哲学者デビッド・ベネターの反出生主義:『Better Never to Have Been』読書メモ(セルフまとめ)
Better Never to Have Been: The Harm of Coming into Existence amazon.co.jp/dp/0199549265/… 今日は某氏の誕生日だし俺の誕生日も近づいているしで、午後からはこれを読み始めよう
2016-12-23 11:54:12Better Never to Have Been: The Harm of Coming into Existence David Benata... amazon.co.jp/dp/0199549265/… イントロダクションと一章を読んだ。
2016-12-24 10:52:59イントロダクションでは各国が少子化対策をしている例として日本が真っ先に出てきていたのが面白かった。少子化対策として政府がお見合いを勧めるの、15年前からやっていたんだな… thelancet.com/journals/lance…
2016-12-24 11:05:14あと「医療資源の分配などでは子供を持つ親が同じ年齢の子供を持たない大人よりも優先されるが、親が死ぬことは本人だけでなく子供にとっての危害であるとしても、子供を持つことで生命の価値が上がるとは、まるで人質を取ることで生命の価値を上げているようなものだ」という趣旨の文章が面白かったな
2016-12-24 11:09:35「人間にとっては、生まれなかったことが最もよい。 しかし、生まれてしまった以上、生まれなかったことは不可能である。 従って、人間にとって次善の策は、なるべくはやく死ぬことである。」 ソフォクレス oshiete.goo.ne.jp/qa/935743.html
2016-12-24 12:39:31ギリシア・ローマ名言集 (岩波文庫) 柳沼 重剛 amazon.co.jp/dp/4003212312/… @amazonJPさんから さっきのソフォクレスの言葉はこの本にも収録されていたような気がする。というか、ソフォクレスの言葉しか記憶に残っていない。
2016-12-24 12:40:42大学に入った時に大学生らしい教養を身に付けようと思って『ギリシア・ローマ名言集』を読んでいたのだが、さっきのソフォクレスの言葉を当時付き合っていた彼女に言ったら「私はそういう考え方は中学生で卒業した」と言われて馬鹿にされた思い出がある。
2016-12-24 12:42:412章は「生にどれだけの快楽があろうが、苦痛が含まれている時点で、生がもたらされることは危害である」ということを論じていて、3章では「生には人々が想定しているよりもずっと多くの苦痛が含まれている、生は人々のイメージよりもずっと苦痛なものである」ということを論じていた。
2016-12-24 23:42:003章の終わりでは「常識的な基準からしても、生まれてくる子供は幸福であるとは限らない(障害、事故、病気などの不幸な出来事に巻き込まれる可能性は排除できない)」ことと「常識的な基準からすれば特別に不幸ではないとしても、実際には全ての生は苦痛であり危害であるのだ」ということが論じられ…
2016-12-24 23:48:14…子供を生み出すこととは「弾丸が満タンに充填された拳銃で、他人に対してロシアン・ルーレットを行うようなものだ」という比喩がされている。
2016-12-24 23:50:31ベネターは「生まれてくるに値しない生」と「継続するに値しない生」とは分けて考えるべきだ、前者よりも後者の方が閾値が高い(産まれてくるに値しない生であったとしても、いざ生まれた後にはそれを継続するには値する生、というものは多くある)と論じていて…
2016-12-24 23:54:35…映画に例えて、「つまらないのでそもそも見ない方がいい映画(生まれてくるに値しない生)」だとしても「見ている途中でも見るのを止めた方がマシなほどつまらない映画(継続するに値しない生)」だとは限らない、前者と後者の基準は違って後者の基準の方が厳しい、と書かれている。
2016-12-24 23:58:02「苦痛の存在」が「快楽の不在」よりも重大であることを説明する例えとしては、「幸福に満ちた生を送っている人々で溢れた島が存在しないこと」「火星に快適な生を過ごす生物が存在しないこと」について私たちが嘆くことはないが…
2016-12-25 00:04:05…「ある島の人々が不幸に満ちた存在を送っていること」「火星に生物が存在していることが確認されたが、その生物は苦痛な生を過ごしていること」を私たちが認識したとすれば我々はそのことを嘆くだろう、というような例えで説明されていた。
2016-12-25 00:04:144章の初頭では人々が子供を持ちたがる理由として、性行為欲・子供を養育したいという欲求・その他の欲求(孫の顔が見たいという親の懇願に応えるとか、子供を持つことを通じて社会的地位を高めるとか)などがあると分析されていた。
2016-12-25 00:12:32避妊をすることで性行為欲を満たすことと「子供を生み出さないという義務」は両立できるし、現在の世界では親のない子供が多くいる以上、(心理的・経済的なハードルを乗り越えて)養子をとることで「子供を養育したいという欲求」と「子供を生み出さないという義務」を両立することもできるが…
2016-12-25 00:14:39