- pascal_syan
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「あ!」 何かを思い出したようだ。 「フェスの結果、まだ聞いてない!」 端末を取り出して、すぐにネット検索。 「挑戦者派だ!勝ったの!やったああ~!」 「人数、少ナイ、デモスゴイ!」 得票率では負けたが、貢献ポイントで逆転したようだ。
2019-09-14 11:32:00フェス終了後、参加賞として「スーパーサザエ」というものがもらえる。ギアパワーを揃えるのに不可欠な、大事な大事な資源だ。 サキの陣営が勝利したので、そのぶんのボーナスも乗って、ウハウハだろう。やったあ。嬉しくて涎でてきそう。
2019-09-14 11:33:29テレビをつける。フェスピックアップ映像!と題して、フェスの見所を特集した番組が流れていた。 そのうちの数分に…… 「あ!これ、うちとサキモリの試合じゃん!!」 「ホントナノネ~!!」 ほぼノーカットで放映。破格の対応だ。ありがとうございます。恥ずかしいけど……
2019-09-14 11:37:47ふと、思い出す。サキモリとの試合の前、シグルイが少し……不機嫌だったことを。 「……シグルイさん、サキモリの人と何かあったのかな?」 「アッタ、ミタイ。チョット、調ベタ」 「おおっ、マジで?何があったの?」
2019-09-14 11:39:34ヨーコの話をかいつまんで説明すると。 シグルイは以前、チーム・サキモリに所属していたことがあるらしい。高い報酬金をもらっていたそうだが、方向性の違いでチームを脱退したそうだ。 チーム・サキモリの成績は、それを期に少しずつ下がりつつあるのだそうで。
2019-09-14 11:41:36サイキョー杯で面子を取り戻すため、チーム・サキモリは再び彼をチームに入れ直そうとした。具体的に言うと、報酬金をもっともっと高く積んだ。 だが、それでもシグルイは戻ってこなかった。そのことを、チーム・サキモリ……特にそのリーダー、アヤメは根に持っているそうだ。
2019-09-14 11:42:52彼がもし他のチームに所属しようとしたならば、圧力をかけて解散させようと目論んでいただろうが…… シグルイは、自分でチームを立ち上げた。その目論見は虚しく空振り……というあらすじ。 「そんなことがあったんだ……」 「トップ選手、コウイウコト、ヨクアルノネ」
2019-09-14 11:51:13方向性の違い。なんだか、バンドみたいに聞こえるが、結構大事なことだ。いくら強くても、自分がやりたいことを思うようにやらせてもらえないのは……とても苦痛だ。長続きしない。それどころか、消えない傷をつけられてしまうことだってある。 サキはその「方向性」について、思い当たる節がある。
2019-09-14 15:06:38シグルイの戦闘スタイルは、根っからの前衛タイプだ。突っ込んで殺して帰ってくる姿は、まるで狩猟民族。 アヤメはその正反対。安全圏から敵を狙い撃ちする、根っからの後衛タイプ。過去の試合を見ると、本当に前に出ない。味方が瀕死になろうとも、意に介さず。 両者の気が合わないのも頷ける。
2019-09-14 15:10:22「ワタシモ、アヤメ、チョット苦手。アンマリ、優シクナイ……」 「なんか、そんな気がしてた。性格とかも合わなそう~……」 「アヤメ、トニカク、強イヒト欲シガル。ゴーヨクナノネ」 強欲。なんだかお嬢様らしいなあ。いや、実際お嬢様なんだけど。
2019-09-14 15:13:27「試合、勝っておいてほんとによかったー。もし負けてたら、悔しさよりも怒りが湧いてたかも」 「ネー」 「このチームでほんとよかった。誘ってくれてありがとね」 「無理矢理、ダッタ。ビックリ、サセチャッタ……」 「ビックリはしたけどね、でも、結果オーライだったじゃん?気にしてないで!」
2019-09-14 15:16:42そう。結果よければあとは全てよし。後腐れがないのがサキのいいところだ。 「……アリガトネ」 「こっちこそ。」 「ウン!」 その後、ヨーコは自宅へ帰っていった。明日から復帰だ。サイキョー杯まで、あと一週間と少し。 もうすぐ。もうすぐだ。
2019-09-14 15:20:57■サイキョー杯優勝商品 ※お一人様あたり ・優勝賞金 ■■■■■■ ・豪華客船の旅 無料チケット ・エスカベース 永続割引パス ・企業主さまの場合 CM放映権 ・ギアパワーのかけら 各99個 ・スーパーサザエ 99個 ・「サイキョーになれる権利」
2019-09-14 15:26:41