岩田医師がダイヤモンドプリンセス号における厚労省の失態を全世界に告発「ものすごい悲惨な状態」「アフリカや中国なんかに比べ全然ひどい」

「日本にCDC(疾病予防管理センター)がないとはいえ、まさかここまでひどいとは思っていなかった」
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まとめ COVID-19製造機と化したダイヤモンド・プリンセスの告発に対する著名人の反応 右も左も関係ない、勇気ある告発への称賛の声。 4608 pv 4
まとめ 【新型肺炎】「レッドゾーンとグリーンゾーンがぐちゃぐちゃ」との指摘に対して、菅氏「イエスかノーで答えることはできない」 菅氏は19日の会見で、「(ダイヤモンド・プリンセス内が)レッドゾーンとグリーンゾーンがぐちゃぐちゃ」との指摘に対して、「イエスかノーで答えることはできない」と回答。 4303 pv 16
岩田健太郎 K Iwata @georgebest1969

ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機。なぜ船に入って一日で追い出されたのか。 youtu.be/W3X3RSmf7ds @YouTubeさんから ダイヤモンド・プリンセスに入りましたが、何者かによって1日で追い出されました。感染対策は飛散な状態で、アフリカのそれより悪く、感

2020-02-18 21:18:48
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岩田健太郎 K Iwata @georgebest1969

@YouTube いくらCDCがないとはいえ、もうすこしマシかと思っていました。気を失いそうになるくらい愕然とし、20年以上の医者人生でこれくらい自分の感染リスクを強烈に感じたことはありません。アフリカのエボラ対策でも北京でSARSに立ち向かってたときもここまで恐くはありませんでした。DMAT気の毒です。

2020-02-18 21:23:00
岩田健太郎 K Iwata @georgebest1969

@YouTube ちなみに、ぼくを招聘しようと働きかけた官僚の将来が危惧されるぞ、という警告を受けました。それは筋違いです。招聘したのが悪いのではなく、勝手に追い出したどこかの偉い人が悪い。厚労省や内閣はフェアな人事を。

2020-02-18 23:10:04
岩田健太郎 K Iwata @georgebest1969

@YouTube ちなみに咳してたのは1日水飲んでなくて喉からからだったから(笑)。中ではみんないろいろ飲み食いしてましたが、ぼくはとても触れませんでした。

2020-02-19 06:19:17

一部抜粋

 それはもうひどいものでした。もうこの仕事を20年以上やっていてですね、アフリカのエボラ(出血熱)とか中国のSARSとか、いろんな感染症と立ち向かってきました。もちろん身の危険も感じることも多々あったのですが、自分が感染症にかかる恐怖っていうのはそんなに感じたことはないです。

 どうしてかというと、僕はプロなので自分がエボラにかからない方法、自分がSARSにかからない方法というのは知ってるわけです。あるいは他の人をエボラにしない、他の人をSARSにしない方法とか、施設の中でどういう風にすれば感染がさらに広がらないかということも熟知しているからです。それが分かっているから、ど真ん中にいても怖くない。アフリカにいても中国にいても怖くなかったわけですが、ダイヤモンドプリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から「怖い」と思いました。「これはもうCOVID-19に感染してもしょうがないんじゃないか」と本気で思いました。

レッドゾーンとグリーンゾーンと言うのですが、ウイルスが全くない安全なゾーンと、ウイルスがいるかもしれない危ないゾーンというのをきちっと分けて、そしてレッドゾーンでは完全にPPEという防護服をつけ、グリーンゾーンでは何もしなくていいと。こういう風にきちっと区別することによって、ウイルスから身を守るっていうのは我々の世界の鉄則なんです。

 ところがダイヤモンドプリンセスの中はですね、グリーンもレッドもぐちゃぐちゃになっていて、どこが危なくて、どこが危なくないのか全く区別がつかない。どこにウイルスが……ウイルスって目に見えないですから、完全なそういう区分けをすることで初めて自分の身を守れるのですが、もうどこの手すりとどこのじゅうたん、どこにウイルスがいるのかさっぱり分からない状態で、いろんな人がアドホック(限定的)にPPEをつけてみたり、手袋をはめてみたり、マスクをつけてみたり、つけなかったりするわけです。で、クルーの方もN95(マスク)をつけてみたり、つけなかったり。あるいは熱のある方がですね。自分の部屋から歩いていって、医務室に行ったりするというのが、通常で行われているということです。

 私が聞いた限りでは、DMATの職員、それから厚労省の方、検疫機関の方がPCR陽性になったという話を聞いていたのですが、「それはもうむべなるかな」と思いました。

 中の方に聞いたら、「いやー、我々もう自分たちが感染するものと思ってますよ」という風に言われて、びっくりしたわけです。

 どうしてかというと、我々がこういう感染症のミッションに出るときは必ず自分たち、医療従事者の身を守るというのが大前提で、自分たちの感染のリスクをほったらかしにして、患者さんとか一般の方々に立ち向かうのはご法度、ルール違反なわけです。

 環境感染学会やFETPが入って数日で出ていったという話を聞いた時に、「どうしてだろう」と思ったのですが、中の方は「自分たちが感染するのが怖かったんじゃない」という風におっしゃっていた人もいたのですが、それは気持ちはよく分かります。

 なぜなら感染症のプロだったら、あんな環境にいたら、ものすごく怖くてしょうがないからです。で、僕も怖かったです。もうこれは感染……今、某ちょっと言えない部屋にいますけど、自分自身も隔離して、診療も休んで、家族とも会わずに、やばいんじゃないかと個人的にもすごく思っています。

 今、私がCOVID-19、ウイルスの感染を起こしていても全く不思議はない。どんなにPPEとかですね、手袋とかあってもですね、安全と安全じゃないところというのをちゃんと区別できていないと、そんなもの何の役にも立たないんですね。レッドゾーンでだけPPEをきちっとつけて、それを安全に脱ぐということを順守して初めて、自らの安全を守れる。自らの安全が保障できない時、他の人の安全なんか守れない。

 もう今日は藤田医科大学の人を送ったり、搬送したりというのを、みなさんすごく忙しくしていたのですが、そうすると研究所の方と一緒に歩いていて、ふっと患者さんとすれ違ったりするんです。「今、患者さんとすれ違っちゃう」と、笑顔で検疫所の職員の方が言ってるんですね。この我々的には超非常識なことを平気でみなさんやっていて、みんなそれについて何も思っていないと。

 聞いたら、そもそも常駐しているプロの感染対策の専門家が一人もいない。時々いらっしゃる方がいるのですが、彼らも結局「ヤバいな」と思っているのですが、誰も進言できない。進言しても聞いてもらえない。やっているのは厚労省の官僚たちで、私も厚労省のトップの方に相談しました、話をしましたけど、ものすごく嫌な顔をされました。聞く耳持つ気ないと。「何でお前こんなとこにいるんだ」「何でお前がそんなこと言うんだ」みたいな感じで、知らん顔するということです。非常に冷たい態度をとられました。

 DMATの方にも「そのようなことで夕方のカンファレンスで何か提言申し上げてもよろしいですか」と聞いて、「いいですよ」という話をしていたのですが、突如として夕方5時ぐらいに電話がかかってきて、「お前は出ていきなさい」と。「検疫の許可は与えない」と。

 臨時の検疫官として入っていたのですが、その許可を取り消すということで、資格をとられて、研究所の方に連れられて、当初電話をくれた厚労省にいる人に会って、「何でDMATの下でDMATの仕事をしなかったんだ」と。「感染管理の仕事をするなと言ったじゃないか」と言われました。「DMATの方にそもそも感染管理してくれと言われたんですよ」と話をしたのですが、「とにかく岩田に対してすごくムカついた人がいる」と。「誰とは言えないけどムカついた」と。「だから、もうお前は出ていくしかないんだ」という話をしました。

 「でも、僕がいなくなったら、今度感染対策をするプロが一人もいなくなっちゃいますよ」という話をしたのですが、「それは構わないんですか」と聞いたんです。それからこのままだともっと何百人という感染者が起きて、DMATの方を責める気はさらさらなくて、あの方々はまったく感染のプロではないですから、どうも環境感染学会の方が入った時にいろいろ言われて、DMATの方が感染のプロたちにすごく嫌な思いをしていたらしいんですね。それは「申しわけないな」と思うのですが、別に「彼らが悪い」と全然思わない。専門領域が違いますから。

 しかしながら、彼ら(DMAT)が実はリスクの状態にいるわけです。自分たちが感染するという。それを防ぐこともできるわけです。方法はちゃんとありますから。ところがその方法すら知らされずに、自分たちをリスク下に置いている、と。そして、そのチャンスを奪い取ってしまうという状態です。

 彼らは医療従事者ですから、帰ると自分たちの病院で仕事するわけで、今度はそこからまた院内感染が広がってしまいかねない。で、もうこれは大変なことで、アフリカや中国なんかに比べると全然ひどい感染対策をしている。シエラレオネなんかの方がよっぽどましでした。

 日本にCDC(疾病予防管理センター)がないとはいえ、まさかここまでひどいとは思ってなくて、もうちょっと専門家が入って、専門家が責任を取って、リーダーシップをとって、ちゃんと感染対策についてのルールを決めて、やってるんだろうと思ったのですが、まったくそんなことはないわけです。とんでもないことなわけです。

 これつたない英語でも収録させていただきましたが(https://www.youtube.com/watch?v=vtHYZkLuKcI)、とにかく多くの方にダイヤモンドプリンセスで起きていることというのを、ちゃんと知っていただきたいと思います。で、できるならば学術界とかあるいは国際的な団体たちに日本に変わるようにうながしていただきたいと思います。彼らは残念ながら……

(携帯の呼び出し音でいったん中断)

 編集が下手で、ちょっと変なつながりになったと思いますが、考えてみると、2003年のSARSの時に僕も北京にいて、すごく大変だったのですが、特に大変だったのは中国が情報公開を十分してくれなかったというのがすごくつらくて、何が起きてるのかよく分からないというので、北京にいて本当に怖かったんです。

 でも、その時ですらもうちょっときちっと情報は入ってきたし、少なくとも対策の仕方は明確で、自分自身が感染するリスク、SARSは死亡率10%で怖かったですけども、しかしながら今回のCOVID-19、少なくともダイヤモンドプリンセスの中のカオスな状態よりははるかに楽でした。

 で、思い出していただきたいのは、COVID-19が中国の武漢で流行りだしたときに、警鐘を鳴らしたドクターがソーシャルネットワークを使って、「これはやばい」ということを勇気を持って言ったわけです。昔の中国だったら、ああいうメッセージが外に出るのは絶対許さなかったはずですが、中国は今、BBCのニュースなんかを聞くと、オープンネスとトランスペアレンスを大事にしているとアピールしています。

※参照記事:「新型ウイルス、早期警鐘の中国人医師が死亡 自身も感染(BBCニュース)」(https://www.bbc.com/japanese/51409970

 それがどこまで正しいのか、僕は知りませんけど、少なくとも「透明性があること、情報公開をちゃんとやることが国際的な信用を勝ち得る上で大事なんだ」ということは理解しているらしい。中国は世界の大国になろうとしていますから、そこをしっかりやろうとしている。

 ところが日本は、ダイヤモンドプリンセンスの中で起きていることは全然情報を出していない。それから、院内感染が起きているかどうかは、発熱のオンセット(発症日時)をちゃんと記録して、それからカーブを作っていくという統計手法、エピカーブというのがあるのですが、そのデータを全然とっていないということを今日、教えてもらいました。PCRの検査をした日をカウントしても感染の状態は分からないわけです。

 このことも実は厚労省の方にすでに申し上げていたのですが、何日も前に。全然されていないということで、要は院内の感染がどんどん起きていても、それにまったく気づかなければ、気付いてもいないわけで対応すらできない。で、専門家もいないと。ぐちゃぐちゃな状態になったままでいるわけです。

 このことを日本のみなさん、あるいは世界のみなさんが知らぬままになっていて、特に外国のみなさんなんかはそうやって、悪いマネージメントでずっとクルーズ船なんかで感染のリスクに耐えなきゃいけなかったということですね。

 やはりそれは日本の失敗なわけですが、それを隠すともっと失敗なわけです。確かにまずい対応であるとバレるということは恥ずかしいことかもしれないですけど、これを隠蔽するともっと恥ずかしいわけです。やはり情報公開は大事なんですね。誰も情報公開しない以上はここでやるしかないわけです。

 ぜひこの悲惨な現実を知っていただきたいということと、ダイヤモンドプリンセンスの中の方々、それからDMATやDPAT(災害派遣精神医療チーム)や厚労省の方々がですね。あるいは検疫所の方がもっとちゃんとプロフェッショナルのプロテクションを受けて、安全に仕事ができるように、「彼ら本当にお気の毒でした」ということで、「まったく役に立てなくて非常に申しわけないな」という思いと、僕の大きな問題意識をみなさんと共有したくて、この動画をあげさせていただきました。岩田健太郎でした。

https://anond.hatelabo.jp/20200219050922

反応

おにぎり @ZFecEE62o71s2Su

@georgebest1969 @YouTube 乗船中のクルーです。YouTubeを見て、自分の恐いと思った感情が正しかったかと安心して涙が出ました。この環境にいることそして検疫後に陰性で下船したとして、祖母に会いに行っても大丈夫なんだろうかと一番の心配です。助けてください。

2020-02-19 03:18:12
sgwrtks @sgwrtks1

@georgebest1969 @YouTube 地方の勤務医です。慄然とする告発、ありがとうございます。covid-19は人間の本質を過酷なまでに炙り出しますね。私は地元の自治体に横断会議を呼びかけました。

2020-02-19 00:44:13
ひよこと猫@ハポン @softlanding_

@georgebest1969 @YouTube なるほど。感染や疫学の専門家も入れず、適切な対応もせず、誰かのイエスマンだけ入れて、都合の悪い事は隠しているのですかね。 冗談かと思ってたけど、危機管理能力なさ過ぎなんですね。。これほどとは。。培養してるとか、人体実験とか言われても仕方ないレベルなのか。

2020-02-18 23:20:39
カメ1 @tk20120131

@georgebest1969 @YouTube 岩田先生 お疲れ様でした。船内のアフリカ以下の様子と意見もろくに聞かず追い出されたこと怒りに耐えません。中世のペスと感染を隠す町のような話にゾッとしています。中の乗客が相当心配です。船内では体調も悪くなり、ウイルス増殖するだけと思ってましたが想像以上です。

2020-02-18 22:40:46
A @A91626890

@georgebest1969 @YouTube 厚労省HPの、幹部の名簿に専門家らしい人を探せず、結核感染症課長の専門が消化器外科らしい事を見つけ、トップは本当に素人ではと思っていました。 しかし、中で飲み食いは信じられない。

2020-02-19 07:07:22
@kei_RRRmuzic

@georgebest1969 @YouTube そもそも、【入っていいよ】ではなく【すみませんが早急に入って頂けませんか。】だと思います。なぜこの陰湿な隠蔽体質はなくならないのだろう。

2020-02-19 07:10:56
はぴちゃん @happychaaaaan

@kei_RRRmuzic @georgebest1969 @YouTube 世の中には、そういうくだらない領地争いのような事を、自分のエゴでやる人がいます。 その結果がこの未曾有の事態です。 日本のこの半世紀くらいの感染症の歴史でも、最悪の状況と思います。

2020-02-19 07:18:06
Gemini @jemini71722106

@georgebest1969 @YouTube 重く受け止めました 勇気ある先生の行動に敬意を評しますとともに貴重な情報提供に感謝申し上げます。

2020-02-19 07:50:36
ayumuphoto @ayumuphotobook

@georgebest1969 拝見しました。物凄く大切な情報ありがとうございます。 検疫官やDMATの人が感染してる事態に違和感を持っていましたが、理解できました。この状態では手のつけようがないですよね?

2020-02-18 22:22:14
Vonj@1335 @tadano_ossan201

@georgebest1969 @YouTube 岩田先生ありがとうございます。正直なところ多少想像はしていましたが、信じたくない内容でした。しかしながら医療従事者であるないに関わらず日本で生活する全ての人が知っておくべき現状だと思います。先生が感染されていませんことを祈っております。

2020-02-18 22:44:20
kittykatneko @kittykatneko

@georgebest1969 @YouTube ダイアモンドプリンセス号の中が想像以上の劣悪な環境になっていたとは…権力からの圧力で、乗客も乗客をケアする人達も危険にさらされているこの真実が余りにも衝撃的で…皆さんのお身体が心配ですし、先生のお身体や立場も心配ですが…真実が知れたのは良かったです。心から感謝します!

2020-02-18 22:50:56
いらないちゃぁ @miyaginobeya

@georgebest1969 @YouTube 厚生省のやっていることに透明性があるかどうか。それを試すのは簡単だ。つまり、この発信に対して責任を持って反論すればいいだけのことだ。世界に試されている。至急、厚生省は対応せよ。

2020-02-18 22:13:46
ぱくちい🍀 @mea2525

@georgebest1969 @YouTube DMATは災害対応の為に召集されるので今回は感染症対策に長けたトップが必要でしたね。 和歌山の消防隊員がDMATとして活動し新幹線で移動、感染が発覚しました。 勇気ある行動とレポートは今後の指標になると思います。 ありがとうございます。 ご苦労様でした。

2020-02-18 22:46:39
megu @i_me9u

@georgebest1969 @YouTube 命がけの告発、全力で応援したいです。素人なので何もできないけど。岩田先生じゃなかったら、きっと告発できなかった。行動力と決断力、尊敬します。先生を信じてて良かった。

2020-02-18 22:06:02
ACTいち @LC0o5tsjMTjwPKY

@georgebest1969 @YouTube 私も同じ業界ですが、緊急事態においても上層部の面子や事情で、専門家をいれないなど、日本の官僚体質に嫌気が指しております。隠蔽体質は中国より根深いのではとさえ思います。迅速に専門家をいれ合理性を持った対応をするべきです。 勇気あるツイートありがとうございましす、皆が知るべきです。

2020-02-18 22:31:14
気絶事務官 @shinchang_h

@georgebest1969 @YouTube 貴重な御報告ありがとうございます。クルーズ船内で何が問題なのかが分かりました。一番引っ掛ったのはクルーズ船に入ったDMATです。おそらく全国から招聘されているので、DMATが所属の医療機関に戻った際、院内感染しないか心配です。これ以上、感染が拡大しないことを祈ります。

2020-02-18 22:45:38