反出生主義について本気で自分なりに考察してみた

いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

その点を考慮すれば現生人類もまたいずれ絶滅する時が来ることを予期した上で反出生主義を支持する人が一定数出るのも頷けます｡

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さて､そんな反出生主義ですが何しろ｢人の出生を否定する｣という世間の一般常識とは正反対な考えであるせいで当然ながら多くの反論や批判の声が出ています｡

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その内容も実に多様で数え切れない程ありますが､全体的な傾向をあえて示すなら｢生き物の生態に対する配慮の欠如｣や｢主義そのものが広まった時の社会的悪影響｣が多いといったところでしょう｡

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何故なら前者は繁殖と言う人類を含めた生き物の根源的な営みを反出生主義側が罪悪的な行為として否定している時点でどうしても反対派との衝突は避けられません｡

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しかもそういう時に限ってお互いの視点が違い過ぎて根本的に話が噛み合わないことが多いので平行線のまま終わってしまう可能性が大きいのです｡ それにいくら反出生主義の論理が反論を困難にする程強力なものであろうが今も昔も子供は生まれ続けているのはこれまでの人類史が証明しており､

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また今の社会を生きている人達も元を辿れば先代の人々が作り出して伝わった文化による豊かな生活の恩恵を受けているので､例え生涯独身であってもその恩恵を次世代に送ることで彼が生きた証を残すだけでも生きる意味や目的は十分果たせると言えます｡

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それらの要点を踏まえた上で反出生主義の主張を聞いたら｢理屈は解れどいささか人間味を感じない｣と感じる人が多数出ても仕方ない筈です｡

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ついでに後者に関してもまず普及前の段階で人口抑制政策等といった形で反出生主義が世に広まるのに十分な社会環境を整えないといけない上､その後ようやく反出生主義が世に広まったところで今度は積極的安楽死の合法化等を通してなるべく無理のない形で人類を絶滅へ導かせる必要があります｡

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勿論それらの過程で反出生主義の普及に反発する人達も当分の間出てくるでしょうから当然彼等の言い分にも耳を傾かなければなりませんし､加えて主義の性質上必然的に自分の子供にその主義を伝えられないという難点をカバーする解決策を模索する必要性も生じてきます｡

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しかしそれらの課題を全て解消したところで果たして人類は絶滅が確定するその日まで安寧でいられるのかと思えば恐らくそうとは限らないでしょう｡ と言うのも反出生主義は適用範囲を自分自身に限定して自己完結するだけなら｢一代限りの思想｣で終わる話なのでまだマシですが､

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その主義を他人や人類全体にも適用した上で実践しようとなると必ず誰かが不自然な代償を支払わされて何処かで凄まじい害悪が発生する可能性が大きいのです｡

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更に言えばこの主義の論理を突き詰めていくと､ただ単に生理的な無理が生じるだけでなくどの人間の得にもならないという問題も起きてしまいます｡ 例えば現代社会は資本主義が人間の持つ欲望に最も合致した経済体制とされている一方で貧富格差の拡大が深刻化しやすいという難点を抱えていますが､

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これを仮に反出生主義の視点で見れば極端な話｢そもそも生まれて来なければ貧富格差の苦しみに囚われることもない｣というのが最善策となります｡ しかしながらそれで恩恵を受けられる人が果たしているのかと思えば恐らく皆無だと言っても過言ではないでしょう｡

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とは言え実際には資本主義に限らずどの思想も一長一短な部分があるのですが､要するに反出生主義には使い道を誤るとあらゆる思想が抱える難点の解消法を全て｢生まれて来なければいい｣の一言で短絡してしまう危険性を孕んでいるという訳です｡

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そして当たり前ですが全ての思想は既にこの世に生を受けている者によって考え出されたものなので､例え反出生主義であろうとこの事実からは決して逃れられません｡

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それなのに反出生主義は生まれること自体が無数の災厄をもたらすと見做しているが故に｢この世に生まれないこと｣を最善策だとしています｡

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これが何を意味するのかと言いますと､｢命あっての物種｣という紛れもない事実と｢生まれなければ皆幸せ｣という反出生主義の主張は根本的に矛盾するということです｡ 人の生死の必要性を原則的に否定する反出生主義にとって､これ程都合が悪い事実は他に無いと言ってもいいでしょう｡

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んで､もっと言えば反出生主義は人の生死や幸不幸を取り扱う思想である関係で時間的又は主観的に変動する要素が必ず入って来るのですが､それらの要素に対する認識がことごとく短絡的なのがこれまた非常に厄介なのです｡

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そもそも生死や幸不幸を取り扱う思想の多くは｢より良い人生や世の中にしていく｣という大前提の上でその具体的な方法を生死や幸不幸の観点を中心に見出しているのですが､

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反出生主義の場合｢人々の幸福の為｣とか言いながら幸不幸も糞もない状態を至高としているせいで結果的に｢生まれなければ皆幸せ｣という主張に終始してしまいます｡

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当然ながら｢この世に生まれない｣というのは同時に幸不幸等の判断基準を自分で決めることが出来ないという話にもなる為､先程挙げた反出生主義の主張は端から見れば｢人生や世の中をより良くする｣という課題の解決を自ら放棄したと思われかねません｡

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つまり思想の性質的に考えると､反出生主義はより良い人生や世の中にしていく前提の上にすら立っていない極めて厭世的な考えだと言えます｡ そりゃあ道理で｢人間は生まれない方がいい｣という反出生主義者の見解に対して反発を覚える人が続出するんですよねぇ……｡

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まあここまで来て反出生主義者の多くが今回の解説で私が取り上げた反出生主義の反論や批判を素直に受け入れてくれるなら御の字だと言いたいところですが､残念ながらそうは問屋が卸さないのが世の常であり､彼等の中には反出生主義の反論に意地でも再反論を行う輩がいるのも確かです｡