カロウシ・ノー・リモース #2(再放送版)

公式note https://diehardtales.com/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
(再放送プログラム) ニンジャスレイヤーAoM第1シーズンより:【カロウシ・ノー・リモース】#2 pic.twitter.com/L0yXtyrm5I
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR
(あらすじ:サツガイ接触者であるニンジャ、エッジウォーカー。ニンジャスレイヤーはニトベ駅付近の地下道で彼と偶然に遭遇し、襲い掛かった。しかしエッジウォーカーは謎めいたジツを使用。死すら免れ、逃走する。追い追われる彼らはホームに走り込んだ電車に乗り込むが、乗客混雑率は跳ね上がった)
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ニトベからイナマミ。そして次はドミチャン・ステーション。加速する車内は完全に混雑しており、ライブハウスのピットめいていた。だがそこには爆音を鳴らすロックンロール・バンドの存在はなく、熱狂も無い。石のように凍り付いた沈黙と、電車の走行音。満載サラリマン。そして、ニンジャが二人だ。 1
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吊革につかまった状態で、ニンジャスレイヤーはエッジウォーカーを睨んだ。その感情の動きを捉えようとした。確かに殺した筈だった。しかし別の者がエッジウォーカーとなった。奴はそれを繰り返している。「……!」エッジウォーカーに「狙い通り」の高揚は無い。むしろ困惑している。 2
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ニトベ~イナマミ間の混雑率は、現状を思えばまるでファーストクラスのように快適だった。最後尾車両においてエッジウォーカーは謎めいたジツを濫用し、ニンジャスレイヤーを翻弄した。全員がエッジウォーカー?ありえぬ。市民の身体を奪う類いのジツを使っているのだ。 3
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通常の攻撃では殺せぬ事がわかると、ニンジャスレイヤーはまず車両を切り離し、次の車両へ移り、ひとまず環境を変えた。彼は敵を追い詰めるように動いている。エッジウォーカーに先ほどの積極性は見られなくなった。ジツの再使用もない。なにかが功を奏している。カーブ。車体が傾(かし)ぐ。4
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「……!」「……!」ニンジャは睨み合う。今の混雑車両で移動は容易でなく、満足に両手を動かす事すらままならない。この状況下では複雑なジツは使用ができまい。ジツの秘密はわからぬが、殺す機会はある……!「……」エッジウォーカーは乗客の隙間へ身体を押し込み、電車の進行方向へ動き出した。 5
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サラリマン達は迷惑そうにエッジウォーカーを一瞥した後、新聞や携帯IRC端末に視線を戻す。「……!」逃がしはしない。ニンジャスレイヤーも移動を開始する。カーブ。車体が傾ぐ。肉の重み。ナラクの殺意が押し寄せる。(((やれ。マスラダ!殺戮せよ!)))「スミマセン」彼はナラクを無視し、呟いた。 6
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一言かけた事で人々が配慮し、心持ち、移動がスムーズになった。ニンジャスレイヤーは敵に迫った。エッジウォーカーは乱暴に押しながら進んでいたが、乗客のスモトリの付近で往生していた。ニンジャスレイヤーは状況判断する。ここで殺すか?否。まだジツが封じられていると確信できたわけではない。 7
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「どけ!」エッジウォーカーはスモトリの背中を撥ねのけた。「グワーッ!」ゼロ・インチ状況下では存分なカラテはふるえぬ。殺意の有無もわからぬながら、スモトリが死ぬ事はなかった。スモトリは倒れ込み、座席に座ったサラリマンを押し潰した。「アバーッ!」エッジウォーカーは押し進む。 8
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ニンジャスレイヤーはもはやエッジウォーカーと隣り合った位置にあった。エッジウォーカーは車両間ドアを背にしていた。「……!」「……!」二者は撫で合うような超至近距離の木人拳めいた打突応酬を開始した。エッジウォーカーはニンジャスレイヤーの目を狙う。ニンジャスレイヤーは頭突きで返す。9
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「……!」エッジウォーカーは指がへし折られる寸前で目つぶしを戻し、鎖骨付近を狙いながら、隙をついて車両間ドアを開いた。二者は互いの攻撃を払いのけ、突き、突き返し、打ち返しながら7両目に移動した。ニンジャスレイヤーは打撃戦の隙をついて連結部を踏み砕き、8両目を切り離した。 10
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サラリマンを満載した鉄の箱が、またひとつ後方に置き去りとなった。エッジウォーカーは遠く離れた車両の者を利用する事は万にひとつもできまい。徐々に退路を断つべし。「……!」「……!」二者は目線で罵り合う。ニンジャスレイヤーは決して目をそらさぬ。(貴様の逃げ道は前にしかない……!) 11
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『まもなくドミチャンです。乗り換えの方はご注意ください……』車両アナウンスとともに、電車がブレーキをかけ始めた。彼らは揺れに耐えた。ガゴンプシュー……ドアが開き、サラリマン達が車外へ流出する。二人のニンジャは打ち合いを開始した。すぐに大量のサラリマンが入れ替わり流れ込んできた!12
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最混雑区間!彼らは反対側のドアまで押し流され、ほとんどプレス状態となった。「押すな!」「ザッケンナコラー!」開いたドア付近で諍いが始まった。「重点!」「グワーッ!」鉄道警備兵が喧嘩サラリマンにスタン・ジュッテを当てて感電させ、運び去ると、ドアは閉まり、電車が発車した。 13
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乗客は強烈な圧迫に耐える。混雑率は異常な数値に達しており、顔を動かす事すらもできない。ニンジャスレイヤーとエッジウォーカーはドアを背に、ごく近くに互いを位置していたが、ゼロ・インチのカラテすら不可能な状態だった。『次はゴバシ……次はゴバシ』出口のドアはどちらだ? 14
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この状況は多大なジレンマだ。出口がこちら側であれば、このふざけた混雑からは解放される。しかしエッジウォーカーがホームを逃走しながら例のジツを好き放題に用いる事は確実だ。最後尾車両で経験した悪夢じみた変わり身のイクサを繰り返さねばならないのだろうか?『出口は右側です』逆! 15
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「クソッ!」ニンジャスレイヤーは奥歯を噛んだ。否、これでいいのだ。これは天の采配だ。しかし……!「アバーッ!」どこかで極度圧迫されたサラリマンが内臓破裂したか、断末魔の叫び声をあげた。電車はゴバシ駅に到着した。入れ替わる乗客!エッジウォーカーは車外脱出を試みたが間に合わぬ! 16
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今の駅は人気駅で、極限の混雑は多少緩和された。エッジウォーカーは移動を再開。ニンジャスレイヤーも追う。「スミマセン」チョップめいた動作を繰り返し、小さく頭を下げながら。エッジウォーカーは何度も振り返る。逃走方向は前にしかない。車両移動。……ニンジャスレイヤーは連結器を破壊!  17
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「ええい……これは……!」エッジウォーカーは毒づいた。石のような沈黙。彫像めいたサラリマン。押し退け、かきわけながら前を目指す。赤黒の殺気が迫って来る。退路を断ちながら。エッジウォーカーは正常な判断を奪われつつある。この状況はまずい。追い込まれつつある。 18
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「どけ……!どけッ!」「アイエエエ!」サラリマンのネクタイを掴み、引っ張ってどかすと、車両ドアを蹴り開けた。「グワーッ!」ドアの後ろにいたサラリマンが押し退けられる。しかし他の者達は石のように沈黙し、下を向いて黙っている。エッジウォーカーは舌打ちした。 19
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車両を移ると、ニンジャスレイヤーもすぐに続いた。連結器を破壊しながら。その動作が手馴れてきている。エッジウォーカーは流れる時間を鈍く感じ始めている。ニンジャ・アドレナリンの分泌だ。徐々に短くなるこの電車はさながら命のロウソクめいている……否!彼はネガティヴィティを振り払う。20
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彼がサツガイから与えられたフドウテンセイ・ジツは無敵のジツだ。ニンジャ・リアリティ・ショック症状に陥った市民を一瞬でカロウシさせ、その肉体を奪取し、エッジウォーカーの肉体に瞬時に作り替える。非ニンジャなど彼にとって肉の粘土に過ぎない。好きに消費できるゴミカスに過ぎない……筈!21
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サツガイにフドウテンセイを与えられて依頼、ケチなヤクザ・ヒットマンだったエッジウォーカーの仕事ぶりはがらりと変わった。暗殺の下調べ、位置取り、懐柔……そんなものは何も要らなくなった。スタイルが変化し、過去の自分は遺棄された。ただこのジツがあれば不意を突き、殺せた。無敵だった。22
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