たらればさん、FGOバレンタイン2020(最終節中心)の感想を爆発「100点満点で言うところの9億点でした」

たらればさんの熱のおかげでイベントの楽しさ倍増した気分。
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たられば @tarareba722

・清少納言にとっては、(11歳年下の、最高身分を持つ)定子こそが絶対的存在であり、唯一の主人であり、「自分の時空間を象徴する存在」であり、自分の才能を育て、やしない、「世界」とその価値を与えてくれた人だった、と言えるでしょう

2020-02-16 17:45:24
たられば @tarareba722

・いっぽう史実では、藤原(中宮)定子は政治的な敗者でした ・一条天皇に嫁ぎ唯一の正妻として栄耀栄華を極めるものの、父(藤原道隆)が急死し、兄(伊周)は焦って政変に敗れ追放、母も亡くし、実家は家事で焼け落ちて、失意のなかで24歳で亡くなっています(これを「長徳の政変」と言います)

2020-02-16 17:47:05
たられば @tarareba722

・政治史として見ると、清少納言が宮中に出仕した約7年間は、中宮定子たち中関白家が宮廷文化の最先端をひた走り、またその座から追い落とされ、(藤原道長という平安中期の最高権力者が生まれるのと引き換えに)急速に没落してゆく絶望の日々でした

2020-02-16 17:48:18
たられば @tarareba722

・そしてそのいっぽうでまた、『枕草子』には、そうした中関白家の(定子や伊周の)不幸や不遇、それを追い詰めた道長への恨み言はほとんど書かれていません ・『枕草子』の中でだけは、定子はいつでも美しく、煌びやかで、賢く、やさしく、振る舞い続けています

2020-02-16 17:49:45
たられば @tarareba722

・『枕草子』の序段、「春はあけぼの」から始まる一文を目にするたびに、わたしは千年前のひとりの天才作家が背負った壮大な覚悟と、仕掛けた演出と、戦った相手(それはおそらく定子の政敵ではなく、「運命」や「人々の忘却」ではないかなとおもいます)のことを考えて、すこしだけ胸が苦しくなります

2020-02-16 17:50:34
たられば @tarareba722

・なお定子が亡くなった長保三年(西暦1001年)1月、もうひとりの天才、紫式部は同じ平安京で夫・藤原宣孝と幼い子とともに、この政変を静かに見ていたと言われています(諸説あり)。おそらくまだ、この年の5月にその夫が急逝し、自分が『源氏物語』を執筆することになるなど夢にも思わずに(了

2020-02-16 17:52:03
たられば @tarareba722

以上もろもろ参考文献。 『枕草子解環一』萩谷朴著 『源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり』山本淳子著 amazon.co.jp/dp/4022599200 『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』山本淳子著(←超お薦め) amazon.co.jp/dp/4022630574/

2020-02-16 17:52:44