AWsツイッター連載小説「聞き逃して資料課」【完結済み】

創作活動サークル「AWs-Another Worlds」によるツイッター連載小説です オカルトが実在し、特に人間に害するものを「霊害(Ghost Hazard)」と呼称し、人知れず対処されている世界。 優秀だが人の長話をついつい聞き逃してしまう中国巡査は、霊害と戦う部署、通称「対霊害捜査班」に配属されることとなるが、中国巡査はそんなことを全く効いてはいなかった。 完結済み
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#AWsTwitter小説(2020/3/22 - 3) 「そ、火器はSCAR系に変更したみたいだけど」  やはり灰色の兵士は火器をSCAR系に統一しているのか  2016年にニュースになったブリテン島での武力衝突で使われていた火器もSCAR系だったから、少し気にはなっていたんだ。SCAR系だけは確実に見抜けるようにしとこう

2021-03-22 19:40:56
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#AWsTwitter小説(2020/3/22 - 4) 「さて、私が関与したことがバレる前に、離脱しよう。その後でギルガメスとあなたの間に施された強制の呪いも解除しないといけないけど」  ノルンが俺を持ったままロシア製らしきヘリに乗り込む。 「お、おい、この武装ヘリで日本の領空に侵入する気か!?」

2021-03-22 19:40:57
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#AWsTwitter小説(2020/3/22 5 「流石にそうはいかないよ。軍事兵器ほどの大きさと違和感のものを認識阻害し切れるのは流石にあの灰色の連中くらいだし、だから、太平洋に停泊させたエーギル・ポドボロドクのタンカーに着陸して、東京湾に入るよ」  またローゾフィア財閥の系列会社か、恐ろしいな 続

2021-03-22 19:40:57
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#AWsTwitter小説(2020/3/23 - 1) 「うーん、うーん? ふーむ……」  空中にて、ノルンが俺、厳密には俺の魂に触れて疑問混じりの唸り声をあげている。 「ど、どうしたんだ?」 「うん、ギルガメスとあなたの間の契約を切りたかったんだけど、契約の痕跡が見つからないんだよね……」

2021-03-23 19:00:18
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#AWsTwitter小説(2020/3/23 - 2 「だが命令に逆らった時のあの苦しさは勘違いじゃあり得ない」 「明確に確かめようと思うと、私の強制と矛盾させればいいんだけど、彼も外来種とも敵対してる身だしなぁ」  外来種か。ノルンは灰色の男達と不干渉の約束を結んででも外来種とやらに備えてるんだよな

2021-03-23 19:00:18
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#AWsTwitter小説(2020/3/23 - 3) 「重ね重ねすまん、不干渉の約束を破るような真似をさせて」 「別にいいよ。どうせ目的を果たす直前になれば私が邪魔になるだろうし。決戦までの準備期間はお互いに手を出さないでおこう、みたいな感じ? そもそも、先に私のものに手を出したのは向こうだしね」

2021-03-23 19:00:18
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#AWsTwitter小説(2020/3/23 - 4)  あれ、そうなると、むしろノルンの所有物が勝手に不干渉の約束を破った、とも取れるのでは? とふと思ったが、ノルンはそうは認識してないらしい。 「しかし参ったな、本当に契約の糸口が見えない。奴ら、どうやって隠したんだ?」 「見つからないとどうなる?」

2021-03-23 19:00:18
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#AWsTwitter小説(2020/3/23 - 5) 「最悪、ギルガメスに逆らえない訳だから、自死を命じられて死ぬかも。まぁそこは私の強制と拮抗するはずだから、周りに仲間がいれば止めてくれるとは思うけど」 「フィクションでよくある、呪いを解除するためにボスと戦えってやつか」

2021-03-23 19:00:19
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#AWsTwitter小説(2020/3/23 - 6) 「だね、私としてもあなたを外来種との戦いの前に失うのは惜しいから、なんとかしたいところだけど……。と、そろそろタンカーに到着か。準備して、君の上司が君の肉体を持ってきてくれてるからね」  上司? 中島巡査部長か。 to be continued……

2021-03-23 19:00:19
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#AWsTwitter小説(2020/3/24 - 1) 「やぁずいぶん小さくなったね。そして初めましてノルンさん。うちの中国がお世話になっております」 「はじめまして、中島 守さん。お噂はかねがね」  二人が握手する。 「それで、強制の呪いは解けたんですか?」

2021-03-24 19:13:31
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#AWsTwitter小説(2020/3/24 - 2) 「いえ、私にとっても未知の術式か、あるいは何か神秘以外の手段で隠匿しているのか、強制の呪いの痕跡を発見出来ませんでした」 「それは困りましたね。一応こちらの巫術師にも見せますが、恐らく神秘への造詣はそちらのほうが上でしょうから……」

2021-03-24 19:13:31
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#AWsTwitter小説(2020/3/24 - 3) 「えぇ。戦い、勝つしかないでしょうね、彼等と」 「やはりそうですか。あれから、3年。いよいよ奴らと決着をつける時か」 「……とりあえず、肉体に魂を定着させる儀式を始めても?」 「あぁ、お願いします。こちらはその間にアケメネス・ホラのメンバーと連絡を」

2021-03-24 19:13:32
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#AWsTwitter小説(2020/3/24 - 4)  なんだって? 警視庁じゃないのか? 「じゃ、その間にやっちゃおう」  ノルンが徐ろに近くのコンテナを開くと、お香とルーンが刻まれた怪しげな雰囲気が広がった。  ルーンが刻まれた陣のなかには俺の肉体が横たわっている。 「お、俺生贄にされないよな?」

2021-03-24 19:13:32
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#AWsTwitter小説(2020/3/24 - 5) 「そんな意味のないことしないよ」  肉体の俺の頭より奥、なにかルーンが刻まれた小さい縁の中に俺、厳密には俺の魂が置かれる。  お香のいい香りが伝わってくる。  ノルンが何か音を出しているようだが、その規則的な音もまた、俺の眠気を…… to be continued…

2021-03-24 19:13:32
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#AWsTwitter小説(2020/3/25 - 1)  目を覚ます。 「ここは……?」  まだ意識がぼーっとしている。  前後の記憶が曖昧だ。  あえて一度目を瞑り、意識を自分の内側に潜り込ませてみる。  眠るのとはまた違う深い意識低下を感じる。  やがて自身からシルバーコードが二本、伸びているのが見える。

2021-03-25 19:00:31
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#AWsTwitter小説(2020/3/25 - 2) 「イペタム、マーイウス」  声にならない声で呼びかけると、二人は直ちにその場に現れた。 「な、なんだ、ずいぶんボロボロだな、戦闘中だったか?」 「ご主人救出作戦のため、陽動を行なっていた。どうやら、救出は上手くいったようだな」

2021-03-25 19:00:32
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#AWsTwitter小説(2020/3/25 - 3) 「マーイウスは再生能力があるから良いが、ワシはもう疲れた。ともかく、無事で安心したぞ」  イペタムが俺の中に入っていく。  そこで休むのか。 「やはり、契約している器の中が最も安定する。そこまで受け入れてくれる器はなかなかないらしいが」

2021-03-25 19:00:32
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#AWsTwitter小説(2020/3/25 - 4)  それ、逆説的に俺のセキュリティガバガバって事では 「セキュリティが硬くても自分から鍵を開けるようでは意味がないがな」  ギルガメスとの契約のことを言っているのだろう。その点に関しては本当に申し訳ない 「それから……」  マーイウスが続けようとする

2021-03-25 19:00:32
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#AWsTwitter小説(2020/3/25 - 5)  しかしその前に周りの風景が白んでいく。  本格的に覚醒の時のようだ。 「すまん、続きはまた後で」  慌てて一言で宣言し、そして再び意識は現実に回帰する。 to be continued……

2021-03-25 19:00:32
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#AWsTwitter小説(2020/3/29 - 1) 「おはよう、中国君」  目を開けた俺を中島巡査部長が迎えてくれた。 「起き上がれるかい?」  と中島巡査部長が手を差し伸べてくれたので厚意に甘えて掴んで起き上がる。  見ると、中島巡査部長以外にもアンジェや英国の魔女、虹野さんなんかがこちらを見ていた。

2021-03-29 19:01:07
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#AWsTwitter小説(2020/3/29 - 2)  他にも以前に俺を助けてくれたアンジェさんの友人らしき男性や、完全に見覚えのない金髪の少女と妖精らしき小さい空飛ぶ女の子、その他、何人か見覚えのない人たちもいる。 「えっと、彼らは?」 「うん。中国君、君は優秀な部下だ。その実力を見込んで頼みがある」

2021-03-29 19:01:08
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#AWsTwitter小説(2020/3/29 - 3) 「頼みって、上司と部下なんですから命令してくれれば……」 「警視庁の任務なら、ね。けど僕は今、警視庁対霊害捜査班の中島巡査部長として話しているんじゃ、ない。アケメネス・ホラの一員として、君をアケメネス・ホラに勧誘しようと声をかけているんだ」

2021-03-29 19:01:08
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#AWsTwitter小説(2020/3/29 - 4) 「アケメネス・ホラ? ……もしかしてアケメネス朝とマイスター・ホラの掛け合わせですか?」 「だったら、どうする?」  片やバビロニアを完全に滅ぼした王朝。片や灰色の男達と戦う術をモモに与えた賢者。 「もちろん、加えて下さい」  俺は即答した。

2021-03-29 19:01:08
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#AWsTwitter小説(2020/3/29 - 5) 「警視庁とは違う。給料も出ないし、危険手当もない。それどころか、活動の日は下手したら無断欠勤扱いだ」 「分かってます。それでも、戦う理由はあります」 「ならばあなたを、アケメネス・ホラの一員と認めましょう。これからよろしくお願いします」

2021-03-29 19:01:09
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#AWsTwitter小説(2020/3/29 - 6)  アンジェと握手する。  俺は聞き逃して資料2係に来た。  けれど、今度はちゃんと全てを聞いて、アケメネス・ホラに入ることを選んだ。  聞き流して、はもうおしまい。これかは、俺の新しい戦いが始まるんだ。  The End

2021-03-29 19:01:09
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