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しかし魔王は女勇者の手を離さず城の外に一歩一歩進んで行きます。長い間歩いていなかったので魔王は何度かよろけましたが魔王の妹が支えてくれるので転ばずにすみました。魔王は小さな声で「ありがとう」と言いました。
2011-06-20 02:30:09![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
城から出た魔王が見たものは雨降りの空ではなく、小鳥がさえずる青空でした。空の美しさに呆然とする魔王と魔王の妹を横目で見ながら勇者は呟きます。「あの娘の言った通りだ。最後は虹だね」
2011-06-20 02:33:11![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
女勇者が城の方へ目を向けると、そこにはさっきまであったはずの大きくて美しい城はなく、小さな古い小屋があるだけでした。魔王の妹が説明します。「このお城はにーさまが魔法を使って大きくて綺麗に見せていただけで本当はこの小屋なんです」
2011-06-20 02:36:40![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
長年小屋に魔法をかけていたせいで魔王の力はとても弱くなっていて、若い娘の魂を集める事なんて到底出来そうにありませんでした。せいぜいランプに火を灯す位の力です。「これで魔王はいなくなったねー」と女勇者がのほほんと呟きました。
2011-06-20 02:40:01![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
女勇者は魔王と魔王の妹を「魔王に攫われて城に幽閉されていた兄妹」として国に連れて帰りました。国中の人が女勇者が帰って来た事に驚き喜び、魔王がいなくなったお祝いを始めました。そのお祝いは一週間も続いたのです。
2011-06-20 02:43:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
身寄りのなかった魔王と魔王の妹は、子供の居ない料理屋夫婦に引き取られました。血の繋がりはないのに、料理屋夫婦はとても愛情を持って子供に接しました。妹はおかみさんから接客を教わり、魔王は旦那さんから料理を教わってお店の手伝いをするようになりました。料理屋はもっと繁盛しました。
2011-06-20 02:49:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
女勇者は時々料理屋に来て魔王達とおしゃべりをするようになりました。女勇者の言霊を受け流す事が出来るのは魔王だけでしたから。魔王と女勇者の言い合いをおろおろしながら見る魔王の妹。そんな彼らのやりとりを温かい目で見つめる料理屋夫婦。セカイに絶望した魔王はどこにもいません。おしまい
2011-06-20 02:54:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
女勇者が旅に出る所で終わるつもりだったけどたこさんとらっこさんの続きコールのおかげで最後まで書けたと思うのでお二人に感謝。
2011-06-20 03:04:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
あの世界ではきっと、ふつーの人は旅になんか出ないのだ。ちひろもそのふつーの人の一人のはずが、閉塞感に耐えきれずにふと旅に出るとか言ってしまって、てんやわんやと魔王討伐を押しつけられてしまって、ふつー勇者になった。そういうことに違いない。
2011-06-20 01:10:53![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@harinomushiro わー!ありがとうございます!元ネタがおまけ4コマだったはずなのに壮大なファンタジーになってましたw
2011-06-20 03:05:53![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@harinomushiro なんかもう頭の中にポンポンと浮かんできたのでびっくりです。今度妄想する時は寝る前じゃない事を祈りますw
2011-06-20 03:12:24