2020年4月3日放送の「AbemaPrime」から見えた、フェミニストと反フェミニストの間で会話が成立しない理由

2020年4月3日「AbemaPrime」にて

「フェミニズム特集～西村博之と考えるフェミニズム～」が放送された。

まとめ主のスタンス（立ち位置）

• フェミニストは嫌い
• 反フェミニストも、フェミニストと同等に嫌い
• なので、フェミニスト・反フェミニストの両方に対して批判的立場
• 「フェミニストと反フェミニストの争いは、両方に”等しく”悪い所が有る」

番組内容要約

番組内容の要約については、風清しゅうきさんのツイートが解り易かった
（但し、要約の内容が、かなり反フェミニスト寄り）

要約に対する意見

この要約は、前述の通りかなり反フェミニスト寄りなので、少し、フェミニスト擁護（反フェミニスト批判）な意見を述べさせてもらいます。
（※上記の要約の内、この文字色にしている部分は、フェミニスト側・反フェミニスト側の両方に批判的な立場からの視点で見ると、（偏見が過ぎて）どうでもいい部分。）

先ず、下記のツイートをご覧下さい。

Twitterでは、似た様なツイートは過去に何度もされていますが。
「人は知っている事しか見えない」
「1つの物事でも100人の人が見れば100通りの見え方がある」
というのがあります。

フェミニストと反フェミニストの対立・分断の最大の原因は
「人は知っている事しか見えない」
という事を、フェミニスト側・反フェミニスト側の両方が
意識・認識出来ていないからではないでしょうか？

フェミニスト側の問題点
上記の要約の通り

• フェミニストとセクシストの二択でしか物事を考えない

フェミニスト側は「世の中にはフェミニスト（性平等主義者）とセクシスト（性差別主義者）の二種類の人間しか存在しない」と言い、大抵の場合、「貴方（相手）はフェミニストかセクシストかどちら？」という所から議論を始めようとする。
この、「議論を始める前にフェミニストなのかセクシストなのか立場を明確にして欲しい」「フェミニストではないならセクシスト」というレッテル貼りは、「じゃあ、お前ら（フェミニスト）と同じにはなりたくないから、セクシストで良いや」となる人を増やす事になり、無駄な対立を増やす事にしかなっていない。
世の中は簡単に二色だけに分けられる物ではない。
二色の中間となる色、どちらにもつかない色等が存在するのが世の中の常であり、二色だけに分けようとする事で中間の部分の人の反感を買い敵を増やすのでは？

反フェミニスト側の問題点

• フェミニストかセクシストかの二択を「卑怯だ」と感じる（お気持ち案件）

反フェミニスト側は、フェミニストが突き付ける二択を「（どちらにもつかない色を選べないのは）卑怯だ」と感じる事が多い。
その理由として、反フェミニストから見たフェミニストは
①フェミニストかセクシストかの二択を最初に突き付ける。
②フェミニストだと言えば「味方認定」、セクシストだと言えば「敵認定」し
③「敵認定」した者に対しては集団で攻撃する
という手順を踏む傾向があるため、卑怯だと感じている。
だが、それを「卑怯だ」と思う事自体が、フェミニスト側から見れば「ズレた」答えだと言える。

原因

これは、フェミニスト側から見えている世の中と反フェミニスト側から見えている世の中が違うため生じる認識の差と言える。

フェミニスト側から見た世の中：性差別が溢れている
反フェミニスト側から見た世の中：性差別は言うほど存在しない
どちらが正しいではなく、それぞれの立ち位置から世の中はそう見える。

性差別が溢れている世の中を見ているフェミニストにとっては「性差別する存在は敵」というのが先ずあり、「世の中には敵か味方のどちらかしかいない（どちらでもないという考え方を持つ人は卑怯者）」という考えがある。

性差別は言うほど存在しないという世の中を見ている反フェミニストにとっては「フェミニストとセクシスト以外に、どちらでも無い層は存在するとなるため、「どちらでも無い」を選択しとして用意しないフェミニストは卑怯者」という考え方になる。
要するに、フェミニストと反フェミニストが議論を始める場合、常に「両者が互いに相手を卑怯者と認識している状態」から議論を始める事になってしまう。

解決手段

「両者が互いに相手を卑怯者と認識している状態」からしか議論を始められない状況を変えるために、フェミニスト側も反フェミニスト側も、双方が等しく歩み寄る（相手を信用する）べきでは？

「1つの物事でも100人の人が見れば100通りの見え方がある」のと同様100人の人がいれば、100通りの礼儀が存在するので失礼かどうかという所を論点にするのは悪手。

選択肢を三つだけに絞って答えさせようとする行為は、フェミニスト側の「フェミニストかセクシストどちらですか？」と本質的には同じ。

反フェミニスト側（今回の場合、ひろゆき）の問題点

• 三つの選択肢だけに絞って話を進めようとした。

これはフェミニスト側の「フェミニストかセクシストどちらですか？」と本質的には同じ。

討論の最初に選択肢を突き付け、選択肢に対する答えを貰っておく行為は、自論を有利にするための手段として「討論では」一般的によく使われる手法ではある。

だが、あくまで「討論」で良く使われる方法であり、「討」を目的としない「議論」の場合互いに議論の開始前に何らかの選択をさせるという方法では議論が進まなくなる。

この「専業主婦にも色々有る」という答えは

フェミニストから「フェミニストかセクシストかどちら？」という二択を突き付けられた時に「どちらでも無いという（又は、それに類する）答えはだめなんですか？」と答える事と本質的には同じである。

フェミニスト側と反フェミニスト側が互いに、相手に「この選択肢の中から選んでください、選択肢にない答えは認めません、選択肢にない答えを選ぶ人とは議論になりません」とやっていれば、議論は1mmも進まないのは当たり前でしょう。

押し付けがましかったのはどちらか？

に対する私の答えは「両方とも」になる。

両者（フェミニスト側もひろゆき側も）が「最初に選択肢を突き付けてマウントを取る」という所から話を始めようとしていたのだから議論にならない。

番組を見たフェミニスト側は
「やっぱりセクシスト（反フェミニスト）とは議論にならない」
という結論になるし

番組を見た反フェミニスト側は
「やっぱりフェミニストとは議論にならない」
という結論になる。