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憲法訴訟の記録廃棄のニュース
Legaltechの素材を易々と廃棄。今後のニッポンの司法システムをどう捉えているのか。司法権をどうやってチェックするのか。IT化の目的と本質をまったく理解していない。 東京新聞「戦後憲法裁判の記録を多数廃棄 自衛隊や基地問題、検証不能に」 tokyo-np.co.jp/s/article/2019…
2019-08-04 22:50:51米国の司法システムがどう進化しているかを見るべき。 判例法国だからではなく、日本においても必要だろう。 「リーガルテック入門 アメリカ全判例のデータベースが新たに登場」 enterprisezine.jp/article/detail…
2019-08-04 22:55:20「戦後憲法裁判の記録を多数廃棄 自衛隊や基地問題、検証不能に」(共同通信) this.kiji.is/53071754489566…
2019-08-08 13:49:24裁判所の記録保管のルール(法律)が存在しない
この問題、「捨てるのはけしからん」というレベルの話ではない。法制度の不備と、裁判のIT化の議論の論点漏れの話として把握しないといけない。 民事訴訟法には、裁判所に存在する訴訟記録の閲覧・謄写の規定(91、92条)がある。しかし、確定後の事件記録の保管については、規定がない。 twitter.com/suzukimasatomo…
2019-08-05 14:29:31裁判のIT化の中核は、訴訟記録のデジタル化なので、訴訟記録の作成、管理・保管について、民事訴訟法に明示的な根拠規定を設ける必要があるのだろう。 現行法は、法律の規定は、閲覧以外なにもなくて、裁判所の内部規則(非公開)で規律されている。 yamanaka-jiko.jp/cont5/93.html
2019-08-05 14:42:04つまり、現行法では、法律レベルでは確定記録の保管は全くブランクで、たまたま保管されていたら閲覧・謄写できるということでしかない。 裁判所が、確定し次第片っ端から記録を廃棄することさえ、許容するルールとなっている。
2019-08-05 14:44:16だから著名事件だろうがなんだろうが、記録が捨てられちゃうのは、現行法の建て付けからして当然のことなんだよね。保管の条文がないわけだから(ついでにいうと、公文書管理法も、裁判所の文書を対象としていない。)。 法律家としては、この現行法を変える必要があると言わないといけない。
2019-08-05 14:54:00残念ながら、裁判のIT化の現在の議論としては、裁判記録の作成・管理・保管についての条文を作るという話はでていないはず。 これは、単純に惰性で現行法の枠組みに沿って議論しているということかもしれない、裁判所が枠組みを変えたくないと考えているからかもしれない。 shojihomu.or.jp/documents/1044…
2019-08-05 14:56:36それから判決・訴訟記録の公開(データの利活用)の観点からの踏み込んだ議論も必要なんだけど、全然動きませんね(おまえがまず動けと言われる気がする)。 なお、Legaltechの観点からは、こういう著名事件の廃棄じゃなくて、無名の事件が日々廃棄されていくことの方が問題。
2019-08-05 15:02:54制度を整備しなかったのは国会の責任
最高裁から出てきた衝撃的なペーパー。戦後、最高裁で違憲判決(刑事のぞく)がでたのはたった10件。うち、砂川政教分離裁判以外はすべて、期間経過後きれいに記録廃棄されてたことになる。 pic.twitter.com/1zDk70ZG4V
2019-08-30 14:48:28現在、最高裁の内規では、記録は5年で廃棄が原則となっており、例外的に特別保存や国会図書館への移管ができるという建付。 では、この特別保存制度で違憲判決等の著名事件くらいは保存しておけないものか? ちょっと考えてみれば、まず難しいことがわかる。
2019-08-30 18:19:02確定記録は第一審裁判所で保管される。東京地裁でいえば、年間3万件くらいの既済事件について、廃棄のタイミングで特別保存するかどうかを判断しなければならない。平均して月あたり2~3千件だろうか。判断するのは記録保管部門みたいなところだろうが、事件についての知識は全くない。
2019-08-30 18:23:39適切に運用するためには、要保管記録とそうでない記録を選り分けるための適切な基準と仕組みが必要なのだが、そういうものは全くない。 そうすると、もう、一律で捨てるか、全部とっておくかという選択肢しか残らないのだろう。全部とっておくのは予算、倉庫のスペース上、不可能だから捨てるしかない
2019-08-30 18:26:41なんで捨てたんだって怒るのは簡単だけど、必要なものを選択して残すための人員、予算、仕組みを用意しておかないと、そりゃ捨てるしかないよ。 その責任は裁判所にもあるかもしれないけど、第一義的には保管についてのルールを全く決めなかった国会にあるんではなかろうか。
2019-08-30 18:28:05「仕組み」を思いつきで書くと、例えば、地裁、高裁、最高裁ごとに、確定のタイミングで、この記録を特別保存するべきかどうかについて意見を出してもらうとかね。確定時だと地裁は忘れているから、判決直後の記録を上に送るタイミングがいいかな。
2019-08-30 18:31:13まぁ、裁判所は明治以来数十年分の判決書をいっぺんに捨てようとしたことがあるので、訴訟記録を捨てることくらいは当たり前である。(判決の方が重要だし保管コストが低い) 記録がきちんと保管されるようにするためには、相当なテコ入れ(制度、予算、人員)が必要となる。 twitter.com/matimura/statu…
2019-08-30 18:40:27このときに、裁判の記録の歴史的重要性とプライバシー保護の必要は認識され、一定の問題解決ルールもできたはずだったのだが。今、「そこからですか」みたいな議論で時間を無駄にしている。
2019-08-07 10:43:34判決原本が捨てられそうになった話
最近の訴訟記録廃棄の議論を見ると、先人の知恵というのが全く活かされていない様子にがっかりするね。 林屋礼二先生が音頭を取って、判決原本の廃棄に対して大学がその仮の保管を引き受け、最終的な保存と公表のルールを形成していった。
2019-08-07 10:43:33このときに、裁判の記録の歴史的重要性とプライバシー保護の必要は認識され、一定の問題解決ルールもできたはずだったのだが。今、「そこからですか」みたいな議論で時間を無駄にしている。
2019-08-07 10:43:34@matimura ご教示ありがとうございます。判決原本の移管がなされたことは知っていましたが、その際の議論をさらってみようという発想はあまりありませんでした。 さしあたりざっと見てみたところ、ジュリスト1078号の特集が有用ですね。 jstage.jst.go.jp/article/tits19…
2019-08-07 20:01:06