- sm_14th_Invidia
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@sm_14th_Invidia そうそう、ようやくファンタジーらしく夢と冒険の物語になりかけてるところだったね。
2011-05-22 02:16:56今日も今日とてクズ鉄のミサキと幻想の魔術師マハラドは停滞竜カブトを倒すために頑張っています。 今日はカブトの住まう山まで調査にやってきました。
2011-05-22 02:19:57視界にいれるだけで石となるカブトの住まう山に入ることは危険でしたが、十分な調査によってカブトがどこで寝ているか特定されていること、そしてまだカブトを倒すには情報が足りないこと、その二つの要因から二人はそのリスクを受け入れたのです。
2011-05-22 02:22:13マハラドは言います。 「僕らの目的はカブトを倒すことではなく報酬を得ること。褒美に釣られてやってきたカブトを倒そうとする誰かに情報を売るという集団もある。とにかくそのためにはもっと細かい調査が必要だ」
2011-05-22 02:24:01【源魔法使い族】であるマハラドは別段体力に優れているわけでも魔法を使用できるわけでもありません。 そしてマハラドの持つ知識は魔法の理論、それも基礎理論と自分の専門分野だけです。 そしてマハラドの専門は【ドラゴン族】ではないために、マハラドはドラゴンに対しては無知でした。
2011-05-22 02:27:45ではマハラドはこの調査の役に立たない? いえいえそんなことはありません。 その知識は役に立たなくても知恵は役に立ちます。 マハラドの生まれてきたときからずっと真実の探求を続けてきた経験は欲しい知識までの最短経路をつくります。
2011-05-22 02:28:54それはクズ鉄のミサキの憧れる物語の中の自分、竜殺しのミサキと同じです。 彼は彼の望む目標のために新しい道を見つけることのできる冒険家なのです。
2011-05-22 02:31:05そして彼は自信に溢れていました。 ずっと世界を呪いながら生きてきたミサキにはわかります。 彼は優秀な人間なのです。 彼は目標を立てて、そのために努力して、そして努力に値するだけの見返りを与えられ、周囲に認められ、そういう風に生きてきた人間であることがミサキにはわかるのです。
2011-05-22 02:32:54ならば黒い雲のヒジリがそうであるようにマハラドの存在もミサキを苦しめるのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。 何故ならばどうやって生きてきたであれ今のマハラドは【源魔法使い族】の《善行》である「魔法の真理の探究」を行えていないからです。
2011-05-22 02:36:15確かにマハラドは優れておりミサキは憧れています。 しかし、同時に自分と同じ《善行》を為すことのできない自分と同じ「失敗している者」なのです。
2011-05-22 02:38:59どうしてマハラドのような優秀な人間が研究に必要な資金も出して貰えずこんな辺境の地にいるかはわかりません。 しかし、今現在マハラドが無為であることは確かです。 だからミサキは安心してマハラドのことが好きになれるのです。
2011-05-22 02:40:13そしてミサキがマハラドのことを無為であると同時に優れた人間だと認めているのと同じように、マハラドもミサキのことを認めていました。
2011-05-22 02:43:10同じ《善行》を為せない立場で、なんとか《善行》を為そうと様々な手をこらしもう少しで手が届きそうになっているミサキにマハラドは尊敬に似た感情を向けているのです。
2011-05-22 02:44:45それはミサキが人生で初めて得た「尊敬しあえる友」です。 確かにクズ鉄のミサキは黒い雲のヒジリを尊敬しており、ヒジリはミサキを尊敬しています。 ですがヒジリが尊敬しているのはあくまで物語の中のミサキ。 ヒジリに好かれることはいい気分であると同時に耐え難い苦痛でした。
2011-05-22 02:46:43しかしマハラドは違います。 尊敬するだけの能力を持ちながらにして本物のミサキを認めているのです。 このことがどれだけミサキを救っているかは百の言葉を用いて説明してなお足りません。
2011-05-22 02:49:09@sm_14th_Invidia 一夜前は「ヒジリしかいない。僕はヒジリのために頑張る」って言っていたのに……
2011-05-22 02:50:28@sm_12th_Gula ミサキは自信がなくてその上愛に飢えているから。 誰かに認められるとそれだけで舞い上がって頑張れちゃうの。
2011-05-22 02:52:13