長編 ) 親友大倉くん ( Tadayoshi & Ryuhei . )

4
やんちゃる @Okt__75

「そ、そんなこと…」丸「ある?」「ある…なんでバレたの」丸「ん〜、勘」勘…かあ 丸「でも付き合ってないんやろ?」「…うん」丸「なら俺にもまだチャンスあるって事やんな?」「…うん?」丸「うわ〜燃えてきた!」「…ん?丸山くん?」丸「でもあの顔は嫉妬してたやんな〜」丸山くん、ストップ

2019-06-22 00:05:29
やんちゃる @Okt__75

両手を前に出して、ストップ、って伝えたつもりなのに。何を思ったのか両手を重ねられて、ギュッと握られてしまった。「??」丸「お互い頑張ろなぁ」「…うん?」 . 丸「あ、○○ちゃん○○ちゃん!」「丸山くん、お疲れ様」丸「この後飲みに行かへん?」「え〜」丸「…あの人と行くん」

2019-06-23 20:09:26
やんちゃる @Okt__75

「いや、今日は同期と飲みに行くらしいから」丸「じゃあええやん!行こ!」「ん〜…分かった」 丸山くんがおススメする呑み屋さんはいい雰囲気で自然とお酒も進んだ。 「ん!このお酒飲みやすい!」丸「せやろ?お酒あんまり飲めない子でも飲みやすいから○○ちゃんに飲ませたいって思って…」

2019-06-23 20:09:28
やんちゃる @Okt__75

「…」丸「…ん?何その顔?」「いや、私がお酒あんまり飲めないってよく分かったな〜って」大抵の人は、気づかないから。寧ろ私がお酒好きって思ってる人も多い気がする。丸「そりゃ気づくよ〜、○○ちゃんが頼むのは殆どレモンサワーかカシオレやし。バレないようにゆっくり飲んでんのもバレバレ」

2019-06-23 20:09:28
やんちゃる @Okt__75

「…こりゃモテる訳だ」丸「えぇ?」 会社の女の子達が丸山くんに惚れるのも分かる。周りが見えて、優しくて、一緒に居るのが楽で… 丸「ちょっと酔ってきた?顔赤いで?」丸山くんの冷たい手が私の頬に触れて優しく撫でる。 その冷たさが心地よくて、目を細め擦り寄った。

2019-06-23 22:43:38
やんちゃる @Okt__75

丸「…なんか、分かるかも」「ん?」 丸「あの人が、○○ちゃんを独占したくなる気持ち」「…どく、せん?」 独占って、あの独占? 「無い無い無い!」笑いながら丸山くんの手から離れれば、何故か目を細め俯いてしまった。丸「あ〜…どうしよ」「?」丸「…ほんまに好きになりそう」

2019-06-23 22:43:39
やんちゃる @Okt__75

「…酔っ払ってるでしょ〜」丸「…酔ってへんもん」ムッとした丸山くんは、 丸「俺、酔ったらキス魔なんねん」「…へえ」酔っ払って同期の男の子にキスした丸山くんを思い出して頬が緩んだ。めちゃくちゃ怒られてたな〜… 丸「可愛い子が目の前に居るのに、ちゅーしないわけがなくない?」

2019-06-24 20:57:55
やんちゃる @Okt__75

真顔でそんな事を言う丸山くんが、分からない。 「…」丸「ノーリアクションは悲しいからやめて(笑)」「…丸山くんがそんな事言うから」丸「え〜僕のせい?」「丸山くんのせい」へへって笑ったら、丸山くんも同じように笑うから。 丸「よし、そろそろ帰ろか」「え〜もう?」丸「もう遅いし、な?」

2019-06-24 20:57:56
やんちゃる @Okt__75

丸山くんに促され、仕方なく腰を上げて帰る準備をした 丸「も〜割り勘じゃなくてもええのに」「私が嫌なの!」丸山くんと話しながらお店から出れば、男女数人とすれ違う。その中には、「…忠義」楽しそうに笑う忠義もいて。(まるで、違う人みたい…)丸「よし、飲み直そか」丸山くんが私の肩を抱いた

2019-06-24 20:57:57
やんちゃる @Okt__75

振り向いたら、忠義はこっちに気づいていなくて。〔大倉先輩背高くて羨ましい〜〕『そうか〜?優ちゃん小さいもんな(笑)』見たくなかった。忠義が後輩の子の頭を撫でた姿なんて。 丸「○○ちゃん、『俺の親友と同じくらいやわ〜(笑)』〔え!男の子でですか?〕『いや女やで、女』 ああ、やっぱり

2019-06-24 23:15:04
やんちゃる @Okt__75

私は親友止まりなんだ。 私を後ろから抱きしめたのも、嫉妬みたいな事を言ったのも、全部意味なんかないんだ。丸「とりあえず俺の家行こ?ここから近いし!あ、でも嫌やんな…」「…行く」丸「え?」「行きたい、1人に、なりたくない」 1人になったら、きっと忠義の事を考えて泣いてしまうから。

2019-06-24 23:15:05
やんちゃる @Okt__75

丸「…分かった、行こ」 丸山くんは振り向くなと言うように手を握り、小走りで私を引っ張った . 丸「はいどーぞ」丸山くんがソファに座らせてくれて、でも今はその優しさよりもさっきの忠義の光景と言葉が私を苦しめる。「っ…」丸「も〜泣かへんの、って言いたいけど」丸山くんは私を優しく抱きしめて

2019-06-25 22:04:07
やんちゃる @Okt__75

丸「今まで我慢してきた分、たっくさん泣き?きっと○○ちゃんの事やから、我慢して我慢して、1人で泣いてたんやろ」「…うん、」丸「これからは○○ちゃんが泣きたい時、傍におるから。いつでも呼んで?」「…」丸「スーパーマンよりは遅いかもやけど」「それは錦戸くんのでしょ(笑)」

2019-06-25 22:04:08
やんちゃる @Okt__75

その日は明日が休みだったこともあって丸山くんの家に泊まった。 丸「ごめんな〜朝まで付き合わせて」「本当だよ」丸「ほんっまごめん」 駅までの間、ずっと謝ってくる丸山くん。朝まで丸山くんのお酒に付き合わされたのは、言うまでもない。 「…あんまり飲めないって知ってるくせに」丸「ごめん…」

2019-06-25 22:27:46
やんちゃる @Okt__75

「じゃあ、また一緒に飲んでくれる?」丸「…え」「それでおあいこ」 丸山くんは、何故かデレデレした顔で何度も頷いてる。 丸「もぉ〜ほんまに可愛すぎ!」「ちょ、丸山くん…!」丸山くんは人目を憚らず私を抱き締めてゆらゆらと揺らして「帰したない〜」なんて言ってきた。恥ずかしい…みんな見てる

2019-06-25 22:27:47
やんちゃる @Okt__75

丸「あのな、言いたくなかってんけど」「…うん?」丸「○○ちゃんがお風呂行ってる間通知凄かったで?」「…え、嘘」丸「ほんま〜」だから異常に携帯触らせなかったのか… 丸「確認してみれば?」丸山くんに言われた通り通知を確認したら、忠義からのLINEが可愛すぎて愛おしすぎて。 好きが、溢れた pic.twitter.com/RcWXEKgtoi

2019-06-26 07:50:12
拡大
やんちゃる @Okt__75

「丸ちゃん、私…」丸「分かってる、早く行き?」 丸ちゃんが私の頭を撫でて、丸「もしまた泣く事になったら、呼んでや?」その言葉に頷いて私は小走りで改札を通った。 . 早く、早く忠義に会いたい。 鍵を開ければ忠義の大きい靴があって。「…ただいま」小さい声で呟き、 リビングに入る。

2019-06-27 18:31:39
やんちゃる @Okt__75

ソファで座ったまま眠る忠義の手には、一日中携帯を開いて待ってたんだろう。画面が真っ暗になった携帯が握られていて。 「…忠義、起きて」『…ん、○○?』「ごめんね連絡しなくて」隣に座って顔を覗き込むと忠義が私に抱きついた。

2019-06-27 18:31:40
やんちゃる @Okt__75

『…心配した』まだ眠たいのか、私の首元に擦り寄って掠れた声で話す忠義。うるさくなる心臓の音が、聞こえていませんように 「丸山くんと飲んでたら遅くなって…」『は?』私を抱く力が強くなって、『泊まったん…?』あり得ない、とでも言いたそうな顔。(そんな顔するなら、彼女にしてよ)

2019-06-27 18:31:40
やんちゃる @Okt__75

「でも何もされてないよ」『当たり前やろ。もしされてたら丸山の事しばくわ』…呼び捨て。しかも口がいつもより悪い。 『…俺以外の男の部屋に泊まったとか、ほんまありえへん』「…ごめん」『あー…もう…』後ろ髪を触った忠義はもう一度私を抱き締める。『…知らん匂いするし』「…ごめんね」

2019-06-27 18:58:46
やんちゃる @Okt__75

忠義の首元に顔を埋めれば、香水の匂いとほんの少しの汗の香り。 『…なんで泊まったん』「…それは」 言えない。言えるわけない。 忠義が女の子の頭を撫でて嫉妬したから1人になりたくなかった、なんて。 「…」『言って』…本当、私忠義に弱いなあ。「…見ちゃったの」『何を』

2019-06-27 18:58:47
やんちゃる @Okt__75

「忠義が、女の子の頭撫でてるのを」『あー…』その返事が、撫でているのを肯定しているみたいで苦しくなる。 「それで、その…1人になりたくなくて、丸山くんのお家に」『…嫉妬したん?』「…違う」『ほんまに?』「…本当」『俺は嫉妬してるけど』…ずるいよ、馬鹿

2019-06-27 18:58:47
やんちゃる @Okt__75

『…俺が○○の一番の親友ちゃうん』 (…これ、丸山くん呼ぶコースだな) もう辞めよう。ちゃんと忠義を諦めよう。これ以上好きになっても、忠義は私が望む言葉を言ってはくれないし、親友という言葉を言われて、傷つきたくも無いし、苦しみたくも無い。 「ごめん忠義」『…え?』

2019-06-29 15:04:04
やんちゃる @Okt__75

足元に落ちていたクッションを顔の前に置いて、忠義の顔が見えないようにする。『何してんの?』「今から、忠義が困ること言っちゃうから」『…ほんまに意味が、「私は忠義の事、親友と思った事ないよ」私の声が、部屋に響く。「…好きなの、」泣かないつもりだったのに、涙が止まらなかった。

2019-06-29 15:04:05
やんちゃる @Okt__75

『ごめん、俺…』「分かってる!親友としか思えない、でしょ?」クッションをゆっくりと取られて、見られるつもりもなかった泣き顔が忠義の前に晒される。「合鍵、置いて行って」『…分かった』「私も返すから、」『後でええよ』「…そっかそうだよね、今は私といたくないよね」『ちゃうくて、』

2019-06-29 16:30:05