- ttt_ceinture
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@samedrill 映画においてもある時期以降の傾向だと思います。黒沢は「羊たちの沈黙」の特性は人物反応の演技や切り返しショットがないことにあると看破してましたし。光景を見せた方が効く、というのはある時期から意識されたテクニックなのでしょう。たまに山岸も失敗してる。
2011-05-27 22:48:40@samedrill 山岸に「悪夢」っていう隔離病棟の女性囚人の反復悪夢のような漫画があるでしょう。あれはラストなどつまらない箇所は多いんですが、薄気味悪い光景が差し出される→なんのフォローもなくシーンがぶつぎりにされる、という点では特徴的でした。
2011-05-27 22:52:31@ttt_ceinture なるほど。媒体にあらかじめ備わっている条件ではなく、勝ち取られた技法としてみるべきであると。それはそうかもしれないです。
2011-05-27 22:49:27@ttt_ceinture そこはメディア論的に考えられるような気がしています。「語り聞かせ」を前提としたびっくり=驚かせと、視覚媒体を通じた語りによる恐怖の分節の違い。で、時代的なものでもあるのかな。前者が後者にかわってきている。漫画も前者を借用していた。
2011-05-27 22:48:44@samedrill 私は書籍の新耳袋シリーズが好きだったんですが、著者の一人が後に山岸の「ゆうれい談」文庫化の際に解説文を寄稿して、視覚的形象の印象に大いに影響を受けたというのが面白くてですね。新耳は、うっすらと絵が浮かぶ、語り物、という中間でした。
2011-05-27 22:54:55@ttt_ceinture そうですね。あのシリーズがそれまでのものと異なっていたのは、新しいモードも取り入れていたからだと思います。
2011-05-27 22:55:31@samedrill まあでも、ドライヤーの「吸血鬼」を見ても、特に本筋に関わらない、鎌を持った農夫のシルエットがいやに不吉だということで記憶に残ったりするするので、説明なしになにかと印象に残る、じわじわと怖い絵面というのは映画史にはあちこちにありそう。
2011-05-27 22:57:27@ttt_ceinture 黒沢さんはそれだけで映画作りたいといってましたよ。ただ問題は、気づくかもしれないし気づかないかもしれない、という形象をあんまり導入してしまうと作品が崩壊してしまうというw
2011-05-27 22:58:27@samedrill たしかラングとドライヤーについて「もうこれはどういう確信で取っているのだろう。作家が不穏に思えてくる…。不穏そのものとなる作品...」とか言ってて、やけにこだわってる発言もありましたね
2011-05-27 23:00:26@ttt_ceinture ただあくまで山岸に絞って言うと、映画的方法を多々導入しつつも、写真的なものに変換しえない線によって決定的なものを示すという側面も忘れてはならないように思います。狂気に入る瞬間の軽い線とか。
2011-05-27 23:00:19@ttt_ceinture 最近のだと餓死した子どもたちの話(『鬼』かな?)だと、うっすら憑いているところとか、地面から手が出ているところとか。大島弓子のような軽い線で「不穏なもの」を描いてしまう・・・・・。
2011-05-27 23:06:12@samedrill ああ、「鬼」ですね。しずめ石がでてくるやつ。鬼にはあんまり印象がないかな…。私は「良い人形」の川辺でひらひらと出てくる小さな手が忘れられない。
2011-05-27 23:08:13@samedrill 「汐の声」読み直してましたが、ガラス戸の向こうの動かない人影や鏡台のそばの後ろ姿の目撃は素晴らしい。最後の最後まで少女の瞳が開かれていないのは狙ってますね。
2011-05-27 23:56:54@ttt_ceinture あれは心霊的ものなだけでなく、母子的なものや奇形的なテーマなど、全部詰まってますね。救いもないし・・・。
2011-05-28 00:03:53@samedrill そういえば、挙げるのを忘れてましたが、この10年で出色だったホラー漫画は中山昌亮の「不安の種」でした。どちらかというと黒沢・中田・高橋+恐怖画像の類を巧みにまとめ、新耳のように短編連打形式にしたものなので、山岸の路線からは遠いですが。
2011-05-28 00:05:30@samedrill 不安の種は、「こういう絵で攻めるとびりっとくるだろう」というのを丹念に収集・分析してまとめたような作品だと思います。たまに、狙いが透けて見えて滑ってるのもあった。3割ぐらい外してるかな。山岸は間合いや目撃との距離感が際立ってます。
2011-05-28 00:14:14@samedrill 「良い人形」は、鳥足のようなクリーチャーが窓に迫るコマと、焼け焦げた人形とその接近、陽登場で理に落ちてしまうところなどがどうにも失敗しているんですが(倉敷が窓から飛ぶシーンは割といいけど)、汐の声はよくまとまってる。両方とも、ぎっしりと手法が行使されてて。
2011-05-28 00:09:57@ttt_ceinture 良い人形はびっくり的な方法になると引きますね。飛ぶシーンは軽快でいいです。しかし、僕は黒沢さん系も両方好きですが順番は山岸の方が先でした。最初に読んだマンガが『日出る処の天使』だったので。影響関係は考えてましたが、改めて検証してみると新鮮ですね。
2011-05-28 00:13:54@samedrill 飛ぶシーンは、手前に少女二人が後ろ姿で配されているのがいいですよ。あとは帰宅したときに棚の上に人形がちょこんと座ってるのも素晴らしいし。棚から人形が飛び乗ってくる絵は微妙で、その次の布団の傍で転がってる絵の方が効いてる。
2011-05-28 00:17:06@ttt_ceinture 学校の階段もそうですが、失敗もあるとは言え、探求心には頭が下がります。黒沢さんや鶴田さんが「触れる幽霊」を散々実験していて、『回路』でその成果を見た時には感動しました。
2011-05-28 00:17:00