キャバリア♂ノアちゃんの心臓手術

ノアちゃんの僧帽弁閉鎖不全症の手術について marigamoroko さんのお話
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まりこ @marigamoroko

傍らで眠っているノアの寝息がゆっくりと滑らか…胸に耳を押し当てると、トクッ、トクッと可愛らしい音がします。突然ガバッと起き上がって苦しそうに咳込むこともない。ノア、今月半ばに心臓手術受けました。昨日は術後検診でした。順調だそうです。嬉しいです。

2011-05-27 17:02:29
まりこ @marigamoroko

手術、そう短くない人生の中でも最も迷いました。昨年末から坂道を転げ落ちるように状態が悪くなったノアですが、このまま亡くなっても寿命だったと思えるかも知れない。でも、手術を決めることは私が命を断ち切ることになるかも知れない。

2011-05-27 17:44:06
まりこ @marigamoroko

手術を勧められたことは一度もありませんでした。聞けば丁寧に説明はしてくれても「やった方が良いのでは」とは誰も言わなかった。ノアの主治医も手術経験者も、執刀して下さった獣医さんも、です。過不足なく情報を提供してはくれても積極的に勧めた人はいなかった。

2011-05-27 20:31:31
まりこ @marigamoroko

結局、誰にも相談することなく決め、術後数日まで手術したことすら言いませんでした。決心したとはいえ、そのことに最後まで確固たる自信が持てなかったから。賛成されても、反対されても、多分感想を言われてすら、気持ちがぐらつきそうだったから。

2011-05-27 20:44:28
まりこ @marigamoroko

手術の予約を取ってから当日まで25日間。短すぎる時間だと思ったけれど、実際は何度も「手術まで持たないかも知れない」という事態になった。夜中、私に出来る処置を施しても呼吸が楽にならなくて何度も病院に駆け込んだ。毎日生きた心地がしなかったなぁ。

2011-05-27 21:45:34
まりこ @marigamoroko

たまに調子が良くて散歩を楽しみ、美味しそうにご飯を食べれば、手術を決めて良かったのか不安になり…揺れ動いた。徐々に時間をかけて病気が進行したという感じではなかったから、色々な意味で諦めがつかなかったのかも知れない。

2011-05-27 22:43:26
まりこ @marigamoroko

不安定な私を静かに、過不足なく支えてくれたのはノアの主治医だった。手術を決められずにいる間は手を尽くして薬を調整してくれ、決めてからは最も良い状態で手術に臨めるようあらゆる手段をこうじてくれた。この人がいなかったら、ノアも私も持ちこたえることが出来なかったと思う。

2011-05-27 23:00:04
まりこ @marigamoroko

手術の10日ほど前から、ノアは自らご飯を食べなくなった。口まで運んでやらなければ一切食べない。どんな時でも食欲だけは落ちなかった子なのに。どんな好物を出しても自分では食べなくなってしまった。手術は体力戦。体重を減らさないよう必死だった。

2011-05-27 23:28:25
まりこ @marigamoroko

手術4日前からは下痢をした。胃腸の強い子でお腹を壊すことは1年に1回あるかないか…なのに。ノアには何もかもわかっていたと私は思う。たかが犬とまでは思わなくとも、考えすぎだと言う人は多いだろう。でも、犬は、ノアはそんなにノーテンキじゃない。

2011-05-28 00:01:33
まりこ @marigamoroko

眠れぬまま迎えた手術日。明け方4時半に車で家を出た。約束の7時より1時間半も早く着いた。大学構内を少し散歩して、車の中で貴重な時間を過ごしていると6時過ぎ、車から執刀医が降りてきた。駆け寄って頭を下げた。

2011-05-28 00:25:26
まりこ @marigamoroko

手術に立ち会わせて欲しいと頼んで断られ、ならばせめて基礎麻酔までを腕の中でと言ってやんわり断られ、留置針してからの何本かの注射までは抱っこしてていいですよ、という折衷案。でも、ノアはわかっていた。少しもジタバタせず、振り返りもせず、静かに手術室に連れて行かれた。

2011-05-28 00:33:37
まりこ @marigamoroko

ノアが手術室に入ったのが8時少し前。まだシャッターの下りている誰もいない待ち合い室でひたすら待った。最も危険な時間帯と言われていたのが10時~11時頃。人工心肺を外してから。祈るような気持ちで待つ。手術室からの人の出入りに過敏に反応してしまう。

2011-05-28 12:19:30
まりこ @marigamoroko

12時になっても誰も途中経過を報告してくれない。手術室の前で待ち伏せし、急ぎ足の研修医を捕まえて聞く。ほどいた装備をもう一度整え、手術室に入って聞いてきてくれた。手術自体は無事終わり、下げた体温を復温中とのこと。

2011-05-28 13:21:07
まりこ @marigamoroko

14時半「体温が戻り、手術室を出たので、後はゆっくり麻酔から醒ましてあげます」と研修医が言いにきてくれた。でも、実はここからが勝負。一番問題となる肺の機能が評価される時間。実際、麻酔、手術の手技に関してはほぼ問題ない。問題は肺がどれくらい傷んでいるか…

2011-05-28 13:31:17
まりこ @marigamoroko

生きて戻れるかどうか、最も大きな鍵は肺だ、とは以前から何度も言われていた。しかもどれくらい肺が傷んでいるかを術前に評価する方法がない。やってみるしかない、と。麻酔から醒ます時に肺が元通り機能できるか…がわかる。

2011-05-28 14:20:17
まりこ @marigamoroko

事前に言われていたのが、順調なら夕方4時~5時には麻酔が醒めて面会できる、と。4時半までは普通に待てた。そこから先は不安との闘い。5時を過ぎてからは頭の中は既にパニック状態。獣医は余裕を持って4時~5時と言っているはず…ということは…

2011-05-28 14:50:29
まりこ @marigamoroko

朝7時半過ぎにノアを預けてから10時間以上。待つことの辛さや不安を和らげてくれたのも、地元の主治医だった。非番の日であったにも関わらず、メールで不安を訴える私に即座に的確で冷静な判断を返してくれた。ほんとうに涙が出るほどありがたかった。

2011-05-28 14:59:36
まりこ @marigamoroko

夕方5時半、担当の研修医が呼びにきた。「ノアちゃん、麻酔から覚めました。会えますよ」。手術室脇のICU、ガラス張りの酸素室の中にノアが横たわっていた。沢山の管に繋がれて、ぐったりとして、呼んでみても目もしっかり開けられない。執刀医は二件目の手術中。まだ話しは聞けない。

2011-05-28 16:11:54
まりこ @marigamoroko

夜8時、再度呼ばれてICUへ。ノアは横たわったままだが、目をパッチリ開いていた。呼び掛けると目だけで反応する。執刀医は手術着のまま、酸素室の前にしゃがんで説明を始める。時折隣でまだ進行中の手術の様子を見ている。ノアと同じ手術の子。主要な部分は終わったのだろう。

2011-05-28 17:04:17
まりこ @marigamoroko

ノアの心臓は昨年末の最初の肺水腫の時に重要な腱策が切れたのだろう、というのが獣医さんたちの共通認識だった。かなり大切な部分が切れてしまったので、肺水腫一歩手前状態を繰り返すのだろう、と。

2011-05-28 21:12:12
まりこ @marigamoroko

しかし、想像と反し大きな腱策は切れていなかった。もちろん細いものは何本か切れていたが。代わりに腱策は所々縦に裂けていたという。それを縫い合わせ補修し、更に再建。相当な大きさになっていた心臓の弁輪も縫い縮めた。心筋も弱っており、待ったなしのタイミングだったという。

2011-05-28 22:14:13
まりこ @marigamoroko

翌朝にはまだ沢山のチューブに繋がれてはいたものの面会に行くとオスワリして尻尾をブンブン振って迎えてくれた。午後にはICUを出て二階の病室に移る。それからは日を追うごとに元気になり、3泊4日で退院した。

2011-05-28 22:26:39
まりこ @marigamoroko

手術をしたことを書こうか書くまいか色々な意味で迷った。でも、以前fuu kokomoさんがココモちゃんの手術のことを書いてくれたことは私にとって励みだった。手術という手段があることは知っていても、実際した人とコンタクトが取れたことは大きかった。

2011-05-28 22:56:25
まりこ @marigamoroko

手術が視野に入ってきてネットで調べても、なかなか実際に経験した人を見つけることは出来なかったし、手術の詳細については教えてもらえても患者側の気持ちについて獣医は教えてくれないから。その情報をみんなで共有しようと紹介してくれたricehahaさんにも感謝している。

2011-05-28 23:08:10
まりこ @marigamoroko

一方的に書き続けてしまいました。読んで下さった方、コメント下さった方、ありがとう。もし、聞きたいことがあれば、どうぞ聞いて下さい。ノアもこの先どうなるかは未知数。成功というにはまだ不安材料がいっぱいです。でも、私に答えられることはお答えしたいと思っています。

2011-05-28 23:17:14