2019年7月28日分の高瀬正仁先生朝カル講義2次形式と2次不定方程式3回シリーズの 第1回 「2次形式による数の表現」のtweetをまとめています。

ホームページより 【2次形式による数の表現】 2次形式による数の表現の探索は2次形式の変換理論と深く関わっています。与えられた判別式をもつ2次形式を見つける方法が確立されると、数を2個の平方数、1個の平方数と2倍平方数、1個の平方数と3倍平方数に分解することについての、フェルマが発見した諸定理が導かれます。
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高瀬正仁 @M_Takase_imfo

・朝カル講座報告(1) オイラーの著作『無限解析序説』(全2巻)の第2巻のテーマは《関数の理論を基礎とする曲線の理論》です。放物線y^2-ax=0は、座標を変換すると込み入った形の方程式に移りますが、オイラーが例示した変換は「原点を通る直線に関する対称点への移動」を表す直交変換です。 pic.twitter.com/jH2ruWaE0e

2019-08-01 03:57:13
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高瀬正仁 @M_Takase_imfo

・朝カル講座報告(2) 2次形式の判別式 D と、その2次形式で表示される数 M の関係。 《DはMの平方剰余である。》 この認識がガウスの2次形式論の根幹を作っています。 ● 2次合同式 x^2 ≡ A (mod.m)の解の探索。ガウスは独自の「掃き出し法」を考案しました。 pic.twitter.com/CosJjzq1au

2019-08-01 23:31:30
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・朝カル講座報告(3) 隣接する2次形式の系列を作る。判別式が1の2次形式をどのように指定しても、隣接する形式をたどっていくと、最後に必ず  f=x^2+y^2 という2次形式に到達します。 pic.twitter.com/AjN3sOGLEK

2019-08-04 11:42:15
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・朝カル講座報告(4) (a)「直角三角形の基本定理」(フェルマ) 《4で割ると1が余る素数は二つの平方数の和の形に表示される。》 (b)「平方剰余相互法則の第1補充法則」(ガウス) 《-1は「4で割ると1が余る素数」の平方剰余である。》 (a)→(b)は容易。ガウスは(b)→(a)を示しました。 pic.twitter.com/z6do1q5nXg

2019-08-04 11:52:35
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高瀬正仁 @M_Takase_imfo

・朝カル講座報告(5) ガウスは2次形式の変換理論により(b)→(a)を証明しました。 具体例。M=97≡-1(mod.4)の場合。 まずガウスが考案した「掃き出し法」によりN^2≡-1(mod.97)となる数Nを探索してN=22を見つける。 次に、判別式1の2次形式f=(97, 22, 3)を作る。 pic.twitter.com/WCirJALHrM

2019-08-04 12:01:26
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高瀬正仁 @M_Takase_imfo

訂正 判別式1→ 判別式「-1」

2019-08-04 22:27:36
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・朝カル講座報告(6) 判別式-1の2次形式 f=(97, 22, 5)=97x^2+44xy+5y^2 を作る。(報告(5)でf=(97, 22, 3)と書いたのはまちがいでした。) fに隣接する2次形式 f'=(5, 3, 2)=5x'^2+6x'y'+2y'^2 を作る。 f'に隣接する2次形式 f''=(2, 1, 1)=2x''^2+2x''y''+y''^2 を作る。

2019-08-04 23:04:38
高瀬正仁 @M_Takase_imfo

朝カル講座報告(7) f''に隣接する2次形式 f'''=(1, 0, 1)=x'''^2+y'''^2 を作る。 fからf'''に移るには変換  x=-2x'''-y''', y=9x'''+4y''' を行う。逆に、f'は変換  x'''=4x+y, y'''=-9x-2y によりfに移る。具体的に表記すると、等式 (4x+y)^2+(-9x-2y)^2=97x^2+44xy+5y^2 が得られる。

2019-08-04 23:07:42
高瀬正仁 @M_Takase_imfo

・朝カル講座報告(8) 等式 (4x+y)^2+(-9x-2y)^2=97x^2+44xy+5y^2 の両辺のx^2の係数を比較すると、  97=4^2+9^2 という表示が得られる。これで97が二つの平方数の 和の形に表されました。

2019-08-04 23:09:19
高瀬正仁 @M_Takase_imfo

・朝カル講座報告(9) 平方剰余相互法則の第1補充法則から直角三角形の基本定理へ 1) 奇素数M ≡1(mod.4)に対し、 N^2 ≡-1(mod.M) となる数Nを-M/2とM/2の間に見つける。 2) 判別式-1の2次形式f=(M, N, (N^2+1)/M)を作る。 3) fに隣接する2次形式の鎖をたどってf^{n}=(1, 1)=x^{n}^2+y^{n}^2に達する。

2019-08-04 23:23:51
高瀬正仁 @M_Takase_imfo

・朝カル講座報告(10) 4) 逆向きにf^{n}からfにもどる変換 x^{n}=ax+by, y^{n}=cx+dy を書く。このとき、等式  M=a^2+x^2 が成立する。ガウスはこのような手順により直角三角形の基本定理を示しました。

2019-08-04 23:30:24
高瀬正仁 @M_Takase_imfo

訂正 M=a^2+x^2 → M=a^2+c^2 (xをcに訂正) f^{n}においてx^{n}=ax+by, y^{n}=cx+dyを代入して展開すると、x^2の係数はa^2+c^2になります。それはまた f におけるx^2の係数Mでもあるので、等式M=a^2+c^2が成立します。

2019-08-16 02:49:52