埼玉県『男女共同参画の視点から考える表現ガイド』の研究(2)':2つの『ガイド』の比較検討

埼玉県の表現ガイドについての個人的研究(2)、からの派生。 2003年版と2018年版との比較を詳しく取り上げ、変更された理由について簡単にコメントを付記する。 「ほとんど変わってねえな」という結論に落ち着きますので、検証過程の詳細を確認したい暇な人向け。 ※2020/2/25 おおむね執筆終了
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《2003年版》

民間メディアでは、自主的基準として、性別、職業、身分、地位・・・・・・(略)・・・・・・について差別の観念を表わす言葉、言い回しは当事者にとって重大な侮辱、精神的な苦痛、あるいは差別、いじめにつながるので使用しないとしています。性差別に関しては、女性を特別視する表現や、男性側に対語のない女性表現は原則として使わないこととしています。

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《2018年版》 ※変更箇所は青字

民間メディアの自主的基準には「性別、職業、身分、地位、境遇・・・・・・(略)・・・・・・について、差別の観念を表わす言葉、言い回しは使わない。使う側に差別意識がなくても、当事者にとって重大な侮辱、精神的な苦痛、あるいは差別、いじめにつながることがある。使われた側の立場になって考えることが重要だ。」とあります。
また、
性差別に関しては、女性を特別視する表現や、男性側に対語のない女性表現は原則として使わない。性別を理由とした社会的、制度的な差別につながらないよう注意する。」としています。

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<変更理由についての私見>
 《2003年版》でも共同通信社『記者ハンドブック』の記述をもとに民間の事例を紹介していたが、『記者ハンドブック』の記述を再構成したつくりになっており、原文での記述が不明確であった。
 今回の変更は、鍵カッコを用いて『記者ハンドブック』からの引用箇所を明示する主旨だと推察される。