編集部イチオシ

近代小銃概説

まとめました。
ライフル 小銃 わからん 歩兵 ミリタリー
34
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
近代小銃概論 今回のツイットに於ける小銃とは何か 小銃とは、概して歩兵においては主として与えられた火器であり基本的な銃である 他に与えられる兵器は数あれど、小銃ほどならず 先込から自動小銃に至るまで、小銃は兵の友であり宝である 戦場に起居を共にし礼式においてはともに検閲の栄誉に浴す
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
小銃の歴史は長けれども、ここに近代における小銃を概説せんとするものである 近代以前は鉄砲の価値はいろいろなところで聞かれるが、それは取り上げない 近代において小銃の価値は統一された火器が兵の手元にあったということだ 近代とはナポレオン戦争のあたりからを指すのだが、その時から話す
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
このころの小銃に照門はなく、肩を寄せるほど近くに並んだ兵隊が、同じように肩を並べた敵の部隊に鉄砲を向けてぶっ放すようなものだった 参考の動画を付す youtube.com/watch?v=h31hF-… 統一された鉄砲であるから、一定にあたるはずであるから、これで構わない いまから見たら何とものどかな戦争だ
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
当時はライフル、銃弾を旋転させ安定させるものは猟銃であるか、軍隊においては特殊な部隊のみが扱っていた 当時は特殊兵科であった散兵だ ナポレオンの軍隊の特徴はこの散兵の有効活用であった (当時のフランス人に戦列歩兵ができるだけの練度が維持できなかったからともいわれる) (図は英散兵) pic.twitter.com/EFG3LcKWsI
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
そんな戦列歩兵の戦争の時代は、アメリカの南北戦争まで続く しかし南北戦争のころにはライフルを施した銃は安価となり、主力小銃となっていた つまり、戦列歩兵をするのは少々弾がよく当たりすぎた 遠くからでも隊列めがけて撃てばかなり当たるようになり、戦列歩兵はあっという間に消耗してしまう
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
日本において幕府陸軍の歩兵があまり活躍できなかった理由の一つともいわれる(らしい) 戦列歩兵はその威力を発揮する前に被害甚大になりその能力を喪失するようになった この辺の小銃の変化はゲベール銃とミニエー銃とか、幕末の鉄砲として聞いたことがあるかも ミニエーは3枚目みたいな弾を指す pic.twitter.com/NBzZsmc37J
拡大
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
発射時の圧力で弾の後ろが開いてライフルに弾が噛むことで旋転がかかりとんでゆく この旋転はコマが立つように銃弾を安定させ、遠くでもあたるようになった エンピールとかスナイドルとか聞いたことがあるだろう エンピールとスナイドルの画像を付す スナイドルはエンピールを後込めにしたものだ pic.twitter.com/9u5iTZ1chS
拡大
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
この辺になってくると「遠くでもあたる」のだから効率的に使うための照門がついている 先のツイットの2枚目をみると、照門の詳細がみえるだろう 倒したままで戦闘照尺、スライドする照門を目盛に合わせた後起こればその目盛の通りの距離まで飛ぶ 弾薬が統一され、銃も統一されているからこそのものだ
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
そういったものは近代以前にもあるにはあったが、小銃に一般的についているものではなかった 火薬の量もまちまち気分で決まるような兵器でこういうものは個人の曲芸の領域でしかなかった それがライフルの一般化でいよいよ兵卒の手元に降りてくる それがいいことであるかは賛否両論であろうけれど pic.twitter.com/vJ1kfhP7GT
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
これが小銃を当時の砲兵や騎兵の間合いまで伸ばした 砲兵にすら小銃弾による危害が及ぶ戦争だ 小銃の射程が戦争を決めるようになった時代だと思う これ以降歩兵は散兵が主体となってゆく 散開しないと死ぬからな とはいえ黒色火薬なので撃てば位置を暴露し反撃を食らうのであるが
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
小銃は先込めから後込めになり、発射速度が増してきた さらに無煙火薬になったり連発になった それまでの黒色火薬と違って無煙火薬なら戦場の視界がクリヤーで観測もしやすいし位置がばれにくくなる 連発というのは小銃が弾倉を有するようになり発射速度が増したことを指す 自動銃ではない
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
明治の終わりまで歩兵の武器は小銃と銃剣だけだった この時代の小銃は万能だった 敵の散兵を撃ち、騎兵の襲撃を破摧し、砲兵と対決する。何でもできたし何でもやらねばならなかった 機関銃もなく、中隊に通信手段がない時代、視界に入るすべての敵は小銃で対決せねばならなかった
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
ボーア戦争などはその象徴ともいえる 日露戦争でも1000mを超えて双方の散兵が撃ち合うことがあった。現代の小銃と当時の小銃は役割が違う 当時の小銃は今の機関銃や無反動砲、迫撃砲などを兼ねた万能な兵器であった 長い照尺もそのためのものだ 2000m内外のあらゆる種類の敵を撃つためにある pic.twitter.com/cDS8BoPZyo
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
騎兵や砲を移動させたり輜重を担う馬を破壊できるように重たい弾丸をはるか遠くに飛ばすため、この時代の銃は恐ろしく強力な弾薬を用いる 当時の銃弾としては弱い方である三八式銃実包であっても9gの弾丸をもって2400m内の馬が破壊できる威力がある アイアンサイトでそんな距離狙えないと思うかもだ
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
しかし、その場合補助の照準点(例えばどこの小屋から左に何密位、など)を与えてやれば目的の敵のいる範囲に射弾を散布できる 参考に三八式銃の照尺を用いた密位の量と、「部隊射撃」における散布された弾が降る範囲の表を与えよう(1500mまでしか書いてないけど) その範囲の楕円に弾が降ってくる pic.twitter.com/usW72wg8JN
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
しかし、日露戦争のころから信頼性の高い機関銃というものが普及してくる 遠くに銃弾を撒くなら、3脚などに据えられた機関銃のほうが優位である 小銃と違って安定しているし、散開した歩兵中隊よりも目標が小さいので狙いにくく下手すれば楯がついている 小銃では機関銃にかなわないのだ pic.twitter.com/NzW1M6G5S6
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
さらに火砲の性能も増した 射程が増え、また間接照準射撃が実用されるようになったことと、駐退復座器の実用化とともに野砲には小銃弾を防げる防楯がつくようになり、万一小銃と対決するようになっても火砲のほうが有利となった 小銃の重要性は急速に低下を始めた 軽機関銃という兵器も登場した pic.twitter.com/nsHGdNVLWn
拡大
拡大
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
日露戦争の時にはすでに軽機関銃は戦場にあった 日露戦争の後に日本も、ほかの国も軽機関銃の開発を急ぎ、自国の歩兵などに持たせようと苦心する 第1次大戦を境に軽機関銃は急速に進化した その結果小銃の役割はますます減じた 第1次大戦の後には機関銃破壊のための軽火砲や迫撃砲も歩兵に与えられる pic.twitter.com/CEpAVURHR9
拡大
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
小銃の役割が減ったどころか、2次大戦のころになるともはやそれはほとんど火力源とはならなくなった。白兵のための存在となったといっても過言でない 軽機関銃、狙撃兵擲弾筒。それが歩兵小隊の火力源であった (アメリカを除き)どこの国でも概ねそうなった 小銃はそのバックアップが役割となった pic.twitter.com/N8pmoHlLhr
拡大
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
第二次世界大戦の末期のころ、携行無反動砲などの登場によって「馬」の破壊もしなくてよくなった 遠くも撃たなくていい、人間だけ破壊できればいい そのように小銃の役割は減じた そしてそれに特化した小銃が登場した 突撃銃、というジャンルで呼ばれることがある新しい小銃の在り方の登場であった pic.twitter.com/A7XvPUfsoK
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
これは小銃の役割の変化と合わせて大きくハマったもので、今やどこの国でもこの種の小銃を運用するようになった 最近わが国で新式の小銃が登場したが、それももちろん突撃銃であった。その目的が人員の殺傷であったことは、現代の小銃の役割がそこにのみあるという現実を思い出すにちょうどいいだろう pic.twitter.com/vOivhRffkb
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
小銃の役割は小銃以外の兵器の近代化の進展によって徐々に減じてきた 昔は小銃は何でもできたし何でもやらねばならなかった いまはそれは近距離で人間だけを破壊すればいい そしてそれに特化した火器となった 今後小銃に何が求められるか 役割が増えるとは現状全く思われない しかし、今後の戦争に pic.twitter.com/nOY1T3GOHd
拡大
拡大
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
於いて兵の防弾装備がさらに発達すれば(私はそれに懐疑的であるが)、それを破壊するための強力な弾薬に回帰し得るとも考えるが、しかしそれは機関銃の強化で成り立つのではないかという疑問もある 小銃はもはや戦争を支配し得ない しかし、いま突撃銃はその限界に達しつつあるのも確かである pic.twitter.com/uGRGifWVwa
拡大
拡大
拡大
拡大
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万四百文字】 @C11katao
その限界は結局それが人間というプラットホームに依存するが故でもある 今後、パワードスーツのようなものが普及すればその限界は越えられるかもしれないが、それがいつなのか全くわからない 未来の戦争がどのようになって、小銃がどのように進化するだろうか 私には想像もつかない
残りを読む(1)

コメント

甘党猫が通りますよ @Future_Men 9日前
兵器については全くの門外漢だけど、面白かった。司馬遼太郎の『坂の上の雲』とか映画『二百三高地』『プライベート・ライアン』の印象が強くて「機関銃怖い」民だったが、これを見てその思いが一層強くなった。
のぶ @Type74Nobu 9日前
どんどん小口径・高速弾になって交戦距離が縮まってるねぇ
成田 英人㌠ @sheep_counter 8日前
そうね防弾装備次第ってのはあるよねー(6.8mm本当に必要なのか、とか
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする