昨日発生していたサイトログインできない不具合は修正されております(詳細はこちら)

財政学を学ぶ

新型コロナウイルスに関する経済対策を巡って議論が錯綜していたので財政学を学んでることにしました。
4
こま @koma_koma_d

19世紀のイギリスやフランスの議会は「財産と教養」のある同質的な「市民」に限られていたから予算をめぐる利害調整が可能だった(近代予算制度)が、普通選挙が導入され大衆民主主義が成立すると利害関係が多元化して調整が困難になる(現代予算制度)。(84-85)

2020-03-31 09:15:43
こま @koma_koma_d

「ハーベイ・ロードの前提」 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

2020-03-31 09:20:24
こま @koma_koma_d

"つまり、大衆民主主義のもとでは、不況期に財政赤字を認める拡張的財政政策が導入できても、好況期に景気加熱を抑える緊縮的財政政策が採用できない。というのは、大衆民主主義の利益政治のもとでは、緊縮政策には政治的抵抗が強いからである。"(89) ブキャナンの処方箋は、均衡財政原則の復活。

2020-03-31 09:22:41
こま @koma_koma_d

赤字の民主主義 ケインズが遺したもの (日経BPクラシックス) ジェームズ・M・ブキャナン amazon.co.jp/dp/4822250539/… @amazonJPさんから 某弁会の某氏が紹介してくれたのが印象に残っているんですよね。その時はこの訳はなくて『赤字財政の政治経済学』だった。

2020-03-31 09:26:05
こま @koma_koma_d

予算原則。 - 内容形式の原則 -- 完全性の原則 --- 総計予算主義の原則 -- 統一性の原則 --- ノン・アフェクタシオンの原理 -- 明瞭性の原則 - 予算過程の原則 -- 厳密性の原則 -- 事前性の原則 -- 拘束性の原則 --- 会計年度独立の原則 --- 超過支出禁止の原則 --- 流用禁止の原則 -- 公開性の原則

2020-03-31 09:42:46
こま @koma_koma_d

なぜかノン・アフェクタシオンのところだけ「原理」に見えてしまった。原則。

2020-03-31 09:43:28
こま @koma_koma_d

ハロルド・スミスが提唱した予算8原則は、上記の予算原則を「古典的」予算原則と位置付ける「現代的」予算原則。"議会による予算統制が生じさせている非効率性を、行政府に権限と責任を付与することによって克服しようとする主張"としての「現代的」予算原則。(99)

2020-03-31 09:45:09
こま @koma_koma_d

「現代的」予算原則が主張されてくる背景として、著者は大衆民主主義の成立を指摘。議会での調整が困難になるため。しかし、著者によれば財政の目的は経済的パフォーマンスの効率性ではなく社会統合。しかも民主的に行われることが重要。

2020-03-31 09:53:18
こま @koma_koma_d

財政は、私的所有権の保護や高次生産要素を供給して経済システムを支え、代価として租税を調達する。社会システムに対しては、暴力を背景とした秩序維持サービスや生活の保障を供給し、代価として忠誠を調達する。こうして社会全体をトータル・システムとして統合する。(27-29)

2020-03-31 09:53:18
こま @koma_koma_d

ガソリン税が(ノン・アフェクタシオンの原則に反して)道路特定財源で、収入があれば「道路」を整備しないといけない。しかし道路は(少なくとも都会では)すでに整備されているので、空港のモノレールや大阪港、神戸のニュートラムを「道路」とみなすことで、ここに財源を振り分けられる。(102)

2020-03-31 09:57:01
こま @koma_koma_d

統一性の原則を逸脱する形で、一般会計以外に特別会計や政府関係機関予算などが存在していて、それらでは(合理的ではあるものの)予算原則の適用は緩くなっている。それらの予算規模が拡大することは、議会のコントロールが及ばない領域の増大を意味する。(117)

2020-03-31 10:30:34
こま @koma_koma_d

公的な事業の公的企業への移管、そして民営化もこの文脈で捉えるわけか。なるほどー。

2020-03-31 10:33:16
こま @koma_koma_d

いまホットな補正予算の説明。会計年度は4/1始まり3/31終わり! "事前性の原則にもとづいて会計年度が始まるまでに成立する予算を、本予算と呼んでいる。本予算が執行されていく過程で、それに追加したり、変更を加えたりする予算を補正予算という。"(118)

2020-03-31 10:36:40
こま @koma_koma_d

"予算編成作業は財務省の主計局が中心となって進める。しかし、財政投融資計画は財務省の理財局がまとめる。一般会計で実施していた事業を、財源が不足したために、財政投融資で実施するようにすることを、「三階回し」という。というのも、理財局が財務省の建物の三階にあるからである。"(119)

2020-03-31 10:38:47
こま @koma_koma_d

"ゴルトシャイトの言葉を借りれば、「予算はいわば、あらゆる虚飾のイデオロギーをかなぐり捨てた、国家の骨格を表現するものなのである」ということになる。予算には、政治システムが、経済システムと社会システムとを統合していくための、あらゆる統治行為が盛り込まれている。"(122)

2020-03-31 10:42:04
こま @koma_koma_d

第9章「予算過程の論理と実態」、予算編成の過程について結構詳しく書いている。論理的には予算編成方針→予算の編成、となるべきところ、実際には予算編成方針は予算編成の最終段階で作成されている。そのため国会本会議での財務大臣の財政演説は、作成された予算を弁明するという内容になりがちと。

2020-03-31 11:07:56
こま @koma_koma_d

1年かけて行われる予算編成のうち、10ヶ月が立案に当てられ、審議・決定には2ヶ月しかない。大衆民主主義社会の多元的利益の利害調整という困難な課題は、議会における政治過程ではなく予算立案の事務過程で行われている。そこでは政調会を中心とした与党の役割も大きい。(129-130)

2020-03-31 11:13:36
こま @koma_koma_d

第10章「予算の改革」。議会への多元的利害の反映と、それによる財政の膨張を防ぐ効率性の要請を背景として、①多元的利害の調整に役立たせる②行政の結果責任を明確にする、という2つの意図から、予算改革が構想される。

2020-03-31 11:30:44
こま @koma_koma_d

具体的には、①財政と国民経済計画との関係を明確にする国民経済予算②政策評価・事業別予算、費用便益分析、PPBS③長期的な視野から検討するための財政計画、などがあるが、挫折するか、予算原則を補完する程度の意味しかもてていない。国民が実質的にコントロールする手続きのデザインがやはり大事。

2020-03-31 11:30:45
こま @koma_koma_d

コラム「政策評価と行政評価」にアウトプットとアウトカムの話出てきた。"警察サービスによる交通安全を例にとると、警察のパトロールの回数が産出(アウトプット)で、交通事故件数の減少が成果(アウトカム)となる。"(144)

2020-03-31 11:32:54
こま @koma_koma_d

第4部は租税。ドイツには犬税があるが、日本もかつては地方税において犬税があった。明治以降、犬以外にも様々な動物に課税されてきたが、猫税はなし。""和田八束名誉教授によると、世界的にも猫に課税した国はないそうである。猫は所有権が確定できないことが大きな理由だといわれている。"(212)

2020-03-31 14:07:15
こま @koma_koma_d

「猫は所有権が確定できないから課税対象にならない」って素敵じゃないですか? twitter.com/koma_koma_d/st…

2020-03-31 14:07:46
こま @koma_koma_d

第15章「要素市場税の仕組みと実態」。労働という生産要素は原則として課税対象になっていないが、社会保障負担・社会保険は賃金を課税標準としていることから、労働という生産要素に対する要素市場税とみることもできる。(215)こういう風には考えたことなかったなー。

2020-03-31 14:55:02
こま @koma_koma_d

第16章「オプションとしての公債と公債原則」。古典派は公債を民間投資に生産的に使用されるはずの資金を不生産的に使用するものとして基本的に反対。ドイツ正統派財政学の代表であるワグナーは資本的経費または臨時的経費に公債発行を限定する「建設公債原則」。日本の財政法もこの考え方に依拠。

2020-03-31 15:59:01