ゴッホ、一枚しか絵が売れないで死に、半年後に唯一の支援者の弟が死ぬんで、どう考えてもそこで「終わり」なんだけど、生前関係がイマイチだった弟の奥さんが、下宿屋の女将さんやりながら意地になって絵を飾ったり、展覧会をやったりして徐々に「天才画家」が完成するんだよな。そこが一番熱い。
2019-12-29 13:16:56たぶん、生前のヨハンナは「ゴッホの絵」について、よう分からん以外の感想、無かったと思うんだよ。でも夫の死後は「ただひとつの夫の遺志であり遺産」になる。そのためだけに人生を賭けた女性がいて、「天才画家ゴッホ」が完成する。
2019-12-29 13:19:08ゴーガンら、生前夫が生活を支え、夫の兄とも親交があったような画家たちに協力を断られても、ヨハンナは諦めなかった。「変な絵の飾ってある下宿の女将」が天才画家ゴッホを作ったんだ。もしかさばるからと捨てていたら、誰もゴッホのことなんて覚えていない。
2019-12-29 13:23:56この、ヨハンナは、芸術でも、ゴッホ本人でもない、夫の画商としての才能と、意地にすべてを賭けた。自分の亡き夫は、ダメな兄貴に付き合っていたんじゃない、本物の天才に投資してたんだって、数十年かけて証明した。
2019-12-29 13:26:52@erizomu 生前は「天才」だからこそ持つ常人離れした個性が、周囲からは変人として受けとめられて、逆にそれが目眩ましになって評価を遅らせてしまうケースがあります。モーツァルトの妻であるコンスタンツェは、夫が生きてた頃は「天才性」に振り回されて頼りなかったが、死後になって夫の再評価に奔走します。
2019-12-29 16:09:41@SagamiNoriaki ゴッホ、グーピル商会の前経営者の甥で、後継者含みで画商やってた人なんですよね。「ジャニー喜多川の甥、アイドルデビュー!」みたいな状況で、なんで絵が売れないのか…よほど「死なないと表に出せない」人なのか…。
2019-12-29 13:40:53@erizomu 面白いですよね。ゴッホの話は芸術、美術に対する幾つかの問題点を内包していて、 ・評論家が評価しないと評価されない。 ・世間で評価されるためには背景の物語が必要になる という…身も蓋もない話ですが、これらは例えば江戸時代の名刀なんかもそうで、芸術とは何なのかを考えさせます。
2019-12-29 14:04:31@SagamiNoriaki 本当に面白いです。ゴッホについては、「たまたま本人とプロデューサーが数ヶ月の間に死んだけど、あと数年生きてれば普通に売れてた」説が強かったりして、私はそっちかなと思っています。活動期間が10年に満たない画家でもあるので、ピカソだって売れるまでにそれくらいかかってるぞと…。
2019-12-29 14:35:23バズっているので宣伝です。ゴッホの手紙はゴッホが名前を付けたヨハンナの一人息子、もう一人の「フィンセント・ファン・ゴッホ」が設立したゴッホ美術館に収められ英文仏文ならHPで無料で読めます。ヨハンナの手紙もありますので、外国語が得意な方はぜひ! ゴッホの手紙 vangoghletters.org/vg/letters.html
2019-12-29 17:08:15何度も書くけどゴッホが自殺する前に「俺はフランス外人部隊に入るから!もうお前の世話にならないから!」って弟に手紙で宣言するの、思わず笑っちゃうんだけど本当に悲しくなる。
2019-12-29 17:32:16@erizomu @hotter22 展覧会に行くたびにゴッホの手紙をまとめて読みたいと思っていたので情報ありがとうございます。 テオはフィンセントの手紙を大切に全部取っておいたそうですがフィンセントはテオの手紙を捨ててしまったのでテオの手紙のほうはあまり残っていないと聞きました(ソースはゴッホ展オーディオガイド)。
2019-12-29 18:06:16@20miglia @hotter22 おっしゃる通りで、ゴッホはテオの手紙を基本的に捨てています。返信に同じ紙を使っていたりしなければ残っていないようですね。書きかけや、取っておいた手紙は本人の死後テオが回収しています。ただこれも、テオの死後も取っておき、書簡集の形にして出版したのは結局ヨハンナなんです。
2019-12-29 18:25:26単純にwikipeの受け売りだが、ゴッホは画家として10年しか活動していなくて生前からポジティブな評論はあったということなので、「生前不遇で死後評価された」というストーリーに合わせて伝記が作られたという感じもしなくもない。北条早雲的な。 twitter.com/erizomu/status…
2019-12-29 18:46:57@kyslog 実際のところ、ゴッホは大規模画商の経営者の後継者として画商をしていた人なんで「ジャニー喜多川の甥がアイドルデビュー」みたいな状況です。コネで売ろうとして売れる前にプロデューサーごと死ななければ、数年内に売れていた説が有力説としてあります。
2019-12-29 18:53:30@erizomu 精神疾患説を採れば、自殺してしまったのと絵画史上の貢献(思い切った表現主義への転換)は表裏一体という感じもしますね……ムンクのようにそれが“実証”されている画家もいますし。
2019-12-29 18:58:02@kyslog ただ、残された手紙からは完全に経済的に追い詰められ、精神病に苦しんでいたところに、いきなり兄弟2人死んで、後ろ盾だった伯父も数年前に死んでるので、どう考えても「終わり」なのも間違いないんですよ。
2019-12-29 18:58:12@erizomu なるほど。「悲劇のサラブレッド」「最終的にバッドエンドになってしまったみにくいアヒルの子」というあたりなのかもしれませんね。
2019-12-29 19:01:57@kyslog はい。「やり手画商の甥で兄」として当時の画家が気を遣っていた部分もあり、かえって当時の画家としての評価が分かりにくいんですね。例えばゴーガンは生活費を全てゴッホの弟から出してもらったりしてる。この状況でゴッホを評価してるのは本心なのか?死後手のひらを返したのが本心?とか。
2019-12-29 19:07:24@erizomu なるほど、裏も表も興味深いですね。面白い話をお聞かせ下さってありがとうございます。ゴッホに俄然興味がわいてきました。
2019-12-29 19:10:44@erizomu 面白い。ゴッホについての映画は何本かあるけど、弟の嫁がゴッホが世間に認められるまで頑張る映画があってもいい気がする。
2019-12-29 19:08:55