ボッカッチョ『デカメロン』(平川訳、上中下巻合本Kindle版)読書メモ(2020年3月7日〜3月14日)

平川訳が上中下巻合本になってKindleで買えたので、新型コロナウイルス禍の中で読んでみました。私個人が面白かったところを引用したりしてみました。
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齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第5日第8話。これは今の、というか私の感覚ではダメなやつ。

2020-03-10 08:45:32
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目まえがき。下男のティンダロと下女のリチースカの騒ぎ、後者の断言「うちの近所の女の子で生娘のまま夫のところに嫁入りした人なんて一人もいないね。(中略)それから結婚しているおかみさんでも裏で旦那に知られぬように悪さをしている人はそれはいるわ、いるわ」がここに挿入された理由は?

2020-03-10 09:29:37
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第2話。「スピーナ氏は法王ボニファチオの信任がたいへん厚かった」が、注1曰くこの法王は「『神曲』中でダンテがもっとも多く悪口を言い、地獄へ落とすことで恨みをはらしている、ダンテとは犬猿の仲の政敵」。ダンテの仇敵と近い設定のスピーナを持ち上げる話であることに意味はあるか。

2020-03-10 10:06:30
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第4話。(キキビーオ)「駄目よ、駄目。ブルネッタさんにはあげません。わたしのものはあげません、わたしのもももあげません」 (ブルネッタ) 「それならお前にあげません。神に誓ってあげません。わたしのものも、このももも。おまえの好きなこのものも」。このmo音のノリは原典ではどうか。

2020-03-10 10:47:09
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第5話。ジョット万歳。「名前はジョット、世に抜きん出た大天才、すべての母である自然──創造されたあらゆるものの起動力として天体を絶えまなく回転させている自然ですらも、ジョットがその尖筆、ペン、筆などで描いてみせることの出来ぬようなものはなに一つ生み出せない。」賛辞は続く。

2020-03-10 10:54:39
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第5話。俺はマエストロ・ジョットのために泣こうと思う…。「でジョットの芸術がいかに偉大であろうとも、本人は体格といいお顔といいフォレーゼに劣らぬ醜男でした。」

2020-03-10 10:59:59
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第5話。フォレーゼ先生とジョット先生、同病相憐れむ…。第6日目第6話冒頭、7人の「ご婦人たちはジョットの見事な当意即妙の返答にまだ笑い続けておりました」…3人の男たちは何も言っていない?特に非モテのフィローストラトさんの心中いかに。

2020-03-10 11:13:12
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第6話。「パンフィロ様は先刻フォレーゼのお顔の醜さ加減を述べる際に、バロンチ家のみっともない人と比べても、とおっしゃいましたが、このスカルツァのお話でパンフィロ様のお話しようがもっともであったことがおわかりかと存じます。」俺はバロンチ家の人たちのためにも泣こうと思う。

2020-03-10 11:25:39
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第8話。「フレスコが姪に、本人がいつも言うように、不愉快な人は見たくない、というのなら鏡に映った自分を見ないようにするがいい、と忠告する。」手洗いする時、鏡を見ないで手を凝視して必死に洗います…。

2020-03-10 11:36:24
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第10話。「遊び仲間としもうってつけの男であった。」これは「遊び仲間とし★て★もうってつけの男であった。」かなあ。

2020-03-10 11:49:42
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第6日目第10話。聖遺物をでっちあげるにしても「東方の三賢人の前に現われたお星さまの御光線」をもらってきたはさすがに無理だろ(笑

2020-03-10 12:11:02
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第3話冒頭、第2話について語り手曰く、「フィローストラトのパルティア産の牝馬についての話は、事があまりに露骨に透けて見えたので、お悧巧さんの女性方はこの事についてはお笑いにならず、ほかの事について笑ったようなふりをなさいました。」実際第2話最後は露骨である。

2020-03-10 18:36:15
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第3話。「坊様」ディス。「ああ、この堕落腐敗の世の中よ! 世間の坊主は暖衣飽食、でっぷり肥えて、顔には化粧して優雅な身なりで出歩くことを恬として恥じない。鳩のごとく楚々として歩くなどということはおよそない。鶏冠を振り立てた雄鶏然として胸を張って闊歩する。」以下同様。

2020-03-10 18:50:14
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第3話注1は機会があれば検討したい。

2020-03-10 19:00:43
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日目を読んでいるが、なんだか引用したくなるところが減った。さすがにマンネリ化してきたかな?

2020-03-11 13:12:08
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第7話注3は機会があれば検討したい。

2020-03-11 13:32:22
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第8話。シスモンダの身代わりになってくれと依頼され、旦那にボコられた女中さん可哀想…。いくら後からお礼するからっつてもなあ。

2020-03-11 13:39:18
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第8話。「痛めつけられた女中は声を立てて泣いている。一生懸命なだめると、女中部屋へ連れ戻し、そこでこっそりと手当てした。そしてアリグッチョの金でもってたっぷりとお礼をしたから、泣き面の女中もしまいににこにことした」のだそうです。

2020-03-11 13:40:59
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第9話冒頭。第8話のシスモンダの話について「ネイーフィレの物語はたいそう好評で、ご婦人方は笑いこけ、この話をめぐってあれこれ論じて論議は一向に止みそうにありません」というのはどうか。身分違いの結婚(の破綻)なのか、シスモンダの悪女っぷりが痛快なのか。

2020-03-11 13:48:44
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第7日第10話冒頭、「婦人たちは罪もないのに伐り倒されてしまった梨の樹に同情しました」とのことだが、二コーストラトスも相当気の毒ではある。もっとも、老人が若い女を嫁にすること自体をディスるのがここでの主題である。

2020-03-11 14:13:07
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第8日第3話のあらすじより。「かみさんがそんなカランドリーノの姿を見てどやしつける。どやしつけられて自分の折角の神通力が失せたと落胆したカランドリーノは、立腹のあまりかみさんを殴りつける(以下略)」で、本当にボコるのでどうしようもない。全く笑えない話。

2020-03-11 19:11:02
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第8日第4話注7、「酒席司祭」、本当は「首席司祭」について。「propostoがここでは語形変化でplopostoと綴られている。英訳でrectorがerectorと書き直された箇所である。小間使がシュセキ司祭の役職名を勝手に聞き違えているという想定なので、拙訳には「酒席司祭」を用いた。」

2020-03-11 19:23:47
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第8日第7話。長い&「インド」は遠かったのだな。「奥さまの恋人がたとえ遥かかなたインドの地にいようとも、私は即刻当地に帰還させ、奥さまのご意思に背いたことの許しを乞いに参上させます。」今のところ「インド」より遠くの地域は出てきていない。

2020-03-11 21:18:03
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第8日第7話。「学者」リニエーリのエレーナへの復讐の言葉が異様に長いのは、「学者」の特徴を誇張して、面白おかしくするため?

2020-03-11 21:38:58
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第8日第10話注5。これああそうかとわかる読者がどれくらいいるかな。私は長崎市に調査で通っているからわかるけど。「シチリアから海を越えたイタリア半東南部カラーブリア地方には「パレルモの娼婦のごとき美女」という諺めいた表現がいまも用いられている。(続く)

2020-03-12 09:56:56