新型コロナウイルス検査に対するNATROM氏の解説

名取宏（なとろむ） @NATROM

長文です。「医師が検査を保健所に依頼しても断られるのは問題だ」ってのはその通りです。大問題です。ただ、文句を保健所に言っても、たぶんどうしようもないです。

名取宏（なとろむ） @NATROM

行政で働いていた知り合いの医師もいますが、まあたいへんなんですよ。お役所だから17時で終わりなんて誤解している臨床医もいますがとんでもない。感染症は休日時間外関係なく発生します。普段の業務でそうです。

名取宏（なとろむ） @NATROM

で、いまは通常業務に加えて新型肺炎で、そりゃあてんやわんやでしょう。検査できるのなら、依頼されたままやるほうが簡単ですよ。クレーム処理もしなくていいです。

名取宏（なとろむ） @NATROM

でも、おそらくキャパオーバーしていて、優先順位を振らざるを得ない。検査を断られた方が「重症なのになんで検査しないのか」と憤るのは当然です。でも、もっと優先順位の高い人がいたのかもしれないのです。

名取宏（なとろむ） @NATROM

患者さんを責めないようにしてください。これは仕方ない。でも、プロフェッショナルたる医師はダメですよ。「検査ができないということは病気の判断ができない」などと言っている医師がもしいたとしたら、そいつはヤブです。お前が検査偏重の風潮の犯人だ。

名取宏（なとろむ） @NATROM

PCR検査が1日3000件可能だとか厚生労働省が発表したそうですが、毎日新規患者を3000人検査できるわけではないです。陽性者のフォローアップや接触者調査もありますし、新規の検査対象者からは複数の検体を検査します。

名取宏（なとろむ） @NATROM

「感染者を少なくみせかけるために検査できるのにしないのだ」というのは陰謀論の類です。保健所長ってだいたい医師ですよ。医師は医師以外の人の言うことをあまり聞きません。仮に上から「なるべく検査するな」って言われても、はいそうですかと従うものですか。

名取宏（なとろむ） @NATROM

普通の官僚なら人事権を握られたら忖度するかもしれませんが、医師は医師免許があるので行政をやめてもいくらでも働き口があります。そうまでしてサボタージュする理由はありません。

名取宏（なとろむ） @NATROM

安倍政権ならそれぐらいの陰謀をやりそう？でも、陰謀をやるなら、「検査をしたことにして陰性の結果を出す」ほうがずっといいでしょう。臨床医から文句は出ない上に、検査陽性÷検査総数の数字の下がって「検査はしっかりしているけど流行していない感」を出せます。

名取宏（なとろむ） @NATROM

「韓国はあんなに検査をしているのに」という声もあります。韓国はすごいですね。これたぶん、ばっちり準備していました。というのも、韓国では数年前、MERSが流行して30人以上が亡くなっています。輸入症例だけでなく四次感染まで起きました。

名取宏（なとろむ） @NATROM

コロナウイルスによる疾患の代表がSARSとMERSです。韓国はMERSを教訓として準備していたのでしょう。日本では私の知る限りではMERSは発生していません。この差が、今回の新型コロナの対応の差にあらわれたのではないかと、個人的には思います。

名取宏（なとろむ） @NATROM

「MERSの教訓で韓国は準備していた」は私の個人的な推測です。詳しい方がいらっしゃったら補足をお願いします。また、落ち着いたら検証がなされるべきです。ただ、少なくとも「韓国ができているに日本ができていないのは政府が感染者数を少なく見せたいから」という見方はあまりに単純すぎます。

名取宏（なとろむ） @NATROM

いま保健所や地方衛生研究所を責めても問題は容易には解決しないかもしれません。長丁場になりそうなので、現場は不眠不休で頑張るのではなく、持続可能性に重きをおいて適切な休息をとってもらいたいと思います。批判の対象は現場じゃないです。陰謀論は現場の士気を下げます。

名取宏（なとろむ） @NATROM

事前の準備不足が原因だった場合、陰謀論に安易に乗っかったり現場を責めたりすることは、問題解決につながらないばかりか、本当の責任の所在をあいまいにします。以上、長文でした。