連作小話「色懺悔」

白雲×初子シリーズ第2作(初子の設定は少々変更した)。「他人本位の生活、自己本位の人生」http://doyoubi.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-e8c1.htmlをキャッチにしてきた白雲だが、初子に結婚を迫られて…
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  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-09 15:38:41
    #twnovel 朝はカットサラダとトースト、果物もしっかり食べた。使った食器は食器洗い機に放り込めばよし。洗濯も全自動で乾燥まで。本堂の掃除は先日購入したお掃除ロボットにお任せ。俺はパソコンに向かって檀家(浄土真宗だから本当は門徒)情報の更新。坊主も情報武装の時代なのだ。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-10 07:48:42
    #twnovel 田中さんは娘さん離婚したんだって。法事案内葉書を印刷し終えて更新した檀家情報を眺めている。核家族から家族解体の時代へ、こんな時代に寺を維持するのも結構大変。俺には嫁も子供もいないから気楽でええけど。さて、原チャリで檀家回りするか。お経をあげて世間話してそれから…
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-11 08:45:41
    #twnovel 「ねえ、私もう辛抱できないの」事が終わった後で初子がからんできた。「あなたが別の女とナニしてるかと思うとたまらないのよ」三年前に夫を亡くして俺と縁が出来たこの女、43歳だが、最近、俺に結婚を迫ってくるのだ。結婚したからといって俺の女癖が治るものでもないのにナア。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-12 08:09:56
    #twnovel そんなあ、結婚なんて考えたくもない。今のままで俺は十分。もともと、お互いにそのつもりやったんとちゃうんか。こうして時々逢えば十分の筈や。なんか事情が変わったか。寺の大黒さん(僧侶の妻)は大変やで。初子にそれができるとは思えんなあ。しんどいことは避けた方がええぞ。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-13 08:06:15
    #twnovel そう、初めは遊びのつもりだったの。でも、逢瀬を重ねたらずっと一緒に居たいと思うようになったの。自然な気持ちでしょ。それのどこが悪いの。二人の中を世間にも認めて欲しいし、ちゃんとした形になりたいのよ。今のままだと体だけの関係みたい。それじゃあ納得できないのよ。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-14 08:25:42
    #twnovel 喧嘩別れになってしまってから一ヶ月、なんにも言って来ない。俺からも連絡しない。このまま切れてしまうのかなあと思っていたらメール。「大事な相談がある」そうだ。ちょっと不安。檀家に二人の中を触れ回るなんて馬鹿をするような女ではないだろうけど、思いつめるとどうだか。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-15 04:46:47
    #twnovel 何故結婚したいのかじっくり考えてみたの。ちゃんとした形にしたいのが第一だけどそれだけじゃあない。あなたは私より一回り歳上。あなたが年老いても私は十分に面倒みれる。それと、正直にこれも言わないといけないから言うけど、私の一人息子の浩一、お坊さんにできないかしら。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-16 05:33:50
    #twnovel 初子の眼は真剣だった。俺の面倒を見たい尽くしたいなんて泣かせることを言った上で息子のことを持ち出すとは、そうか、寺が目当てでもあったのかなあ。色即是空空即是色、肉欲も損得勘定も魂も全ては愛よ愛ならず。「浩一君はそのことを知っているのかい。まず本人の気持ちやろう」
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-17 07:33:50
    #twnovel あの子はなんにも知らない。私が勝手に思ってるだけ。父親の他界や大学受験失敗でまともな就職できず、今は東北の工場で派遣労働者。このままではあの子の人生は開けない、下積み人生よ。あなたと深い仲になってから思いついたの。優しい子だからあなたより坊さんにぴったりだと。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-18 08:02:33
    #twnovel ほほ、俺より優しいか。でも、優しければ坊主ができるなんてものとちゃうわい。坊主になるには根性と修行が要るんやぞ。こんな俺でも厳しい修行はしたんやぞ。それはともかく、本人の気持ちを確かめなあかんな。よっしゃ、俺が会うたろ。愛する初子の頼みや、一肌脱いだろやないか。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-19 08:00:44
    #twnovel 「うわー、嬉しい。やっぱり私の白雲だ」初子が俺に抱きついてきた。しめしめ、これでしばらくはダラダラ関係を続けられるな、と思ったら「でも、結婚の事も忘れないでね。私だけのあなたにしたいの」と釘をさされた。ちゃっかり女だ。この抜け目のないところを俺は憎めないのだが。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-20 07:16:55
    #twnovel 初子の寝息を聞きながら先行きを考えている。親の生活態度に反発して関西に出奔、怠惰放蕩。やっぱり寺を継ぐかと帰ってきての坊主修行。エロ坊主とか後家殺しとか陰口をきかれつつも薔薇の日々。そろそろギアチェンジかなあ。「他人本位の生活、自己本位の人生」を逆転の時期かも。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-21 08:06:08
    #twnovel 「自己本位の生活、他人本位の人生」に転換するか。自分にも飽きる年頃(55)。自己本位の人生追求も飽きが来る。人はいつか絶対に死ぬのだから自分にいつまでも執着してもなあ。でも、生活は相変わらず甘く楽しみたいから自己本位の生活を送るべく他人本位で結婚するのも一局か。
  • 土曜日 @doyoubi 2011-05-22 08:11:32
    #twnovel 「ねえ、何を考えてるの?「なんや起きとったんか」「ふふふ。狸寝入り、薄目であなたを見てた」オモロイ女や。俺はこいつに惚れてるのかもしれない。よっしゃ、俺も値打ちを持たせて結婚同意をじらせてやろう。人生も芸のうちなり花曇。初子、おまえはええ相方やなあ。 了

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