周産期のリスクは今より結構高かった、という認識は必要。
岩永直子 Naoko Iwanaga @nonbeepanda
医師の働き方改革は、医師だけの問題ではありません。これまでギリギリ以上に働いて地域の医療を支えてきた医師の残業時間が規制されたらどうなるか? お産をする施設はかなり減らして人員を集中させないと回らなくなります。私たちは何ができるのでしょうか? buzzfeed.com/jp/naokoiwanag… @nonbeepanda
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
むしろ集約化をやめて中小規模を増やして、出来るだけ産婦人科医の管理者を増やして労働基準法の枠外に。。。ゲフンゲフン というのがむしろ今までの産科だったんじゃないですかねえ。。。 twitter.com/nonbeepanda/st…
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong 丹波篠山市長さんの頭の中はここで止まっているので、あの思考はやむを得ない。協定を結んだ頃もまだ双方そこまで切迫した状況ではなかったのでしょうね。 ただ、時代が変わりました。単に働き方だけの問題ではないです。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong かつての一人産科開業時代 ・医師一人+産科看護師で分娩取り扱い  (で開業助産師との確執が、、、は別の話なので割愛) ・基本的に自宅と診療所が一緒でずっと宅直状態 ・帝王切開:近所の産科開業医を呼ぶ(お互い様) ・新生児科医はいない
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong で、一人で年間300〜500件ぐらいの分娩を扱うのが普通。中には700とか900件なんていう猛者も。 で、団塊ジュニアの年間200万件のお産をこういう人たちが取り上げてた。これが今、だいたい70代以上の先生方。 ミドルリスクの分娩も扱っていたので、経験値はべらぼうに高い。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong ただ、周産期死亡率見るとこの時代(昭和 40〜50年代)はそこまで低くないんですよね。産科出血や DICへの対応、早期産児への対応などはまだ今ほど進んでいなかったので、そういう要因かなと思ってます。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong ウチの亡父がどっぷりこの世代ですが、一人開業で年間400〜500件ぐらい扱っていたらしい。でも、自宅と診療所が一緒なので、子供としては親の顔を全然見ない、ということは無かったです。そのあたりは勤務医や一般企業のお父さんの方がよほど子供と一緒の時間が少なかったんじゃないかしら。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong 夜も医師会の会合やらなんやらで、結構飲みに行ってました。それで分娩に呼ばれてもまあ許されていた、そんな時代ではありました。 ただ、流石に完全フリーの休みは少なくて、家族一緒にどこかに出かけるというのはあまり無かったです。たま〜に近所の病院の先生に留守番頼んで出かけるぐらい。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong で、この時代と一番変わったのは実は産科よりも新生児科じゃないかと思います。新生児医療を大きく変えたのはサーファクタントの発見と実用化だという話がありますが、これが1980年ごろ。 jschild.med-all.net/Contents/priva…
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong で、女子医大に NICUができたのが1984年。 twmu.ac.jp/NICU/job.html ここから産科+新生児科=周産期医療が大きく発展します。 ただ、当然ですが一人開業医の規模では NICUを持つことは不可能で、母体搬送という方法がとられるようになる。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong これで NICUをもつ周産期施設とその周辺の一次施設、という周産期システムが出来てくる。しばらくは母艦の周産期施設に人を出している大学医局の関連施設でシステムを構築していましたが、それは徐々に崩れてきているかな〜というのが、産科医として20年間見てきた印象。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong で、産科医ばっかり騒がれるけど、 NICUも 24時間365日稼働している施設なんですよ。むしろ重症の新生児がいたりすると、産科よりももっと大変だったりする。当然、新生児科医をかつての産科のように薄く広くばら撒くなんてできないです。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong そして、 NICUを中心に総合周産期センター/地域周産期センターが形成されてくる。なんだか太陽系での惑星の形成みたいですね。。。
Kazutoshi Maruyama @sunchang00451
@mihyonsong 一方、産科でも例えば子宮動脈塞栓術のように放射線科医がカテーテルを用いて治療するなんてのが出てくる。また、産科麻酔の進歩やハイリスク分娩で麻酔科医が母体の管理を主に担ったり、そんな状況が出てきます。つまり、特に母体の救命において産科だけで治療する、という時代では無くなりつつある。
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コメント

bluemonkshood @bluemonkshood 2019年8月4日
周産期センター麻酔科医の数も大事です。麻酔科医が当直していないと緊急帝王切開はできません。
bluemonkshood @bluemonkshood 2019年8月4日
そもそも、二人で直麻酔だと、一人が麻酔して、その後は、看護師にまかせて、二人で帝王切開です。 超緊急帝王切開だと、オンコール産婦人科医が間に合わないと、産婦人科医+外科当直で帝王切開を開始せざるを得ないので、そこに麻酔科医がいないとさらに悲惨です。もちろん、新生児科の先生がいないと、麻酔科医が新生児蘇生したり、産婦人科医が手術から手をおろして、新生児蘇生することに。
呼吸する草 @sPEr54fuQYqCh3A 2019年8月4日
医師に無理なく働いてもらうためには適切な人員配置が必要。 それがマネジメント。管理者の仕事だ。 現場が無理をすれば必ずミスが起きる。 人間は絶対にミスをする生き物だからだ。 二人でなぜできないと言い出す委員は知能も常識も全てが足りていない。
yuki🌾㊗️5さい🎉⚔ @yuki_obana 2019年8月4日
1.5倍の賃金払えるほど売上もらえてるの?ってところが根本でそ(´・ω・`)結局無い袖は振れないので医師の給料下げてワーシェアって流れにしか出来ないなら仕方ないよでおしまい。みんなワンオペ可能な診療科目に流れるだけだよ。
さしみじょうゆ @sashimi_shoyu7 2019年8月4日
医者2人で分娩やれってのは、母子死亡が珍しくない時代に戻ってもいいからとにかく分娩しろって事だよ。母子が死んだ悲しみを背負うのは遺族と目の前で為すすべもない医療関係者だってのに。 この委員は自分の言動の無責任さを痛感しろ。
田舎の元外科医 @inakashoge 2019年8月4日
まとめを更新しました。tweetを追加しました。 @doctor_nw @codeblueflower @TOTB1984
ぽこ@猫の画像ください @igashiga 2019年8月4日
私が出産した病院はHP上では3人の産科医がいたけど、病棟では2人しか見たことがなかったな、二週間近く入院していたのに。で、その2人ともほぼ毎日見かけたわけです。そして私は、祝日の未明に出産という非常に申し訳ないことをやらかしてしまってw 看護師さんに、先生たちはちゃんと休んでるんですか?と聞いたら苦笑いされた。周産期医療センターです。
海◆eoxyl9RE @umi_eoxyl9RE 2019年8月4日
産婦人科は妊婦加算の更に加増した診療点数を算定できることに去年なったけど、政治の方で来年四月まで停止。復活するかは審議中。適切な報酬をもって医師の出動コストを下げる方向にならないと厳しい。
伍長 @gotyou_H 2019年8月4日
深夜のコンビニだって「レジに一人と品出しに一人の2人で店を回してる」けど、「その店の深夜担当従業員が2人しかいない」わけじゃねーだろ、という話。 そして医療の場合、そもそもの作業員自体が2人じゃ足りない(「やってやれないことはない」で何とかしてるだけ)。
アオカビさん @Penicillium_ch 2019年8月4日
365日24時間体制を維持するためには、実運用に必要な人数の他に、その人数をローテーションするためのバックアップが何倍も必要だ、というごく当たり前の話。9時17時以外は何が起きても一切対応しないとかで良けりゃ2人でも出来るんだろうけどさ。
[74]Kirara@PrayForKyoani @Kirara1314 2019年8月4日
一人の勤務時間を休憩別8時間に抑えて24時間常時人員配置するには最低でも1ポジションにつき4名必要。 勤務医が2名常時欲しいならこの2倍の8名ということになるな。 後学会有給休暇対応として予備1名、これは部長級でも構わないとは思うが。
koyoi @koyoi415 2019年8月4日
産婦人科って特に激務で負担も重い科なのに、医師を責めて休むな仕事しろってすり潰して… そりゃあ産婦人科医も減るよなって感じ
リー・ダーウェン @Lee_Darwen 2019年8月4日
人・物・金の問題をやる気の問題にすり替えるな昭和の旧軍じゃねえんだぞ
kartis56 @kartis56 2019年8月4日
作業内容がなんであれ、交代勤務なら最低3人必要
田舎の元外科医 @inakashoge 2019年8月4日
まとめを更新しました。 福島大野病院事件の前後で何が変わったのか。tweetを追加しました。
麻樹・あるいはまお @maki_miquette 2019年8月4日
丹波篠山の病院って前確か小児科も壊滅寸前になってた気がするが。小児科の話は丹波の別の病院だっけ?
SAKURA787@多摩丙丁督 @Sakura87_net 2019年8月4日
何の医療知識もない自分から見ても、産科医二人?おまえんとこの妊婦は9-17時の範囲で産気づいて1時間程度でホイホイ産んでくれる奴ばっかなのか?じゃないだろ?って思うんだが。
氷雨(鴎) @kamome54 2019年8月4日
お気持ちで現場攻撃してれば仕事したことになるんでしょう市長様はそして多分そういう人物を選んだ市民もきっと・・・
田舎の元外科医 @inakashoge 2019年8月4日
まとめを更新しました。
hpmp @hpmp15 2019年8月4日
癌すら治せるようになった現代医療をもってしても、なお数%の確率で母子のどちらかは死ぬという文字通りの戦場だからなぁ。「死人なんか絶対出るはずがない!出したら訴訟な!」という空気のもとに産科医師を追い詰めてきた結果が、この見事なまでの負のスパイラルよ・・・。
宮原篤 / 書籍「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」@9月21日発売 @atsushimiyahara 2019年8月4日
2006年の事件から、少なくとも改善はしていない。/「三千万円出せば 大学病院の助教授が飛んでくるのに、四千八百万円は高過ぎる」https://ameblo.jp/fkmedico/entry-10017210618.html
イベリコ豚のリコ @jt0MTsl4UUeY13r 2019年8月5日
毎日新聞が対応に問題の無い産科医師を批判し続けたら、あら不思議、追い詰められた警察、逃亡の恐れがない医師を逮捕(飯塚と同じ)、研修医「ミスしなくても胎盤剥離して亡くならせてしまったら逮捕されるの?怖い産科は無しだな」産科医「撤退」で産科医激減、で今度はコレ
イベリコ豚のリコ @jt0MTsl4UUeY13r 2019年8月5日
男女比率調整で大学入試不合格にされて、国家試験合格して、この仕打ちじゃあ医者そのものが減るわな
殿岡@キャプテンはお知らせが読めない @bathtime39c 2019年8月5日
産科は裁判系も怖いっていうからね…医師不足
Kazuhiko Motooka @ka_motooka 2019年8月5日
あらきん先生が書かれた「妊婦が市内で産みたいのか市が市内の産科で産んで貰いたいのかよく分からない」がポイントだと思います。本当に住民の要求なのでしょうか?。
田舎の元外科医 @inakashoge 2019年8月6日
まとめを更新しました。 医療の高度化が集約を促す例を追加しました
田舎の元外科医 @inakashoge 2019年8月6日
atsushimiyahara 365日24時間がすべて勤務時間扱いになれば、年間4800万円の賃金は妥当ですね。恐らく篠山医療センターのお二人も、きちんと時間外手当が払われているのか疑問です。長時間勤務を強いるのであればせめて手当で報いる必要があります。
🚲デ・モシーカ Dr.🚲🎍 @DrDemosica 2019年9月18日
集約化して「1施設10人以上」くらいにしないと=従来の働き方・拘束のされ方では医学生・研修医ドン引きして新規参入しないので産科の持続可能性が潰えます。
田舎の元外科医 @inakashoge 2019年9月19日
まとめを更新しました。 日産婦、第1回拡大サステイナブル産婦人科医療体制確立委員会 の記事を追加しました。
田舎の元外科医 @inakashoge 2019年9月20日
まとめを更新しました。 日本の産科医療の時代での変遷、なぜ今は集約化が必要となっているかその背景を説明したtwを追加しました。
Halfricesetitsmore @Halfriceset 2019年9月20日
非常に興味深いのは、ここまで「助産師」の話が一切出てない事。
まるい りん @maruirin 2019年9月20日
産科医2名って絶対無理があると思うわ。私が出産したところも院長先生とベテランナース(奥さん)がメインだったけど、いつも過労でふらふらしてたもの。産後の診察はよそから呼んできた研修医の方がやってたけど。集約化が必要って医療関係でいろんな人が言ってるな。
まるい りん @maruirin 2019年9月20日
医大問題が起こった時、外科の話ばかり出てたけど、産科の方が待った無しなんじゃないのと思ってた。