西田豊明会長 @ 第25回人工知能学会全国大会
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1970年代は知識の表現と利用に重点が置かれるとともに,知識ベースシステムがはじめて実用域に達した.
2011-05-29 17:22:31知的探索,制約充足,知識表現と推論,オントロジー,プランニング,不確実性推論,機械学習,進化システムといったパラダイムが生み出されてきた.
2011-05-29 17:23:19A*, 制約伝播法,導出法,ベイジアンネット, Q-learning, SVM, Apriori,決定木,遺伝アルゴリズムなどの エレガントで強力なアルゴリズムがつくられた.
2011-05-29 17:23:26DeepBlue, Watson, The Mars Exploration Rovers などそれぞれの時代でインパクトのあるシステムを生み出された.
2011-05-29 17:23:35人工知能研究を情報通信研究と比べてみると,貧弱なコンピュータしかなかった黎明期の1960年代以前に,機械学習などの重要なアイデアが提出され,プロトタイプが作られていることに改めて驚かされる.
2011-05-29 17:32:31学会関係では,1947年にACM, 1960年に情報処理学会,1963年にIEEE,1979年にAAAIが設立された.
2011-05-29 17:35:33ただし,IEEEは1884年に設立されたAmerican Institute of Electrical Engineers (AIEE)と1912年に設立されたThe Institute of Radio Engineers (IRE)が合併してできたものであることに注意.
2011-05-29 17:38:48人工知能学会創刊号に掲載されている初代会長福村晃夫先生の巻頭言では,「あらゆる面で,人が生きるための手段を作り出す」知能を内包する心の学問に,コンピュータによる実証性と具体性が与えられて出現したものが人工知能研究であるとされている.
2011-05-29 17:41:05討論をするうえで,大震災前後で研究という行為に対する社会/研究者自身の考え方が大きく変化したことを指摘したい.
2011-05-29 17:49:07「科学立国」,「知識立国」という言葉に代表されるように,研究がもたらしえる社会への貢献が強調され,財をもたらす源となる知のハンターとしての研究者コミュニティを強化し,応援しようというスタンスが基調であったように思われる.
2011-05-29 17:57:23学術研究振興の言説の背後には,学術を行うこと自体が重要なプロセスであるといった手放しの研究奨励の声すらあったように思われる.
2011-05-29 17:59:19こうした背景のもと,学会の役割も,たとえば,「…研究の進展と知識の普及を図り,もって学術の発展に寄与する.」(人工知能学会定款第4条)といった具合に規定されていた. http://bit.ly/iDVvaP
2011-05-29 18:01:21いまや,研究をするという行為自体が,大量の電力を消費したり,研究費を費やしたりするという形で,社会に一定の負荷をかけているということをはっきりと意識しなければならなくなっている.
2011-05-29 18:04:34興味に駆られて自由に思考を巡らせ,新しいもの ― コンセプト,言説,理論,システム,解釈 ― を生み出すことは研究の基本.
2011-05-29 18:06:56創造に,喜びとロマンを感じることを生きがいとすることが研究者の人生の基調であることも変わらないだろう.
2011-05-29 18:09:49自分の活動を自力で行う分については,社会はそれほど変化していないだろう.むしろ,そうした自由は,(境界的な領域ではまだまだ議論があるとしても)反社会的・反倫理的でない限り,保障されるようになってきた.
2011-05-29 18:17:41