『妖逆門』を2020年に観たら神アニメだった件

珍作とも傑作とも呼ばれるアニメ『妖逆門』全51話を14年越しに一気見する22歳の感想文。 同作は2020年5月現在、配信しているサービスが無く、全巻セット中古DVDの価格も高騰傾向で、視聴手段はネットレンタルに限られています。配信開始を切実に望みます。 ※ネタバレ配慮無し ※ツイートを使用させていただいた皆様、ありがとうございます。何かありましたら削除いたしますので、お気軽にお申し付けください。
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安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

誰よりも夢に固執してた亜紀が、妖逆門の終わりとともに「幸せの青い鳥」がどこにいたか気付くの、素晴らしい展開なんだよなあ

2020-05-17 17:46:36
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

ライバルの中で一番最初に登場したロンドンが最後の敵じゃない、ってところのシビアさというか現実感が「らしい」んぁよなあ しっっっかし最終トーナメント入った後の作画の綺麗さよ ついでにここでうしとら最初期の妖「石喰い」が出てくんのがまた熱い

2020-05-17 20:19:24
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

ムガが砕けていくのが見えるのは不壊だけだけど、あそこで三志郎だけじゃなくて不壊の成長もあるんだって示唆されてると思う 初期だったら三志郎のために命張ろうなんてしないけど、だんだんこっちも気持ちが変わっていってる

2020-05-17 21:17:26
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

黒三志郎が三志郎に勝てないのは、黒いほうがひとりで戦ってんのに対して、三志郎が妖たちと騒いだり不壊に煽られたりして戦ってるからであって、主人公補正でもなんでもないんですよ 「厳しい大人に褒められる」ってめちゃくちゃ嬉しいから

2020-05-17 22:46:11
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

ここまできて各ぷれい屋と個魔は「大好きな母さんの歌→ウタ」「バレリーナのオルゴール→ハル」「ゼロ→ムガ」みたいなのがあることがわかんのに、最後まで主人公はわかんないんだよな やっぱ「不壊なる想い」なのかな

2020-05-18 00:43:46
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

特別なバックグラウンドを持つ子供なんか1人もいない中で、みんなが懸命に声出して戦うのがいいんだよなあ まあこの話激キツだけど

2020-05-18 00:12:42
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

最初のほうほんと作画グダグダな回結構あったのに、最終回付近までくると「消えてほしくないと三志郎に言われ、三志郎に見えないように仄かに幸せそうな表情を浮かべる不壊」っていう繊細な画が出てくるのが凄い

2020-05-17 23:59:13
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

あーーーーキッッッツイ これリアタイで見たときほんと真夜中まで「ああ…」ってなってたんだよなあ

2020-05-18 00:28:06
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

50話、挿入歌もめちゃめちゃいいし、いい最終回すぎる(なお全51話)

2020-05-18 00:47:08

全51話を見た後の総括

安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

まずはじめに、妖逆門の主人公は、子供が観ると「三志郎」、大人が見ると「三志郎と不壊」になる よく構造を分解していくと、この話は「三志郎の夢を叶える話」じゃなくて「不壊の目的に巻き込まれた三志郎の話」なのよ これがすごく重要

2020-05-18 22:30:46
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

でもそのうち、「子供たちの都合で大人たちが傷ついてる」って構図が判明して、物語を動かす主格が三志郎に移り、当初は不壊(大人)に動かされていた三志郎(子供)が、自らの意思で動くようになっていく つまりこれは単なる成長物語じゃなく、親離れの話でもある

2020-05-18 22:40:18
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

バディものとして観ても、妖逆門の主人公ペアはかなり秀逸 不壊は皮肉ばっか言ってニヤニヤしてるけど、何でも知ってて守ってくれる「腹立つし親しみやすいけど尊敬できる奴」なんだよね そういう大人に認められて褒められたい、って想いは凄く子供を成長させる

2020-05-18 22:54:39
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

また、大人が見て楽しめるのは不壊の存在がデカい 三志郎って藤田系主人公のなかでは割とズルイし生意気だし怒りっぽいしとアレ クラスいちの人気者ってより、クラスいちのお調子者タイプだから、「落ち着けや」っていう気持ちを代弁してくれるキャラが有難い このへんのシナリオ構成が上手い

2020-05-18 23:02:16
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

ホビーアニメっぽく元気いっぱい子供向けな話も多いんだけど、人物の掘り下げは丁寧で、言動や個性、人格への理由付けもあり、過去回想回の丁寧さなんかは教科書レベルのものがある また、最終トーナメント以降のシナリオはマジで無駄も不足も一切ない 「全51話」の使い方が極めて上手い

2020-05-18 23:06:47
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

また、三志郎の成長が階段的で無いのも良い しっかり51話かけて、少しずつ少しずつ力強くなって行く 最終話の最後のカットまで三志郎は成長する それを描き切ったのはすごいこと

2020-05-18 23:14:53
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

他の登場人物たちも、「三志郎に引っ張られて」ではなく、あくまで自分の力で自分の幸せを掴む 主人公が「太陽」な作品では無い よく見ればそれぞれがそれぞれで輝いてる だけど、みんな「信じて見守る大人」である自分の個魔の前では幼い子供に戻る そのあたりも胸が熱くなる

2020-05-18 23:19:38
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

あと、不壊が滅茶滅茶優しい 皮肉屋で説教好きで口悪いけど、自分の都合で怒ることは絶対にしないし、しっかり目を見て叱って、苦しい顔もしない 鬼仮面初戦で不壊がボロボロになったのは三志郎が悪いんだけど、「辛かった」的なことは絶対言わない ただ苦しむ顔だけは見せる すごく優しい

2020-05-18 23:33:21
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

視聴者側から見てると「不壊はけっこう三志郎に見えないように優しい顔してる」ことがわかる だから49話の最後のカットでは、逆に不壊の顔が映らない 声で「三志郎」って呼んでるのか、心の声なのかもわかんない 三志郎にだけは、初めて見る優しい笑顔が見えてるのかもしれない

2020-05-18 23:40:09
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

あと、三志郎が不壊を説得するシーンはどれも重要 ほんとは説得なんか必要なくて、不壊は命じれば従うんだけど、三志郎は命令しない 対等な相棒と考えてる だからこそ、最後は個魔がぷれい屋を説得する 丁寧な積み上げがあって、49話に繋がって行ってるんです

2020-05-19 00:01:38
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

ついでに、全話見るとEDの「Always there for you」が単なる友情ソングじゃなくて、個魔視点で子供達の未来を見守る曲ってわかるのがいい 「姿は見えなくなっても、いつまでも一緒だ」なんだよね

2020-05-19 00:11:44
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

あとこれは蛇足っていうか、「ほんとうは怖い妖逆門」な話なんだが 三志郎が不壊を「仲間」として思えば思うほど、不壊のほうは自滅的な献身の手段を躊躇わなくなっていってるような感じがするのね ここに、個魔の人外らしさがあると思う

2020-05-19 00:21:44
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

んーーー言いたいことは大体言ったかな きみどり関係のシビアな描写は、放送当時からずっと言われてるよね 正人の動機は大人になるとわかる 「友達と遊んだ経験」がないから、あそこまでの幼児性を持ってしまった 正人も物凄く可哀想なんだ

2020-05-19 00:27:10
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

ただ、トンチキアニメの側面も強い 前半20話くらいは作画も崩れがちだし、シナリオもなんというか、悪い意味でもホビーアニメ 不壊がいるから何とかって感じ それでもしっかり伏線はあって、人物の軸にはブレがないから、2週目のほうが楽しいね

2020-05-19 00:33:50
安藤さやか/音楽ライター @q_b_384

でも妖逆門がトンチキアニメなのは前半と後半のアンバランスさもある 前半が50/100点なら、後半は200/100点くらいクオリティに差がある 動画枚数や着色の仕方も違うし、演技の質や音楽まで雰囲気変わる そういうのを楽しむのも「妖逆門を見る事」だと思う

2020-05-19 00:37:26