ノー・グリッター ＃４

劉度 @arther456

「あの化け物もそういう奴だっていうのか？」加藤の説明を聞いた防空巡棲姫が尋ねる。加藤は質問に頷く。「ああ。『暗黒に塗り潰す者』。かつてムー大陸で信奉されていた神格だ。奴の放つ光線は、対象を"生きたまま"石にする」『蔵王』艦内に残されていた石像が、まさにそれだった。23

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「奴はこのジャカルタ島の神殿に封印されていた。理由はわからないし、知る必要もない。肝心なのは倒せるかどうかだ。大鯨殿」「は、はいっ！？」神や魔法に加えてムー大陸や異次元の話まで出てきて混乱していた大鯨は、いきなり話を振られて声が裏返った。「聞きたいことがある」「何ですか？」24

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「さっき言った通り、旧支配者は宇宙からきた可能性がある。同じ宇宙人として心当たりは無いか？」「ええと……」大鯨はしばし考える素振りを見せた。実際には、その間に母艦と通信を行っている。「……BETA、BYDO、ULTRA、EXIF。検索完了。主要な戦闘データとは一致しません」25

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「会ったことは無い、と？」「ええ」「残念だ。楽な対処法があるかと思ったが」宇宙人同士なら有効な戦い方を知っているかもしれない、という加藤の予想は見事に外れた。宇宙は広い。一生かけても出会えない宇宙人同士もいるのだろう。「なら普通に、我々のやり方で対策を考えましょう」26

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「……Excuse me」ここで、金剛が手を挙げた。「対策、といいますが……」「何です？」倉田に促され、金剛は諦めたように言葉を発した。「Can we defeat it?」「……すみません、日本語で」「勝てるのですか、アレに？」金剛の質問に、倉田と加藤は顔を見合わせる。27

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「ああ」「やれないことはないです」２人はあっさりと答えた。「いやいや……あたしらの砲撃、一発も当たらなかったんだぞ？」防空巡棲姫が反論する。「そもそもレーダーにも映らない。絶対にまともじゃない。それを、お前ら陸軍なら、何とかできるっていうのか？」28

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「相手の正体はわかった。後は性質を調べれば、対抗手段は編み出せる」加藤は平然と言った。「それに『陸軍』とは違いますよ」後に続いた倉田の言葉には、確かな自信がこもっていた。「我々魔導大隊は、こういう神や悪魔を相手にするための部隊ですから」29

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【ノー・グリッター】＃４おわり＃５へ続く 【次回　4/2　21:00から】