あばば〜ば( @jMVtykH45GrjEzg )さんによる「攻撃的な行動」をどう捉え、対処の方向性についてどう方針を立てるかについての連続ツイート

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あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

発達上の困難を抱えている人の攻撃行動を無くす(ゼロにする)事を目指すのはあまりお勧めしない。 理由は2つ。 ①ゼロが難しい場合がある。 ②ゼロを目標にすると、正しい進捗評価が難しくなる場合がある。 最初に必要な視点は「攻撃行動によって生じるリスクの低減」。これは早急に対処すべき。

2019-09-09 21:13:24
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

初めに状況を整理すれば、リスク低減のために対処すべきポイントがいくつか見えてくる。 例えば、結果の重大性(危害の程度)はどうか、対象になるのは特定の人か誰でもか、攻撃行動が生じやすい場面やタイミングはあるか、物を使った攻撃行動があるか、起きてしまったら誰がどのように対応しているか。

2019-09-09 21:13:25
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

これは対処療法のように感じるかもしれないけど必要な事で、個人的な印象だとこの段階では共通認識を持ちやすい。 問題はその後。多くの人は専門家が解決してくれると考える。でも行動上の問題に限って言えば、何らかの療法や治療を専門機関で受けて解決するものではない。

2019-09-09 21:13:26
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

専門家は見立てと手だてを提供するが、成否の鍵を握るのは周囲の人や環境の状況。更にいうと、行動上の問題に有効とされているのは、一般的に対処療法と思われるような対応の積み重ねだったりする。 専門家は「どうすれば攻撃行動を起こさずに過ごせるかを一緒に考える」役割となる。

2019-09-09 21:13:26
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

生活の場(家や園、学校、施設など)において、攻撃行動がおこる状況1つ1つに具体的な手だてをうっていく訳だけど、関わる場所や人が多くなればなる程一貫した対応が難しくなる。 これが、攻撃行動がゼロにならない場合の大きな理由の1つ。一般論として学齢期は生活の場が複数に渡るので特に難しい。

2019-09-09 21:13:27
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

だから「こうすれば上手くいくのに!」って考えるのではなくて、手だての実行可能性を常に検討しないといけない。 これまでの対応や考え方からかけ離れた提案をしてもまず実施されないし、人員体制を無視した提案も現実的でない。相手の提案を聞きながら、向こうの支援の文脈にあった提案が必要になる

2019-09-09 21:13:27
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

あるいは、同じ提案でも「誰が言うか」で実行性が変わってくる。父親が面談に参加する、医師に所見を書いてもらう、内部のキーマンに話を通し内部調整をしてもらうなど。 攻撃行動のゼロを目指すと、ここで柔軟な対応がとれない。共通理解を形成しながら、結果の重大性(リスク)を下げる事が必要。

2019-09-09 21:13:28
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

ここからは、②番の「ゼロを目標にすると進捗評価が難しい」という話。 攻撃行動って進捗評価が凄く難しい。落ち着いた状態が続いていても、一度発生したら「また続くんじゃないか」、「今の手だてがまずいんじゃないか」って思うし、良い時と比べて悪いときの印象は残りやすい。

2019-09-09 21:13:28
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

更に言うと、今現在収まっていても将来に渡ってゼロが続くかは誰も証明できない。そういう意味ではいつまでも達成できない目標設定になってしまう。 行動上の問題に対応するのって非常にメンタルを削られるし、「本当に今の対応を続けてていいのか」という考えとの戦いになる。

2019-09-09 21:13:29
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

関係性の近い人の場合、問題を悪化させかねない行為だとしても、短期的に楽になる対応をとってしまうことが頻繁に起こる。その事を念頭におく必要がある。 そのためには先の見通しをつけておくべきだし、短いスパンで現状の取り組みに対する意見交換が大切。短期的に共有出来る成果がないと続かない。

2019-09-09 21:13:30
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

具体的には頻度の減少(ゼロでなくても減ったら評価)、攻撃行動に変わる適応行動の増加、攻撃行動の質の変化(例えば「噛みつき」が「汚言」に変われば評価)、生活圏の拡大など、「問題行動を無くしましょう!」以外の評価の視点があった方がいい。 これらは取り組みの一貫性、継続性のためにも重要。

2019-09-09 21:13:30
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

評価の視点とも絡むが、攻撃行動がいかなる場合もダメとは思わない方がいい。 攻撃行動ではない適切な振る舞いを教えるべきなのは全くその通り。でも更に大事な視点は、「行動」が問題なのではなくて、行動が引き起こされる「環境」や、行動によってもたらされる「結果」が問題だということ。

2019-09-09 21:13:31
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

「適切な行動」って「機能的な(≒コミュニケーションとして成立する)行動」であって、成立するかどうかは受け手の問題も大きい。私達が適切だと思う行動ではなく、本人の利益に繋がる事がポイント。 穏当な方法しか持たない当事者が、結果的に周囲に働きかける方法を持ち得ない「環境」も珍しくない。

2019-09-09 21:13:31
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

その人に「教えれば出来るようになる事」は障害の程度によって変わってくる。当然だけど、教えれば何でも出来る訳じゃない。 逆に何が「適切な行動」として成立するかは周囲の対応次第。 その人に出来る事と、周囲が対応してあげられるかどうかのバランスをとらないと「適切な行動」は成立しない。

2019-09-09 21:13:32
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

例えば、障害のある子同士のトラブルに対する解決策として「イヤ」や「ヤメて」を教えましょうという人がいる。じゃあ、それが言えれば相手がヤメてくれるかと考えると‥‥まあ悩ましいよね。 大人を呼ぶ、助けを求める、その場から離れるなどの方が勝算が高いけど、その成立も対応する人に委ねられる

2019-09-09 21:13:33
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

大人を呼んだり注意を引くために大きな声を出すと注意される。その場から離れようとすると、活動を継続するように連れ戻される。そんな環境にいると穏当な適応行動なんて成立しないからね。 成人の入所施設にはかなり重篤な人がいて、当人にとっては年月を経て強固に習得した適応行動だったりする。

2019-09-09 21:13:33
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

「攻撃行動」自体を問題にしてしまうと、抑制的な対応がとられやすくなる。そうなると却って悪化しがち。 そういう状況下でなお「攻撃行動」に焦点をあてるのは、本人に残された数少ない適応行動を奪う事に等しいよね。 他の利用者に被害が及ばないように環境を整えておく必要はあるけど(→)

2019-09-09 21:13:34
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

従順な利用者にするんじゃなくて、主張すべきところはちゃんと主張出来るままでいいと思う事もある。 攻撃行動がある内は支援する側にも対応の動機付けが働くし、対応のマズい職員が叩かれてたら関わり方を考える契機になるしね。 問題のある環境(人の対応含む)に周囲の目を向けさせる説明が必要。

2019-09-09 21:13:35
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

こういう事を皆が分かってる必要は無くて、分かってる人が全体を俯瞰出来ればいい。 相手の考えや力量に合わせて説明も使い分けたらいいし、表向きの説明とは別に、落とし所として妥当な線を探るといい。 問題行動は全員が同じ方向を向くのが難しいうえ責任が重いから、むっちゃ神経使うしキツい。

2019-09-09 21:13:35
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

ABAは個人を矯正するもののように捉えられがちだけど、あくまで個人と環境との相互作用だから視野を広げれば出来ることが一杯見つかる。 でも個々の技法や概念は確立してても、現場のような複雑な環境の中でどう組み合わせて、どこに適用するかは、まだまだサイエンスになりきれてないよね。難しいわ

2019-09-09 21:13:36
ばじる🐸人生半分忘れ物 @Basil1127

「攻撃的な行動」をどう捉え、対処の方向性についてどう方針を立てるかについての連ツイ、重要です。関係者必読と思います(ツイートお借りしました)。 twitter.com/jmvtykh45grjez…

2019-09-09 23:26:20
kingstone @king1234stone

自主シンポでも攻撃的行動に対してスタッフさんに ・自分の身の守り方(具体的な動き) ・他の子の守り方(具体的な動き) (つまり対処法)をまずお教えしつつ、他のことをやっていった実践を話題提供します。 twitter.com/king1234stone/…

2019-09-10 00:29:35
kingstone @king1234stone

9月22日(日)9:00〜10:30 教育L棟109 自主シンポ4-3 家庭・相談支援事業所・サービス提供事業所・学校園・自治体 連携を促進し維持させるもの(3)制度外から制度内へ 指定討論者:大久保賢一 (私の企画です。みなさん来てね来てね(^^))

2019-09-10 00:03:51
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

これについて補足。ちょっと難しいかもだけど、本文に書いたことよりも重要な話。 他害の話題が沢山流れてくるけど、「他害」と呼ばれる行動に一律に適用して効果がある方法なんて無い。一律に適用出来る方法は無いんだよ。 『「他害」だからこう対応しましょう』は危ない。 twitter.com/jMVtykH45GrjEz…

2019-09-10 11:32:19
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

私達が働きかけるのは行動そのものではなくて、その背景にある状況の変化。 他害が起きる時に、どういう状況で何があったのか。他害が起きた結果、周囲がどう動き状況がどう変化したのか。 「他害」に働きかけるのでは無くて、「他害の要因となる状況」に働きかける訳。

2019-09-10 11:32:19
あばば~ば @jMVtykH45GrjEzg

例えば「発達障害の子供がお友達を叩いてしまいます」という相談がある。 そういった例は確かに見聞きするし、発達障害に共通する特性が基盤にあるのも確かだろう。 でも「24時間いついかなる時も誰かを叩いているか」というとそうじゃなくて、叩いているときと叩いていない時がある。

2019-09-10 11:32:20