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2019年11月4日

照尺のお話~昔の小銃はなんであんなに照尺が長いのか~

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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

なんか昔の小銃の照尺についてそこそこ需要がありそうなので、連ツイするよ。 知らなくていい人はミュートしてね twitter.com/C11katao/statu…

2019-10-02 22:40:41
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

添付の画像は明治村の兵舎にあった三八式歩銃である。左側の写真が全景で、右が照尺の拡大である 照尺の寸法の参考になるものをフレームにいれ忘れていたので解りにくいが、大きくはない 倒したままでも照準できるし、距離が遠いならば起こして使うことになる 倒したままで狙えるのは300m以内だ pic.twitter.com/z73KvYuTGa

2019-10-02 22:58:53
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

ついでにこちらは照尺が割れて失われてしまったものである しかしこれは同時に本来照尺がどう留まっていたのかよく見せてくれている300m内のノッチが足掛かりになって立つのであるな。 今のこってる部分だと400mになるはずだ このような長距離の照尺はもちろん日本陸軍の専売特許でもなんでもない pic.twitter.com/5HeJ9sZa9R

2019-10-02 22:59:08
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

今度の画像は適当に見つけてきた独軍のK98kである 画像中央の辺りに金属部分から生えているのが照尺だ。この銃も2000mまで目盛がある これは三八式とは全く違う操作法をするもので、一番手前がもっとも照門の低い位置である 目盛を見る限り100m内であるのがわかる 照門についた滑り子を画像左側(続 pic.twitter.com/AkxzuWnWkw

2019-10-02 23:19:12
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

すなわち小銃の前方にスライドすると、下側になだらかな山ができているので、滑り子はこれに押し上げられることになる 滑り子は照門についているので、それにしたがって照門も上がる。これで最大で2000メートル狙えるのだ モシンナガンとかあの辺も同じような照尺になっている AK小銃もそうだったはず

2019-10-02 23:19:13
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

次がリー・エンフィールドNo.4である なかなか気合いの入った照尺だ 何が気合い入っているかというと、距離の調整を正確にするためにネジで距離の調整をするところである 目盛を見る限り最大で1300m(ヤードだったら謝る)まである 起こした状態で最低の目盛が200mなので、倒した状態の照門は100mだろう pic.twitter.com/bQeQJiN2Ce

2019-10-02 23:37:12
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

機関銃の照尺なんかだとネジで調整を行うものは見かけるが、小銃では見かけない気がする すくなくとも私はリー・エンフィールドNo.4でしか聞いたことがない あ、M1ガーランドは下図を見てね 転輪をグリグリ回す歯車が噛み合っているのでニョキって延びてくるよ 1000m狙えるよ(好きくない銃は解説が雑) pic.twitter.com/sTwfHRVIE3

2019-10-02 23:37:14
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

さて、実際のところまともに個人をこれらの照準器で狙えるのは500m程度であろうか あまり離れると人のサイズの的は完全に照星に隠れてしまう そうなると恐らく人を撃つより、部隊を撃ってる状態になるのだろう。当たってる弾の方が少なくなるのは当然である 今の時代は小銃はあまり遠くの敵を撃たない

2019-10-02 23:44:55
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

今の89式はどのくらいだったかは忘れたが、まさか2000メートルも撃つことはあるまい なぜなら砲迫との連絡手段も充実したし、機関銃も車両に載せるなどして前線に伍せるからである しかし、これらの小銃の頃は今ほどそれらは充実していない なので下手をすれば見える間の敵はすべて撃つことがあった

2019-10-02 23:44:56
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

また防御においては、あらかじめどこそこに敵が来たら撃つと決め、その点までの距離を取り、狙いをつけておくのだ そして予想通り敵が来たとき、中隊で全力射撃を叩き込めば大打撃が与えられるだろう 旅順要塞では第二線に待ち構えたロシア兵が味方第一線に予め狙いをつけて待っていたそうな(続

2019-10-02 23:51:12
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

第一線(前哨壕かな?)を乗り越えた日本兵にたいして斉射をして打撃を能えているのは、こういうものもある しかしこういう使い方は今では機関銃の独壇場である あ、我が国の小銃に二脚があるのは半分くらいこれするためだけど、昔の小銃ほど遠くではやらんよ 他にも有名な話だと英国の小銃の猛射か

2019-10-02 23:51:12
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

彼らは一般に素早く撃つのであまりの猛射に第一次大戦の独軍は英軍に数多の機関銃があると勘違いしたほどだという そして日露戦争の頃までは歩兵と砲兵はその武器で対話していた 何しろ間接照準というものがないので、お互い直視できるところで戦っていたのだ砲兵が狙う射線は全く小銃の射線であった

2019-10-02 23:58:12
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

下手すると砲兵が小銃の一斉射撃になぎ倒されてしまうこともあった。砲が砲身のみ退がるようになると、砲に盾がついた。これもそのためだ 間接照準するようになるとそんな対話もなくなるけども pic.twitter.com/soHvngOsZz

2019-10-02 23:58:13
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

小銃は昔、歩兵にとってこれしかなかった だからこれで戦った それはほぼ万能だった 砲兵を排除し、騎兵を脅かし、敵歩兵をたおし、剣をつければ槍にもなった それが砲は盾を身につけ下がり、騎兵はいなくなったが銃弾の効かぬ化物が地上を走り、敵歩兵はそれらに支援されながら機関銃で撃ってくる

2019-10-03 00:05:51
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

小銃は長距離では役割を失ったのだ 早めに、つまり遠くから射撃を開始すれば早々に敵の砲爆撃を受けてしまうようになった 機関銃の強化は小銃の撃つ機会を相当に減じた だから今の時代の小銃は近距離に特化した 出会い頭にとっさに射つなら連射できるものがよいし、長い銃身は要らない

2019-10-03 00:05:51
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

昔日本陸軍が九九式小銃を採用するための理由のひとつが『(敵の小銃は抜けるのに)三八式ではレンガ壁を撃ち抜けない』であったが、いまや小銃でレンガ壁を撃ち抜く必要がない。軽量な無反動砲が随伴しているからだ 小銃の役割はここ百年ちょっとで一気に減ったり変わったりしてきたように思える

2019-10-03 00:08:44
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

いまや小銃は戦局を変える兵器ではなくなったのだ しかしなくなることはないだろう。 残念ながら私の好きな長距離のための照尺が復活することはないだろうけれど

2019-10-03 00:10:20
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

あ、質問は受け付けるよ!(マイルール) 寝ちゃうけど

2019-10-03 00:28:14

そして再度復習に

ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

基本的に大昔の小銃の照尺は2000メートル位まである あれは小隊というか中隊で一斉に撃てば概ねその距離まで制圧できる ドロップが大きい三八式歩銃でも実際そう ちなみにフランス式だと一斉に撃たせる ドイツ式だと照尺を指示して仮標的(その距離だと人を狙えないから何かを狙ってやる場合がある)

2019-11-04 10:08:45
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

を指示して各個に撃たせる 日露戦争では日本はドイツ式、ロシアはフランス式だった とくに優劣の差はない

2019-11-04 10:08:45
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

日本陸軍の場合軽機関銃が分隊に着いてくるようになると、小銃は銃剣の架台として以外の価値を失った 最初から小銃が射撃に加わると砲迫でやられるという現実が満州の平原はあった 小銃はよっぽどのことがないかぎり撃たないようになった よっぽどのこと?一例として国府軍の夜襲を破砕するときとか

2019-11-04 10:14:55
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

夜間標定を頼って夜襲を破砕するときには、何か基準が必要になる 例えば脚などあれば便利よね?自衛隊はかなりその辺の教訓を引き継いでる

2019-11-04 10:19:06
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

ちなみにAKも同様に用いるならば700メートルまでなら使用可である そして、わりと意識している人は少ないのだけど、部隊射撃だと適度に弾が散った方がよい これは三八式歩銃で3.4m間隔の散兵を撃ったときの参考図だけど、800メートルで撃てばこのように隙間なく弾が散るのでよく制圧できることになる pic.twitter.com/UdpjHSgTbZ

2019-11-04 10:26:38
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

実際歩兵は一対一で撃ち合うことはないので、このような『部隊射撃』を考えたいところ そういう使い方ならある程度の弾道のバラけは許容されるどころか喜ばれる場合がある

2019-11-04 10:28:54
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コメント

ruquia @ruquiaccountant 2019年11月4日
タンジェントサイトかっこいいですけどピストルにくっ付けるドイツ人って…(モーゼル、長銃身ルガー)
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