公衆衛生学 鈴木貞夫教授『論座 PCR検査をめぐる「5つの理論」を検討する』の問題点(2020.5.20作成) #新型コロナウイルス

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suna @sunasaji

日本の集団免疫作戦も、免疫でコロナ拡大が止まるという、まだ立証されていない仮説に基づいて経済やプライバシーの維持を優先する。 重症者だけ対応すれば軽症者の検査は不要で感染も拡大しないという立証されていない仮説も含意するので命も軽視している。 広義のノーガード戦法の一つでしかない。

2020-05-18 01:56:27
suna @sunasaji

twitter.com/sunasaji/statu… 鈴木貞夫教授の「PCR検査をめぐる5つの理論」の問題点に関するツイートを、noteにもまとめました。結論として、PCR検査不足は否定されません。 note.com/sunasaji/n/n75…

2020-05-20 14:04:21
suna @sunasaji

webronza.asahi.com/national/artic… 検査抑制論者と思われる、公衆衛生学が専門の鈴木貞夫教授の理論がひどかったので、遅ればせながらつっこんでおく。今後も誤った議論の根拠として使われると思われるためである。途中から有料記事となったが、こちらでは全文読める。 news.livedoor.com/article/detail…

2020-05-20 04:15:16
リンク note(ノート) PCR検査をめぐる「5つの理論」の問題点|suna|note https://webronza.asahi.com/national/articles/2020051500010.html 検査抑制論者と思われる、公衆衛生学が専門の鈴木貞夫教授の理論がひどかったので、遅ればせながらつっこんでおく。今後も誤った議論の根拠として使われると思われるためである。途中から有料記事となったが、こちらでは全文読める。 PCR検査をめぐる「5つの理論」を検討する - ライブドアニュース【はじめに】公衆衛生の専門家として新型コロナ問題は極めて「公衆衛生的」問題である。未曽有の経験だけ

以下は、ノートの元になったツイート群です。

リンク 論座(RONZA) PCR検査をめぐる「5つの理論」を検討する - 鈴木貞夫|論座 - 朝日新聞社の言論サイト 【はじめに】公衆衛生の専門家として 新型コロナ問題は極めて「公衆衛生的」問題である。未曽有の経験だけに、数カ月前には誰も想像もしなかったことが現実となり、恐ろしいことに、その現実にも適応しつつあるよう 82 users 8197
suna @sunasaji

webronza.asahi.com/national/artic… 検査抑制論者と思われる、公衆衛生学が専門の鈴木貞夫教授の理論がひどかったので、遅ればせながらつっこんでおく。今後も誤った議論の根拠として使われると思われるためである。途中から有料記事となったが、こちらでは全文読める。 news.livedoor.com/article/detail…

2020-05-20 04:15:16

PCR検査をめぐる「5つの理論」を検討する - ライブドアニュース https://news.livedoor.com/article/detail/18270101/

suna @sunasaji

①カルピス理論 日本より検査不足の国と比較しており不公平 ②アイスクリーム理論 検査を増やしても死亡者が減らない根拠がない ③寿司屋理論 前提の認識が間違っている ④パクチー理論 代表性のないサンプルで検査が足りていることは示せない ⑤下茹で理論 PCR検査と抗体検査の感度特異度の前提が違う

2020-05-20 04:16:20
suna @sunasaji

①カルピス理論 感染が蔓延した国ではそうでない国より検査が受けられないと言っており、日本より感染が蔓延した欧米の国々より感染者・死亡者あたりの検査数が多いと言っている。結論として、日本のPCR検査不足は表面的な印象に過ぎず、理論で示したものがないと主張している。

2020-05-20 04:18:05
suna @sunasaji

一般に、検査が不足している度合いは検査陽性率の高さに現れる。日本より感染が蔓延している欧米の国と比較すれば、確かに日本の検査陽性率は低くなる。しかし、こういった検討では、都合の良い比較対象だけを持ってくるのではなく、日本より陽性率の低い国とも比較しなければ公平な評価にならない。

2020-05-20 04:20:08
suna @sunasaji

こちらの図は、横軸が100万人あたりの陽性者数、縦軸が100万人あたりの検査数で、左上になるほど陽性率が低く、防疫に成功していると見做される。つまり、比較的陽性率が低い東南アジアやオセアニアの中では、日本は検査数が足りているとはいえないことがわかる。 ourworldindata.org/grapher/covid-… pic.twitter.com/1U95oYVhO7

2020-05-20 04:21:29
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suna @sunasaji

つまりカルピス理論は、日本より陽性率の高い国を恣意的に持ち出して日本の検査数の方が多いと言っているだけであって、日本より陽性率が低く防疫に成功している国々がある以上、検査数が足りていることの証明になっていない。

2020-05-20 04:23:52
suna @sunasaji

②アイスクリーム理論 関連があることと因果関係が異なるという説明であって、それ自体は正しい。 しかし、因果関係が証明されていないことは、因果関係がないことを意味しない。 つまり図3の事例Bの「PCR検査を増やして陽性率を下げても死亡者数は減らない」は自明ではなく、雑な結論である。

2020-05-20 04:24:56
suna @sunasaji

そもそも関連が因果関係の根拠とならない例を挙げながら、同じ考えで「PCR検査を増やしても死亡者が減らない」という考え方が成立すると言っており括弧内は証明されていない。 少なくとも「PCR検査を増やしても死亡者が減らない」と思いたいならそれが因果関係か否かを判定する検討を行うべきである。

2020-05-20 04:25:54
suna @sunasaji

つまり、アイスクリーム理論も、検査数を増やしても死亡者が減らないことの証明になっておらず、検査数が足りていることの証明にもなっていない。 それに気が付かない人だけが、検査数が足りていると誤解するような、詐欺的な文章になっている。

2020-05-20 04:27:37
suna @sunasaji

③寿司屋理論 モデルには前提が必要で、前提が間違いだったら出てくる結果も間違いと言っている。 そして、濃厚接触者で構成される「クラスター枠」では検査前確率が非常に高い、そして「クラスター枠」はほぼ全例検査しているであろう、という想像を前提にしていて、その根拠は示されていない。

2020-05-20 04:28:41
suna @sunasaji

まず、濃厚接触者で構成されるクラスター枠がほぼ全例調査されているというのが誤りである。積極的疫学調査実施要領を見ればわかるが、濃厚接触者であっても無症状者は検査対象とならないので、全例検査はされていない。

2020-05-20 04:30:28
suna @sunasaji

また、濃厚接触者の検査前確率が非常に高いということも根拠がない。なぜならクラスター枠や医師必要枠や市中枠の検査数や陽性数が公開されていない以上、クラスター枠の検査前確率が非常に高いだの市中枠に陽性者がほとんどいないだのという前提が、どの程度正しいのか示しようが無いためだ。

2020-05-20 04:31:54
suna @sunasaji

そもそも、日本は検査数が先進国最低レベルで、圧倒的に少ない。少なくとも現状では、増やせば増やすだけ陽性者が見つかる可能性がある。つまり、その範囲では検査数と隔離率が比例すると近似しても、小田垣孝先生の理論に大きな矛盾が生じない可能性がある。 oecd.org/stories/policy… pic.twitter.com/KGN4FwaXYh

2020-05-20 04:33:57
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suna @sunasaji

つまり、元の理論を否定したければ「PCR検査数を(y倍に)増やして(陽性者をy倍にして)隔離率をy倍増加させる」という近似が成立しない程度に、検査を増やすと検査前確率が下がることを示さなければならない。しかし、数値に根拠が無い以上、それが示せているとは言えない。

2020-05-20 04:34:56
suna @sunasaji

もともと正確な値の算出が困難な検査体制で、かつ検査数が他国比較でも非常に少ない以上、検査数の増加と隔離率の増加が比例していると見做すのは大きく誤った仮定とは言えない。モデルを扱う際は、本質的ではない誤差を許容して大意を掴むことが重要で、前提の厳密性に拘るのはあまり意味がない。

2020-05-20 04:36:28
suna @sunasaji

そして、元の論文は、SIRモデルに、隔離された感染者Qを加えた自然なモデルである。このモデルで重要なのは、感染者数を下げることには、市中の感染係数の低減と、隔離率の向上が影響するという指摘で、感染者を減らすためには後者の方がより効果的であると言っている。 www001.upp.so-net.ne.jp/rise/images/%E…

2020-05-20 04:38:34
suna @sunasaji

これ自体は考えてみれば当然で、市中の感染係数を大きく下げるためには、ほぼ感染が広がっていない大多数の人が接触を8割減らすといった、社会的な影響が大きい作戦が必要になる。一方で、検査で陽性となった人を隔離すると、陽性者にターゲットを絞って感染拡大を抑制することができる。

2020-05-20 04:39:27
suna @sunasaji

感染拡大を防ぐために、無関係の人も大量に巻き込んで8割の自粛をするか、感染者を見つけて隔離するか、どちらが効率が良いかという話なのである。たとえ検査の感度が7割であっても検査をせずに市中に野放しにすれば、いずれは感染が広がって、検査より社会的なコストの高い自粛をせざるを得なくなる。

2020-05-20 04:41:22
suna @sunasaji

検査を絞ったがために、その後に感染者が何倍にも増えたり、強力な自粛をせざるを得なくなるなら、医療機関の負担もむしろ増えるし、経済的な被害も大きくなる。 理論がわかれば、検査拡大は十分メリットのある選択肢であることが理解できるし、記事が反論になっていないこともわかる。

2020-05-20 04:42:38