2011/6/5 シンポジウム「震災・原発と新たな社会運動」

Shiro Yasuhara @shirotheworld

【まとめ26】このことから何が言いたいかというと、遷都ということである。岡本太郎がかつて「オバケ都市論」において、500メートル四方に首都機能をまとめよと提言し、三鷹市役所は「ラピュタ首都論」という浮遊する首都機能を提案をしている。

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【まとめ27】これらを踏まえて何が言えるかというと、もはや首都は東北地方に遷都するしかないだろう。そしてパワポでは、500メートル四方の中に国会や省庁などの機能を集約した首都が、菊の紋章をまとって東京湾から旅立つスライドになる（会場爆笑）。向かう先は福島第一原発沖。

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【まとめ28】そして、福島沖に浮遊する首都は落ち着き、パワポは次の一言で終わる。「これぞ男の心意気」（会場大爆笑）。この後、1968年、2008年、2011年の3つの時点を切り取って、それぞれ、「前衛運動の終わり」「市場主義システムが崩壊」「美術業界には対策なし」と発言。

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【まとめ29】磯崎新はまとめとして、自然を根拠にしない自律的発生論が求められる。つまり、自然を作り出すようなアイデアがアーキテクトには求められると、最後に言った。これで磯崎新のスピーチが終わり、一旦シンポジウムは休憩になる。次は、全員での討論となるわけだ。

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【まとめ30】休憩終了後、いとうせいこうの仕切りで討論が始まる。まず、山口二郎がデモは国会や政党に、このまま放置していてはマズい、政権が持たないという空気を作り出したことで意味があると評価する。そして、基調スピーチでも言及していた統計的国民のあやうさに触れる。

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【まとめ31】それを受けて柄谷行人が言う。国民主権とは量子力学的なもので、確率の問題である。今日の国民と明日の国民は違うんだよ。だから、確率論など言ってないで、一歩歩くということが民主主義の根本であるのだからデモへ行こう、と。それは理由ではないんだよ。

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【まとめ32】オレがデモをすると何か言うヤツがいるが、オレはそれについては何も語らない。そもそもオレに何かを言えるヤツはいない。オレを上回るヤツはいない。知的にオレを上回るヤツは日本にはいない(会場大爆笑)。脱原発は、原発だけでは終わらない。脱するべきはシステムである。

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【まとめ33】原発を可能にしたシステムの脱構築こそが、必要なのである。それは資本主義そのものであり、決して簡単ではないけど、必ず可能だと思う。この山口、柄谷の発言の流れに対して磯崎より質問がでる。

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【まとめ34】運動やユートピアという言葉をなぜ使うのか？それは近代（モダン）の言葉であり、それを使うことで40年前に逆戻りしないのか？私はアーキテクトは何かプランを立てて（仕掛けて）、世を変えようとするモノたちだと思う。例えば、ビンラディンやオバマやムラヴィッチなど。

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【まとめ35】すかさず、柄谷が反論する。オレはアーティストなんだ（会場笑い）。そこで大澤が磯崎にアーティスト／アーキテクトが作品を作ることと今の状況がどう繋がっているいるのか？と問う。そこに柄谷が割って入る。まず原発を止めることが大切なんだよと。

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【まとめ36】対案を出す必要はない。対案を出せという議論にのることは原発推進の論理にのるのと同じことだ。単に止めればいいんだよ。その後のことは、それから考えればいい。磯崎の言うアーキテクトになる必要はない、と。そして、311以前として忘れられている問題を出す。

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【まとめ37】つまり、311以前の問題とは、経済危機の問題であった。今は経済復興という名のもとで経済危機を忘れているが、地震がある前から日本経済はダメだったんだ。地震のせいではない。もともとダメなんだ。そのダメにした主体は構造＝システムである。それを脱構築するんだ、と。

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【まとめ38】この柄谷の発言を受けて大澤が、対案を出せという議論は、エアコンを選ぶか、子供を選ぶかの偽ソフィーの選択問題に対して、エアコンの変わりをどうするんだ？という議論のようなものだ。まず、エアコンを止めて（現実を見て）、それから想像力を働かせるんだ。

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【まとめ39】最後に柄谷が言う。未来や過去の他者と現在のわれわれは非対称な関係であらざるを得ない。将来の他者のためにと思って何かをしても感謝されない。未来のためだと思ってやっちゃいけないんだ。自分のためにやるんだ。それが、カントの言う他者と自由という問題なんだよ。

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【まとめ40】ここで、いとうせいこうが会場に来ている奥泉光、丸川哲史、岡崎乾二郎、浅田彰に一言づつくださいと振る。奥泉と丸川の言っていたことは忘れたけど、おかざきさんが面白いことを言っていた。曰く、大澤さんの偽ソフィーの選択問題で、実は我々は選ぶ側ではなく、選ばれているんだ、と。

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【まとめ41】われわれは放射能に選ばれる側にいるから、例えば京都にいるから安全で、東京は危ないとかは言えない。なぜなら被ばくは確率論的な問題で、自分自身で自分を守ろうとしてもどうにもならない。確率論的他者は他人であるだけではなく、自分の中にいるのだ。

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【まとめ42】そこで、とりうる対応策は、放射能に対して放射能的に抗うことしかない。また、磯崎さんに対して運動をやっている時、アーキテクトは建築家として認められないですよね、と茶々を入れていた。おかざきさんには、放射能的に抗うとはどういうことかもう少し聞いてみたい。

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【まとめ43】そして浅田氏が、シンポジウム中に、ただ一人立ち上がって全員の視線を引き受けながらブリリアント過ぎてまとめようのない、新しい社会運動について意見をした。骨子はドイツで緑の党が出てきた背景を説明し、その根本には反核・反原発があるという指摘。

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【まとめ44】いよいよ、最後のまとめで柄谷氏が、現在、原発問題によって国家とネーションの違いが露呈した。ナショナリストは激怒するべきだが黙ってしまった。国会にはナショナリストはいない。いるのは国家主義者だけだ。国家主義者は国を守り人は守らない。

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【まとめ45】東電＝国家を守ると言っているのは東電の人で、彼らは「とーでんのことをした」というダジャレをいとうさんに顰蹙を買いながら述べた。山口氏は、現状の反原発を1億総懺悔で終わらせてはいけない。責任の所在ははっきりさせるべきで、次政権の言動を見極めたい、と。

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【まとめ46】そして磯崎氏が最初に定義しなかったアーティスト／アーキテクトの定義を披露して終わる。曰く、アーティストは、今というものを今として記録する、作品として示すことをする存在であり、未来の他者と語る必要はない。

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【まとめ47】それに対して、プログラムを書き換えるのがアーキテクトであるから、建築家に限らず、われわれの中には等しくアーキテクトという要素が含まれている、と。

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【まとめ48】以上で、『震災・原発と新たな社会運動』まとめ終了。読んだ人は分かると思いますが、途中で気力が萎えていますｗ このまとめは私がメモしたものをまとめたもので、各発言者には何ら責任はなく、文責は全て私にあります。間違い、訂正、不明な点は私まで（了）。