- momonekopotte
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かぐや様6話。想定線の超え方が面白い。まず早坂がかぐやを慰めるシーン。①キャラの見かけ上の位置関係が入れ替わる事で視聴者を驚かせつつ、②日陰側にカメラを置くことで自然と逆光ショットに移行し、③さらに次のカット――下手から藤原書記がフレームイン――への導入まで済ませている。一石三鳥。 pic.twitter.com/wvTFBxV3KE
2020-05-21 23:55:42続いて白銀がミコを勧誘するシーン。ここは超え方がトリッキー過ぎて正直よく分からない。というのは普通、想定線を超える時は映像の「連続性」を極力保ったまま超えるのがセオリーの筈だが、このシーンは画像の2,3枚目を見れば分かるように敢えて「連続性」を破壊しながら想定線を超えている。 pic.twitter.com/0Aw41XTnZp
2020-05-22 00:04:35”連続性を保ったまま”というのは、例えばカットを割らずにカメラが想定線を跨いで回り込むとか、それこそ早坂がかぐやを慰めるシーンでは、想定線を超えた次のカットでカメラを少し引くことで、キャラの位置関係が変化したことを視聴者に分かりやすく伝えている。
2020-05-22 00:08:37でも会長とミコのシーンでは想定線を超えた次のカットで寧ろカメラがキャラに寄っている。だから一瞬、何が起こったのか、カメラが何処に行ったのか、分からなくなる。その衝撃が次のカットでミコが口にする「わたし、生徒会に誘われるなんて今までなくて……」という台詞を強烈に印象付けてくれた。
2020-05-22 00:16:09【追記】画像2枚目から直接3枚目に行くことで、白銀とミコが疑似的に同じ方向を向いているように見せたかったのかもしれない。オーバーラップ演出に近いものを感じる。
ここの視線誘導も巧いな……。ミコの見て欲しい物が、真っ先に視聴者の目に飛び込んで来る。「どんなグラフなんだろう?」と否が応でも思わせられる。ミコの主張に惹き込まれる。 pic.twitter.com/oZNzWVNeMw
2020-05-22 01:08:08このギミックが無ければグラフなんて唯の背景にしか見えなかっただろうし、これとは別にグラフだけを映すカットを用意する手もあるけど、それはそれで悪手なんだよな。何故ならグラフそのものに意味がある訳ではなく、あくまでグラフを使って彼女が何を主張するかが重要だから。
2020-05-22 01:12:17もっと言えば「ミコも下準備では負けてないんだな」と思わせられれば勝ちなので、ミコとグラフを一緒に映しつつ視線誘導で一瞬だけでもグラフに興味を持たせるアプローチが必要だった訳だ。
2020-05-22 01:14:27ミコの逆襲パートで常に画面の上部と底部を飾っているレンズフレアが滅茶苦茶いい仕事しているのよね。グラフのシーンも良く見るとレンズフレアが確認できる。 pic.twitter.com/gNecdfQIIj
2020-05-22 01:21:58ミコと白銀が討論を開始するカットのトラックアップは当然ながら、ミコが観客の視線に怯えるカットのトラックバックに対するアンサーなんだけど、ここで実際の空間を無視してカメラを動かしてもそんなに違和感を覚えなかったのは、真ん中の演説台が消失点を隠して遠近感を狂わせていたからなのかしら。 pic.twitter.com/RwJ04bYg4t
2020-05-22 01:36:591周目で見逃してたけど、ここのダッチアングルも意図がハッキリしてて好い。気持ちを落ち着かせる間もなく名前を呼ばれて「坂道を転がり落ちるように」檀上へと歩を進める。直前の速くて細かいカット割りも含めて、ミコの焦燥が緻密に表現されている。 pic.twitter.com/jRHlYDIgTs
2020-05-23 11:58:25想定線を越える演出やダッチアングルについては、以前「響け!ユーフォニアム」の記事を書いたときに色々と語っているので、よかったら参考にしてみてください。
はてなブログに投稿しました 【響け!ユーフォニアム】久美子があすかを説得するシーンのカメラワークに感動したという話。 - ぽてかなの私見 potekana.hatenablog.com/entry/2019/12/… #はてなブログ 久し振りに
2019-12-31 14:56:44※この記事で触れたあすか説得シーンでは”連続性を保ったまま”想定線を越えている。