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前の話

本編

帽子男 @alkali_acid
転生したらゴブリンだったけどチート能力でハーレム作ってやり放題した。
帽子男 @alkali_acid
安直すぎる。今時のすれっからした読者は絶対ついてこない。
帽子男 @alkali_acid
じゃあじゃあこうしようよ。 転生したらゴブリンだったけどチート能力で無双しようとしたらゴブリンの意識が思いのほか強くてうまく乗っ取れないみたいの。
帽子男 @alkali_acid
だめか。 主人公が苦労するやつはだめ。 転生したらゴブリンだったけど成長するまでがめんどくさいからしばらくは宿主の意識に好き勝手させてうまいところで乗っ取る。
帽子男 @alkali_acid
迂遠すぎる!!分かりにくすぎる!! 転生したら成長するまでがめんどくさいよねっていうのは分かるけどそういう話はくどいからやめよう。
帽子男 @alkali_acid
じゃあこの際いったん転生の話は忘れて。 ゴブリンがチート能力でハーレム作って無双。 面白いかそれ…そもそも転生って一番重要なんじゃないの。 ああ考えすぎ考えすぎ。
帽子男 @alkali_acid
じゃあもうねゴブリンがいます。とにかくゴブリンがいます。 あるところにゴブリンがいました。下劣で残忍ですげえ嫌らしい種族だったので、害獣を駆除する要領で人間の攻撃に遇いました。 軍勢ね。冒険者とかじゃない。そういうなまっちょろいごろつきには任せない。やるなら徹底して。
帽子男 @alkali_acid
竜だよ竜。その世界の人間は竜を操れた。だから天竜の炎と、海竜の氷、地竜の毒の息吹が亜人どもを次々と屠り、洞窟に逃げ込んだ屑どもは二本足で駆け回る敏捷な猟犬のごとき走竜が追いすがり、引き裂いた。
帽子男 @alkali_acid
盗品と奴隷、毒薬と麻薬、密輸と裏金で栄えたゴブリンタウンは汚物は消毒とばかり灰燼に帰し、ごみの玉座に腰かけた百貫でぶのゴブリンキングは愛用の肉切り包丁を振るう間もなく脂肪をじゅっと消炭に変えて崩御。
帽子男 @alkali_acid
王の精鋭、戦場で敗残兵を狩るのが専門の「腐肉漁りの鴉の兄弟団」も、とうてい小狡い悪知恵を働かせるゆとりもない。ひとしなみにくたばってゆく。 いや一匹、若い見習い、とりわけはしっこく、しぶとく、いやったらしい小僧っこが走竜を五匹罠にはめ、あるいは毒に侵し、人間の斥候を縊り
帽子男 @alkali_acid
追手の第一の波を殲滅すると、さあとにかく逃げに逃げる。父も母も兄も妹も見捨てて、というか一族は瞬時に空からの火を受けてとっくに皆殺しになってたんだが。 白竜にまたがる先鋒、ドラゴニアの戦乙女の武威にあってはいたしかたない。
帽子男 @alkali_acid
死にぞこないの青年、名をボルボというが、こいつは矮躯に禿頭、緑肌、鉤鼻に黄色い三白眼と醜い容姿は、嫌われものの害獣、ゴブリンの典型。血筋もろくでもなければ、育ちもひどい。 ゴブリンタウンの下町で糞毒作りの父と、家畜泥棒の母との間に生まれ、汚泥まみれの路上で盗みと騙しを覚え
帽子男 @alkali_acid
よりにもよってゴブリンキングの宝物蔵に忍び込もうとしたのが見つかり、絞首刑になるところ、あまりの性質の悪さに目を付けたでぶの王様が乱杭歯を剥いて笑った。 「こんなにどうしようもねえ小鬼は見たことがないぞ!うちの娘よりひねくれた屑だ!!よし今日からお前は俺の手下だ!!」
帽子男 @alkali_acid
腐肉漁りの鴉の兄弟団に入っても、周りの先輩を敬うどころか、技芸を盗み、知恵を掠め、分け前をごまかそうとし、目を抉られそうになったり耳をそがれそうになったりするのは一度や二度ではない。
帽子男 @alkali_acid
「ギギイ!!ボルボ!俺様の金貨をどこへやった!、てめえはゴブリンの仁義もねえのか!」 「ギヒヒ!ゴブリンに仁義なんてありゃしねえや!!」 「まったくだ!ぶっ殺してやる!」 「まったまった!いい儲け話があるんで兄貴」 「ああん?話してみろ」
帽子男 @alkali_acid
まあまあ楽しくやってはいた。 だが先述の通り、ゴブリンタウンは炎の海と化し、仲間も家族も竜騎士の王国ドラゴニアの正義の鉄槌をくらっておだぶつ。 そう、故郷を焼かれたのだ。故郷を焼かれたゴブリン。 胸に宿るのは無慈悲な人間への復讐心。 「ギヒ、死んじまったもんはしょうがねえ」
帽子男 @alkali_acid
残念。傷つきやすい魂を持つ人間と違ってゴブリンは、同胞がどうなろうとさして気にならない。もちろん命は大事だし、暮らしが不便になるのは困るのだが、あまり悲しんだり憤りに燃えたりはしないのだ。
帽子男 @alkali_acid
ゴブリンが仕返しを好むはずだって? それはおかしい。恨みや憎しみの心は、誉れや愛しみの心がなければ生じようがない。ただの害獣が身内の死にいきりたち、いつまでも悔しさを忘れないなどありえようが。 それでは人間と変わらない。
帽子男 @alkali_acid
かくてボルボは肩をすくめると、悲壮な終わりなき復讐とやらからはあっさり背を向けた。 代わりに人間がめったに踏み入らない呪われた地、滅びた闇の国の奥深くへ潜り込み、ひとまず態勢を整え、どこかあまり害獣の駆除などに熱心でない遠方へ落ち延びようと算段したのだ。
帽子男 @alkali_acid
だが人間の方は因縁の戦いとやらを続けたいらしく、かの白竜にまたがる騎士が、禁忌を犯して廃墟の都にまで飛んできた。 竜の炎で鍛えた剣が小鬼の首を飛ばすかと見えた刹那、闇の国のおぞましい魔法が働いたおかげでどうにか一命はとりとめた。しかし妖術の類は一方にだけ有利に効くとは限らない。
帽子男 @alkali_acid
眠りから目覚めた闇の国は再生を果たそうとし、ためにのこのこと手元に来た獲物を逃がそうとはしなかった。 かつて当地に栄華を誇り、人間やエルフやドワーフ、あらゆる善き種族の敵となった邪悪、“古き闇”が再誕せしめんと、傀儡として、いささか貧弱ではあるがゴブリンを操ろうとし始めたのだ。
帽子男 @alkali_acid
「ギ…冗談じゃねえ!!おいらはまっぴらだ!闇の国の王様はもっとご立派な方にお任せするぜ!!あばよ!」 さっさとおさらばしようとするボルボだが、闇の国は蟻地獄のようなもの。ひとたび中心まで達したあと、そうそう外縁に出てゆけはしない。
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コメント

にょんギツネ @nyol2novel 2018年11月19日
ボルボが最初から最後まで辛いだけのお話だったのじゃ