ドリームキャッチャー・ディジタル・リコン#9

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆◆◆◆◆◆◆◆

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ドリームキャッチャー・ディジタル・リコン】#9 pic.twitter.com/pq0r5vms5q

拡大

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ウォーマスターの爆発四散は、進撃の高揚に冷水を浴びせかけるが如き一撃であった。「スウー……フウーッ……」ニンジャスレイヤーは肩を揺らし、前傾姿勢で呼吸を繰り返した。ひとたびニンジャスレイヤーを飛び越したクロスファイアは馬首を返し、ガン・スピンからの銃撃を行う。BLAMBLAMN！　1

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは銃弾を躱し、滑るように走り込む。クロスファイアの付近に潜んでいたカラテナキウサギがヤリで襲いかかる。彼は迎撃を強いられる。BLAM！BLAMN！「イイイイヤアアーッ！」ニンジャスレイヤーは飛びかかる！「イヤーッ！」KRAAASH！レベリングの大鎚攻撃！　2

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ！」ニンジャスレイヤーは打撃を受け、横飛びに飛ばされて、小屋の石壁に衝突した。KRAAAASH！「ワンワー！」「ワンワオー！」稲穂の狭間からカラテクズリが飛び出しては引っ込む。「ヌウウウオオオオーッ！」レベリングは近視眼的な怒りに駆られ、それらを叩き潰そうと大鎚を振り下ろす！ 3

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ワンワー！」カラテクズリが飛び出し、引っ込む！「ワンワー！」カラテナキウサギが飛び出し、引っ込む！「ワンワー！」カラテプレーリードッグが飛び出し、引っ込む！「ワンワー！」「イヤーッ！」「アバーッ！」ナムアミダブツ！レベリングはカラテビーストを攻撃しながら徐々に進行……！　4

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

すると、「AAAARGH！」レベリングの馬が叫び声をあげ、横倒しになった。危険なトラバサミに肢がかかったのだ。倒れた先には非人道兵器マキビシが埋め込まれている。「アバーッ！」「グワーッ！」レベリングは落馬し、自重に苦しんだ。「ワンワーッ！」手近のカラテビーストが追い打ちをかける！　5

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「この！不浄のインターネット知性に堕落したカラテビースト肉どもがーッ！」レベリングは襲いかかる獣を掴み、かち合わせ、殴り飛ばす。クロスファイアも同様、襲い来るカラテビーストに邪魔をされ、ニンジャスレイヤーに決定的な攻撃を行う事ができない。BRRRTTTT！ミニガン掃射までしてくる獣だ！ 6

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

砕けた小屋の残骸で、ニンジャスレイヤーは身じろぎした。衝突の瞬間、咄嗟に彼は大槌を殴り返し、カラテを相殺してダメージを弱めた。それでもすぐには立ち上がれぬほどの威力だった。『感謝する、ニンジャスレイヤー＝サン』彼のニューロンに届いたのはドリームキャッチャーの声だ。　7

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『君はさきの時点で我らを見捨てて逃げる事もできたのではないか。それを……』（それでは約束の半分だ）ニンジャスレイヤーは手をついて立ち上がった。（逃げるべき連中を逃がす）『……ああ。そうだ。おかげで計画そのものは今のところ滞りなし。獣たちは引き続き君の援護をする』　8

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BLAMBLAM！「アバーッ！」クロスファイアは撃ち返し、ミニガン掃射カラテウッドチャックの眉間を撃ち抜く。（獣を下がらせろ）ニンジャスレイヤーが念じた。（ニンジャには敵わんぞ）『いや、彼らとてここが正念場だ』ドリームキャッチャーは答えた。『私同様、彼らも、友と、この地の証の為に戦う』 9

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チィーッ！」クロスファイアはマキビシとトラバサミを馬に避けさせつつ、銃のリロードを行う。統制の取れた獣たちは思いもよらぬ驚異。ジョウゴ親王の兵団はウォーマスターを失って浮足立っている。殺せたリコナーの数は思いの外少ない。（……撤退戦か？）そのとき、水晶アミュレットの通信あり！10

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

（一度さがれ。クロスファイア＝サン。レベリング＝サンもだ）ファーネイスだった。（ジョウゴ親王が巨兵を動かす。上空のカムフラージュは消えた）「……」振り仰ぐと、たしかにカイト偵察兵が見える。（ついては、雑兵を慮る必要はなくなった）「……ナウジア＝サンのジツか」（そういう事だ！）　11

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「レベリング＝サン！一雨くるぞ！」「否ッ！敵は一歩すぐ前也！」レベリングは拒否した。「お前は俺の目を贖えはすまい。それができるのはニンジャスレイヤー肉よ！目と鼻の先だ！今こそ必殺の機！」「勝手にするがいい」クロスファイアは即座に見切りをつけた。レベリングは実際それで平気な男だ。12

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」KRAAASH！レベリングは死んだ馬を踏み越え、損壊した家屋に突き進むと、建物ごとニンジャスレイヤーを槌で叩き潰しにかかる！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは転がって回避！クロスファイアは彼らを背後に全速力で馬を走らせる！雨が……振り始めた！　13

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

上空のカイトが慎重に脇に逸れた。空を紫の雨雲が染めると、「グワーッ！」「アバーッ！？」ゲニン槍兵の悲鳴が聞こえ始めた。「ワンワーッ！？」「ワンワ……」衰弱し、倒れてゆくカラテビースト達。「フシューッ……！」睨み合うレベリングとニンジャスレイヤー。彼は廃屋に後退する。雨は危険だ。14

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「惰弱肉！」レベリングは頭上で大鎚を振り回した。彼の巨大な背中には雨が叩きつけるように当たり、蒸気を立ち上らせている。「毒雨など真のニンジャはスシの１つ２つ食えば跳ね返せるわ！気合の問題だ。貴様には気合がない！肉だからだ！イヤーッ！」KRAAASH！廃屋の柱を槌で破壊！倒壊！　15

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チイッ……！」ニンジャスレイヤーは雨の中に転がり出た。路傍の雑草がみるみる捻じ曲がり、しおれてゆく中、彼はレベリングめがけ一直線に踏み込む。「イヤーッ！」KRAASH！「イヤーッ！」KRAASH！ワン・インチに達する！ビッグニンジャの巨体が多少の雨除けだ！ニンジャスレイヤーは睨み上げる！16

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウッ！」レベリングはニンジャスレイヤーを探す。ニンジャスレイヤーは片目の死角に移動し、僅かな機先を制した。彼はレベリングの腹を連続で殴り始めた！「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」「グワーッ！……オゴーッ！」怯むレベリング！その膝を蹴り、ニンジャスレイヤーは跳ぶ！　17

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

雨がニンジャスレイヤーに降りかかる！彼は歯を食いしばり、その目を赤黒く滾らせた。「イイイイ……イヤーッ！」「グワーッ！」ナムアミダブツ！ニンジャスレイヤーはレベリングのもう一方の目にチョップ突きを突き刺し、深く、深くえぐり込んだ！「アババーッ！」レベリングは慟哭！　18

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「見、見えん……！だが、だが、もはや！」レベリングは突き刺さる憎い腕を感じながら、譫言を吐いた。「雨だ！貴様は雨から逃れる事はできんぞニンジャスレイヤー＝サン！俺が、アバッ！地ならしを済ませておるぞ！貴様は……」雨が……止んだ。　19

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その理由を示すには、ナウジアに読者諸氏のニンジャ千里眼を向けていただく他なし。彼はそのとき、体内で溶かした生ガエルにかわる新たな一匹を懐袋から取り出し、生きたまま呑み込んだところだった。……「グワーッ！？」ナウジアは身悶えを始めた。腹が波打ち、彼は両目から出血を始めた！　20

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナウジアはファーネイスからも離れ、谷の外周崖沿いに馬を駆っていた。彼は首をかきむしり、目を飛び出さんばかりに見開いて落馬した。「……」付近のヤグラで、影が動いた。それはこめかみに指を当て極度集中するサブジュゲイターであった。「……！」彼の目からは人ならぬ色彩の血が流れている。　21

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドクン。ドクン。ドクン。その鼓動音はサブジュゲイター自身の心臓か。あるいはナウジアのものか。それとも……。「……！」サブジュゲイターは眉間に皺を寄せ、なお強く集中した。彼はナウジアの肉体内のカエルの生命にフォーカスした。のたうち回るナウジアの体内に、輪郭が光って見えるほどに！　22

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カラテ化されぬ自然生命であれば……バイオカエルでなくとも多少のヨロシ遺伝子汚染は含むものだ。哺乳類等の複雑な動物であればこの芸当は不可能。カエルは小さく、弱く、サブジュゲイターが全神経全ジツの力を向ければ……操作が……可能！「アババーッ！」カエルはナウジアの胃壁を食い荒らす！　23