2020年4月24日

茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2529回「リアリティのために音は大切だけれども、音が乏しくても私たちはそれを補おうとする」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2529回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2020-04-24 06:50:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

これは誰が言っていたのか、読んだのか、忘れてしまったけれども、小林秀雄が『モオツァルト』の中で、道頓堀で突然シンフォニーが聞こえて、みたいなところから始まるんだけど、それを、SPレコードの音質の悪いので聴いていて、しかも雑踏の中で、それはよくないみたいな意見というか批判があった。

2020-04-24 06:52:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

そりゃあ、小林秀雄はウィーン・フィルを生で聴いたことはなかったかもしれないけれども、だから本当の音楽はわからないとかいうのは違うと思う。むしろかすれた音でSPレコードを聴いても、AMラジオで聴いても、本質が伝わるのが音楽というものだし、本質をつかもうとするのが人間の脳だろう。

2020-04-24 06:53:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

なんでこんなこのご時勢に浮世離れしたことを思い出したかというと、最近、ラジオでもテレビでも感染防止のために遠隔で録音とか遠隔で出演というのが増えてきて、それで当然音質は悪いのだけれども、それでもみんな一生懸命聴くし、伝えたいことの本質は変わらなくて、ああ小林秀雄と同じだと思った。

2020-04-24 06:55:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

歴史をふり返れば、日米開戦の臨時ニュースだって、玉音放送だって、人々は当時の音質の悪いラジオで一生懸命聴いたんだろう。音質が悪いからといって、本質が伝わらないということはない。最近は音質が良いのが当たり前だったから、遠隔出演などで音が悪いとかえっておっと思って新鮮である。

2020-04-24 06:56:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

もっとも、それでも音は大切で、昔NHKの有吉伸人さんにドキュメンタリーのリアリティは音で決まると教えてもらった。極端な話、映像がうまくとれていなくても、音が撮れていればなんとかなる。黒い画面で音だけ出してテロップをつければそこはつながる。しかし音が撮れていないとどうしょうもない。

2020-04-24 06:57:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

撮影現場で音声さんはとても大切で、地味な仕事のようだけれども、音がきちんと撮れていないと成立しない。音は大切なのだけれども、とぼしい音でも、私たちは想像力で補おうとする。遠隔出演などが増えているのを見て、そんなことを考えた。小林秀雄が生きていたら、今の世の中どう思うだろう。

2020-04-24 06:59:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2529回「リアリティのために音は大切だけれども、音が乏しくても私たちはそれを補おうとする」をテーマに6つのツイートをお届けしました。

2020-04-24 07:00:00

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