[R-18]信じて送り出した子煩悩ママドラゴンが吟遊詩人の男にドハマリしてアヘ顔ダブルピースを送ってくるなんて。

アヘ顔ダブルピースは送ってきません。
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帽子男 @alkali_acid

羽ばたき、通り過ぎて行った声なき野禽を思い出して、ステラゴーラはあえいで背を丸める。そばに案じるようにナレッタが寄り添うが、やはり苦しげだ。 「いかにした。病か」 「だいじないわ…そうか…ギヌーヴさ…んっ…あやつは鳥にな」

2019-08-17 20:59:53
帽子男 @alkali_acid

「本来であれば死をもって償わせるが、娘が請うので命までは取らぬでおいた」 平然と口にする少年を、女はにらみつける。 「勝手な…真似を…あのおかた…男は…妾の夫だったのだぞ」 「気の毒だが罪は罪」 「妾は…人の身となって…あの男に…どうして…くれる…今更…そなたが…」

2019-08-17 21:01:35
帽子男 @alkali_acid

「お母さん。だいじょうぶだよ。私、一緒にいるから…ね…私も…変…だけど…一緒に…」 「ならぬ…ナレッタ…妾は…そなたを人境に送らねば」 「やだ…一緒に……ずっと一緒にいる!」 「…だが妾はもう…」 じっとうかがっていた巨人の王は、合点したように頷く。

2019-08-17 21:03:29
帽子男 @alkali_acid

「あい解った。望むのであれば、我が汝の夫となろう。ステラゴーラよ」 「!?何を言う」 「我が妃達も、戦のあと臥所の友たる戦士が死すると、嘆きと昂りをなだめられず、我に代役を求めた」 「…何を…この」 「いささか縮んだが、役目は果たせよう」 「いらぬわ!」

2019-08-17 21:06:20
帽子男 @alkali_acid

「お父さんの馬鹿!!!」 ナレッタが少年の頬をはたいた。 「ナレッタ…いかにした。何か気に入らぬことがあるのか」 「お母さん!大変だったのに!助けに来るの遅いし!」 「お母さん…」 「お母さんだってば!なんで解んないの!」

2019-08-17 21:07:34
帽子男 @alkali_acid

少年は上から下まで、小刻みに震える女を眺めやる。 「確かに似ているが…」 「…だまれ」 「竜の女王はもっと猛々しく近寄りがたい」 「だまれ!!!」 ステラゴーラは少年の首にかみついた。

2019-08-17 21:08:59
帽子男 @alkali_acid

「うぐううう!!!んんっつうう!!!」 「ぐおおおお…ぬ…この感触…思い出したぞ…灰の台地で女王の牙が我が鎖帷子を抉ったあの…まさしく女王!!」 童児は小さな腕に似合わぬ怪力で女を抱き返した。 「ステラゴーラ!汝にふさわしく勇ましい名だ」 「…っ!??💛!?!?💛」

2019-08-17 21:11:06
帽子男 @alkali_acid

「ぷはっ…気づくのが…遅いわ…この…石頭の」 「石頭ではない。魔女の薬のおかげで骨は癒えたぞ。巨人にしか効かぬ毒というのはまことであったな」 「…ええい!そんな話はしておらぬ…」 「ヴェウサンド」 「…なんじゃ」 「我が名はヴェウサンド」 「…な、なにを急に」

2019-08-17 21:12:58
帽子男 @alkali_acid

「巨人の名は妃にも子にも伝えぬしきたりだが…もはや人となった。汝の名をもらった礼だ」 「…わ、妾はそなたの名など求めておらぬ…ヴェウサンド…ヴェウ…」 「ステラ。さきほどは済まなかった。竜と巨人の間柄故…ずっと言えぬでおったことがある…だがもはやともに人…」

2019-08-17 21:15:21
帽子男 @alkali_acid

「我が伴侶となり、剣の果をわかちあってくれ。ステラ」 「…なんじゃそれは」 「巨人のころ、諸族の盟約に従って二十一人の妃を迎えたが、人となったうえは己で一人の妃を選びたい。ステラ、我が妃となってくれ」 「誰が!なるか!!そなたなど!!ただの我が王配じゃ!!」 「?どちらでもよい」

2019-08-17 21:17:38
帽子男 @alkali_acid

ナレッタはほっとしていささかありさまの違った両親を見守った。 「…お父さん、お母さん…よかった…んっ…私…」 「ナレッタ。来よ」 母が腕を伸ばして少女を引き寄せる。 「そなたの身に起きた災いはすべて妾の浅慮のせい…あのお方…男の…所業は…よく承知しておる…」

2019-08-17 21:19:29
帽子男 @alkali_acid

「災い…なのかな」 「人の業は定めがたいが…呪いのごときものは妾と…そなたの身に残った…いかにして癒すか、人となってまだ日の浅い妾には測りかねるが…何としてでもそなたを幸せにする…よいなナレッタ」 「うん…」 「妾の能う限り、そなたのいかな望みでも叶えようぞ」

2019-08-17 21:21:44
帽子男 @alkali_acid

娘は真赤になると小さな父を一瞥してから手で筒を作り、母の耳元につけてささやいた。 「……む…」 「だめ?」 「む…む…よい…そなたの望みなら…妾は…だが…こやつに…まともな働きができるか…何もかも…小さい…訳ではないが」

2019-08-17 21:24:03
帽子男 @alkali_acid

巨人の王だった少年は、竜の女王だった妻と公国の姫たる養い子を順繰りに眺めてまたありもしない顎鬚を掻く。 「話が見えぬ」

2019-08-17 21:25:05
帽子男 @alkali_acid

なお、さすがに二十一人の妃を持った過去があるだけに、ヴェウサンドのふしどでのつとめぶりはたいしたものだった。

2019-08-17 21:28:03

イメージイラスト描いてもらった

ばねろく🔞VANEROKU @vaneroku

わりとすぐ落ちるドラゴンママがわるい吟遊詩人にスケベされるテキスト。イメージがあってんのかはしらない。ちがっててもあやまらない twitter.com/alkali_acid/st… pic.twitter.com/l591zFu8pQ

2019-08-17 18:41:58
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