即位の礼正殿の儀をより楽しむ為に

装束に詳しい人のありがたい解説
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千装千束@BOOTH通販中 @chigirachizuka

「即位礼正殿の儀をより楽しむために」はじめます。主に中継で見るであろう装束を中心に呟きたいと思います。 さて、「即位礼正殿の儀」ですが、まずはその概要について一言で 『天皇陛下の即位を内外に示し平安時代に由来する装束を天皇陛下はじめ皇族参列者の方々が身にまとう儀式』です。

2019-10-16 21:50:18
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>「天皇陛下の即位を内外に示し平安時代に由来する装束を天皇陛下はじめ皇族参列者の方々が身にまとう儀式」 だとちょっとわかりにくかったですね。 「天皇陛下はじめ皇族、参列者の方々が平安時代に由来する装束を身にまとい、天皇陛下が即位を内外に示す儀式」 ですね!

2019-10-17 09:22:10
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まずは天皇陛下から。 天皇陛下は「御束帯 黄櫨染御袍」をお召になります。 この束帯は天皇陛下のみ着ることが許される禁色であり、色は黄櫨染で紋は桐竹鳳凰麒麟紋です(画像二枚目)。 冠につく纓(えい)がピンと立つ「立纓」も天皇陛下のみ許されるものです。 pic.twitter.com/P4oAbOuuvC

2019-10-16 21:50:20
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次に秋篠宮文仁皇嗣殿下です。 装束は「束帯 黄丹袍」です。これは本来皇太子のみ着ることが許される禁色ですが、今回は秋篠宮文仁皇嗣殿下が皇嗣として皇太子と同様の身分とされることから皇嗣殿下がお召になります。 色は黄丹(おうに)、紋は「窩に鴛鴦丸(かにえんおうのまる)」です。 pic.twitter.com/vTBcrtLm40

2019-10-16 21:50:22
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次に男性皇族として常陸宮正仁親王殿下です。 本来、親王専用の束帯である雲鶴袍をお召になるかと思いますが、今回は内閣府の式典委員会にて「親王殿下 束帯(帯剣)(これにより難い場合 には、燕尾服(勲章着用)とする。)」とありますので、ご高齢の親王殿下は燕尾服をお召しになると思います。

2019-10-16 21:50:22
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次に皇后陛下です。 皇后陛下は「御五衣、御唐衣、御裳」をお召になります。いわゆる十二単です。 平成の御大礼の際当時の皇后陛下(現上皇后陛下)は十二単の内「表着(うわぎ)」の文様がお印である白樺をモチーフにしたものでしたので、今回も新調され皇后陛下専用の装束となるかと思います。 pic.twitter.com/gqfMhyS4HX

2019-10-16 21:50:25
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次に女性皇族の皆様です。 女性皇族の皆様は皆同じ装束のように見えますが、一例をあげると未婚から第一子出産までの女性皇族は濃色(こきいろ)の長袴、第一子出産後の女性皇族は緋色の長袴、御年配の女性皇族は中に着る五衣が白というように、若干差異が見られます。 pic.twitter.com/Q0q563NpjX

2019-10-16 21:50:27
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次に三権の長(内閣総理大臣、最高裁判所長官、衆参両院議長)です。 これらの方々は洋装です。昭和までは束帯を着て参列していたのですが、平成の時に当時の首相の判断により、洋装となりました。 個人的には、やっぱり束帯を着てほしいですね。 pic.twitter.com/FEdD8lMnx4

2019-10-16 21:50:31
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次に侍従の方々です。 陛下にお付きし、三種の神器のうちの剣と勾玉や、国璽御璽、陛下の装束の裾など、天皇陛下の身分を示す品を持ったりするお役の方々です。 侍従の方々は束帯を着ていますが、後ろに長く引くはずの下襲の裾(きょ)を地面スレスレの纔著(さいじゃく)にしています。 pic.twitter.com/equkdlr3lD

2019-10-16 21:50:33
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次に女官の方々です。 女官の方々は五衣唐衣裳ですが、女性皇族の方々と比べ文様などが目立たない落ち着いた五衣唐衣裳をお召になっています(画像左) pic.twitter.com/fAPVAfoxly

2019-10-16 21:50:35
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次に庭上参役者の方々です。 即位礼正殿の儀の際に宮殿正面の庭に並ぶ方々ですが、役割によって装束が変わります。

2019-10-16 21:50:35
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まずは威儀の者です。 庭上では宮殿に一番近い立ち位置にあり、正面両脇にて警備をする方々です。装束は武官束帯の上から挂甲(けいこう)という甲冑を着け、弓、矢、太刀を着けます。左右それぞれに、前列が黒袍5人、後列が赤袍5人、計20人で奉仕します。 pic.twitter.com/EfcoBQDk7g

2019-10-16 21:50:37
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次に威儀物捧持者です。 太刀、弓、胡簶(やなぐい:矢を入れる道具)、鉾、楯などの威儀物を持つ方々で、束帯を着ています。持ち物の重軽により、黒袍、赤袍などにわかれています。 pic.twitter.com/YCLSDdQn6Z

2019-10-16 21:50:40
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千装千束@BOOTH通販中 @chigirachizuka

次に、司鉦司鼓及び鉦鼓の係員の方々です。 鉦鼓(金属製の楽器)、太鼓などで、参列している人全員に起立着席礼の合図を出す役割です。 左右それぞれ中心にいる一名は赤袍の束帯で、その両脇にいる鉦3人鼓3人の計12名は、武官束帯と似ている召具装束で、冠につく纓が細い細纓(さいえい)です。 pic.twitter.com/xKofGqngLU

2019-10-16 21:50:42
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千装千束@BOOTH通販中 @chigirachizuka

以上、簡単にですが、即位礼正殿の儀で見られる装束について語ってみました。 140文字という短文のなかでは、概要だけで精一杯ですね。 これからも少しずつ追記できればと思っています。

2019-10-16 21:50:43
千装千束@BOOTH通販中 @chigirachizuka

ありがとうございます! 上皇上皇后両陛下についてですが、譲位されたので恐らく即位礼など公の場に出てくることは無いかと思います。 #マシュマロを投げ合おう marshmallow-qa.com/messages/87964…

2019-10-20 08:05:21
千装千束@BOOTH通販中 @chigirachizuka

@sakone_shogen 今日はいよいよ即位礼!! というわけで、即位礼にも使われる「束帯」を出してきましたー!!ちなみに私物です! 現在では宮中で非常に重要な儀式の際に用いられる装束とされており、明日は天皇陛下をはじめ、男性皇族や侍従が此方をお召しになられます。 pic.twitter.com/5BvNRCGldy

2019-10-22 04:11:10
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八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

まもなく「即位礼正殿の儀」。 このとき天皇陛下が着用されるのは御束帯黄櫨染御袍です。天皇が重儀に黄櫨染を着用するのは、嵯峨天皇の御代からです。

2019-10-22 11:24:19
八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

『日本後紀』 「弘仁十一(820)年二月甲戌朔。詔曰。云々。其朕大小諸神事、及冬奉幣諸陵、則用帛衣。正受朝則用袞冕十二章。朔日受朝、日聴政、受蕃国使、奉幣及び大小諸会、則用黄櫨染衣。皇后以帛衣為助祭之服、以擣衣為元正受朝之服、以鈿釵礼衣為大小諸会之服。」

2019-10-22 11:24:39
八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

この色彩は中国皇帝の「赭黄」に倣ったものと考えられ、中国の皇帝の衣の色は「五行」の中心、そして中国中原の土地の色である「黄」を用いました。黄櫨はハゼノキを用いた染色で、『延喜式』によれば、綾一疋を染めるのに「櫨十四斤、蘇芳十一斤、酢二升、灰三斛、薪八荷」を用いました。

2019-10-22 11:24:59
八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

文様の「桐竹鳳凰麒麟(きりたけほうおうきりん)」は、平安中期頃に考案されたとされます。

2019-10-22 11:25:44
八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

『権記』(藤原行成) 「長保二(1000)年七月四日己卯。参院并左府。召采女正巨瀬広貴。仰図五霊鳳桐。画様可給織部司之由。一昨織部正忠範令奏事由、仍随勅所仰也。」

2019-10-22 11:25:52
八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

当初は麒麟がない、桐と鳳凰の連続文様で、これが筥(箱)形の飛び文となり、さらに鎌倉時代頃に竹と麒麟が加えられたとも考えられています

2019-10-22 11:26:20
八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

『餝抄』(中院通方・鎌倉前期) 「天子常着御。称黄櫨染。文竹桐鳳凰麒麟。天養二(1145)十一朔旦旬。主上黄櫨染御袍。躑躅御下襲。黒御半臂。縮線綾表袴御袴。」

2019-10-22 11:26:28
八條忠基 @EeoduLzbYVjTprk

こうして、遅くとも鎌倉前期に現在の様式が定まったようです。 pic.twitter.com/3Q3S0842pZ

2019-10-22 11:27:05
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