ぱすイカ二次創作⑫

おやつはやっぱりカステラなのね 書いたもの:https://t.co/lk71qxBACg
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ぱすかる❄ @pascal_syan

「こほん。わたくしが食べるお米で、他の誰かをお腹いっぱいにして差し上げたいのですわ。それが偽善と呼ばれようと……わたくしたちは止まることができないのです!」 「あーあー、いい人なのは分かったから、ちゃんと飯食えよ……」 流石のアカネも諭す方に回ってしまう。

2019-09-16 23:39:53
ぱすかる❄ @pascal_syan

「それでは、次はサイキョー杯でお会いしましょう。願わくは決勝の場で……!」 「……おう!」 互いに手を振りあって、別れた。 「……なんか、変わったチームだったねえ」 「うちが言えたことかなあ?」 「は?うちのチームはまともだろうがっ!!」 「ねーちゃんのせいで台無しなんだけど……」

2019-09-16 23:42:23
ぱすかる❄ @pascal_syan

外野から見れば、ヘンテコな、何とも言い難い微妙な試合。若手チームが強豪チームを打ち倒すというジャイアント・キリングだったにも関わらず……リプレイ映像の再生回数は、5万とちょっとという、……なんとも微妙な数字となった。 多いには多いだろうけど。

2019-09-16 23:46:59
ぱすかる❄ @pascal_syan

その五万の中に誰がいるかは、誰にも分からない。 「一歩前進……」 とん、と。何かの空箱がテーブルに置かれる音がした。 「と、言うには、少し滑稽だな」 モニターを見つめる銀の瞳。それに映る少年は、気づいていない。彼の知らない場所で、彼の憧れの人が、自分のことを見つめていることを。

2019-09-16 23:50:50
ぱすかる❄ @pascal_syan

「フシチョーの悪いところが出てしまいましたね」 銀の瞳の傍らで、その右腕が、空箱を回収した。 「攻め込まれれば途端に詰まる。最たる例だな」 銀の瞳は、空いた片手で何かを催促する。 「……もう、ありませんよ」 「何?」 「10箱だけですから」

2019-09-16 23:54:08
ぱすかる❄ @pascal_syan

「……なぜ、いつも10で買ってくる?増やせと再三言ったはずだが」 「お言葉ですが」 彼の右腕は、果敢にも主君に提言した。 「箱の処理に困るのです。それに、」 咳払いをしてから。 「おやつは程ほどにしてください……」

2019-09-16 23:56:57
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