2020年5月26日

掌小説語り~自作つぃのべる集~55

自作つぃのべるのまとめです。 2017年11月分。
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リュカ @ryuka511

「魔王はなぜ世界を支配しようとしたのでしょうか?」魔王城跡を調査する学者に弟子が問う。魔界の領土も広大なのになぜ人間の世界に手を広げたのだろう。弟子の疑問に学者は静かに答える。「魔王は常に悪役なんです」全ては神のシナリオ。我々がいくら調査しようと、得るものは無い #twnovel

2017-11-02 01:55:16
リュカ @ryuka511

凍てついた冬の夜。城を見上げる俺の心は憎悪に満ちていた。裏切者は絶対に許さない。俺達を国王軍に売り、宰相の地位にまで上り詰めたそうじゃないか。そこから見下ろす景色はどうだ?もうすぐお前を引きずり下ろしてやる。例えあの人がお前を許せと言っても、俺は絶対に許さない #twnovel

2017-11-03 01:22:19
リュカ @ryuka511

忘れ去られた彼の地に祈りを。魔王が討たれ世界は救われた。復興が進み、世界は元の姿を取り戻しつつある。しかし、辺境の地にあった勇者の故郷である村は、魔王軍に滅ぼされた時のまま。勇者一行は姿を消し、この村を顧みる理由は無いのかもしれないが。だがせめて、安らかにと祈る #twnovel

2017-11-04 01:58:43
リュカ @ryuka511

君の手を引き夜通し走り続けた。僕らを引き裂こうとする運命を変える為に。この夜を走り抜けられれば、運命は変えられる。僕らはそう信じて走り続けた。追っ手を振り切り森を抜ける。君を励まし走る。国境を超えれば、僕らを縛るものは無い。ほら。夜明けは優しく僕らを迎え入れる #twnovel

2017-11-05 00:39:51
リュカ @ryuka511

白色の風船が、闇色の空をふわふわと飛んで行く。城の警備に当たる魔族達は気にも止めない。だがこれは人間達の希望の光。風船が暗黒の城の中枢部に辿り着けば、魔王軍の力を大きく削ぐことができる。行け、頼む。希望を詰めた風船を作った賢者達は、祈りながらその行方を見守った。 #twnovel

2017-11-06 01:44:22
リュカ @ryuka511

家の再興の為に、君は売られるように嫁いでいく。憂い顔の君に、僕は何もしてあげられなかった。貴族同士の婚姻なんて、政略結婚以外の何ものでもない。それでも願わずにいられないのは、君の幸せただひとつ。家に縛られ愛を貫けない僕の、自己満足に過ぎないのだけれど。 #twnovel

2017-11-07 00:37:23
リュカ @ryuka511

魔王の居室が近いのだろう。襲ってくる魔物の数も強さも段違いだ。あの扉を抜ければ、魔王がいる。立ちはだかる魔王軍幹部に剣を抜き、勇者を先へ向かわせる。「私も直ぐに向かいます、貴方は先へ!」ためらう勇者の背を押す。勇者を狙う魔王軍に立ち向かう。「お前らの相手は私だ」 #twnovel

2017-11-08 01:29:40
リュカ @ryuka511

「もういいのよ。さぁ、剣を置いて。こっちへいらっしゃい」母が微笑み手を差し伸べる。違う、これはまやかしだ。 #twnovel 首を振る勇者に魔王は笑う。お前を捕らえるたった一つの呪縛、亡き母の言葉と笑みは重かろう。さぁ、剣を置くがいい。母の下へ送ってやろう。

2017-11-09 00:12:34
リュカ @ryuka511

「ごめんなさい」泣きながら彼女は水晶の槍を振るう。戦うのは怖いけど、戦わなくてはと唇を結ぶ。水晶の槍は、彼女の細い腕に似つかわしくない強大な力を与えた。貧民街の外の暮らしを見てしまったから。世界は平等に救われなくてはいけないと感じたから。「世界を救うには、全てを無に」 #twnovel

2017-11-10 01:28:12
リュカ @ryuka511

蠍座の側を流れる彗星は、人々の願いを叶える魔法に必須だった。魔女は必死に彗星を探し続ける。自分の存在意義は人々の願いを叶える事だから。だが願いは尽きず、いくら集めても彗星は足りなかった。 願いを叶えられなくなったら、私はー #twnovel 力尽き消えた魔女の想いと涙を、誰も知らない

2017-11-11 01:01:41
リュカ @ryuka511

嘘だ、と思わず呟いた。入るなと言われていた部屋。いつも厳重に鍵がかかっているのに今日は開いていて、つい入ってしまった。そこにはたくさんの武器や薬品に物騒な計画書があり、物々しい雰囲気に満ちている。「入るなと言ったはずだが」私が知らない貴方の顔。貴方は一体、何をしているの? #twnovel

2017-11-12 01:21:53
リュカ @ryuka511

ロープに絡まったトカゲを助けたら、礼をしてやるから家へ連れて行けと言う。だが腹が減っただの寒いだのうるさい。仕方ないなと言う通りにしてやるとトカゲは満足げに言った。「今後、お前に降りかかる無益な厄災は全て振り払ってやる」翌日、蒼穹を滑りゆく竜を見た。あいつ、竜だったのか! #twnovel

2017-11-13 00:32:30
リュカ @ryuka511

「貴方は本当にロボットなの?」少女の問いに頷きました。私はプログラムにより行動するもの。「でも貴方は人間よりずっと優しい」私の心のありかを探る指先の動きは、壊れやすい物を扱うようで私を混乱させる。「私を守ってくれる?」この瞬間、私は少女を主と定めました。全力でお守りします #twnovel

2017-11-14 00:54:37
リュカ @ryuka511

勝てば晴れて自由の身、負ければ死が待っている。配られた5枚のカードを見るフリをして、奴の後方に座り無関係な客を装う相棒を見る。相棒のグラスに映る奴の手札はKのフォーカード。よし。袖に仕込んだAをすり替える #twnvday 「お前は命の恩人だ」「イカサマに巻き込むなよ! 怖かったんだからな!」

2017-11-15 00:44:24
リュカ @ryuka511

国歌を歌う民衆の声が聞こえる。見慣れた式典の光景が、今日はいつもと違って見える。これは次期国王の力量を示すべく、魔王軍と戦う僕の勝利と無事を祈る式典だ。この国を、人々を守りたい。けど怖くてたまらない。「王子、お支度を」「すぐ行くよ」何故、僕だけが。答えてくれるものはない #twnovel

2017-11-16 00:39:15
リュカ @ryuka511

親同士が決めた婚姻により彼の下に嫁いだ。無事に跡継ぎを生み私の役割は終わった。後は乳母達が子供を立派な後継者に育てるのだ。私は上辺だけ、彼の妻として相応しい振る舞いをすればいい。だが彼にはそれが不満らしかった。意外と子供っぽい彼に笑う。「既成事実に愛は必要でしょうか?」 #twnovel

2017-11-17 01:28:06
リュカ @ryuka511

家族を失ったあの日から、敵味方問わず、傷ついた兵士の手当をしながら戦場と化した街を彷徨う。敵兵からは天使と崇められ、自国の兵からは裏切者と罵られた。ある日、敵兵が申し訳なさそうに言う。「君の家族を奪ったのは俺達なのに」「いいえ、私の家族を奪ったのは戦そのものです」 #twnovel

2017-11-18 00:59:05
リュカ @ryuka511

真夜中の劇場で魔女が悲劇を歌う。届かない恋に散る女の歌を、復讐を誓う男の歌を。彼女の歌は魔法となって、悲しみや憎しみを蔓延らせた。それはかつて魔女が味わったもの。真夜中の歌劇は魔女の絶望そのものだ。誰にも魔女の歌を止められない。街を絶望で覆い尽くし、満足げに魔女は消えた #twnovel

2017-11-19 00:12:54
リュカ @ryuka511

王の命令で、錬金術の研究室が作られた。将来、枯渇するだろう資源を錬金術で補う計画だった。だが、高い報酬と豊富な予算に研究者は目が眩んだ。報告書の偽装に始まり、次第に悪魔めいた実験を行い始める。王が気づいた時には手遅れだった。人体実験の果てに、王国から人間の姿は消えていた #twnovel

2017-11-20 00:12:49
リュカ @ryuka511

「退屈しのぎだからいいんだよ」そう笑って、悪魔は姿を消した。復讐を誓った私に力を与え、その代償に本懐を遂げたら私の魂を捧げるはずだった。魂を喰らう事で悪魔はより強大になるのだと、それが悪魔の存在意義だと言ったのに。それを捨てただ私に力を貸した悪魔の本懐は何だったのだろう #twnovel

2017-11-21 00:49:42
リュカ @ryuka511

オレンジの光に包まれた夕方の帰り道。家の前のマンホールの蓋が変な模様に変わっている。ただいまを言いかけて、両親の声に足を止めた。「ついにこの日が来たのね」「あの子が10歳になるまでの約束だからな」私は今日10歳になる。マンホールから私を呼ぶ声。この日って何?私を呼ぶのは誰? #twnovel

2017-11-22 00:18:04
リュカ @ryuka511

先日下働きとして入った幼い娘は、くるくるとよく働いた。先輩達の世話に掃除に洗濯、小さな身体で快活に働く娘に誰もが好感を持った。先輩達は自分の仕事を娘には見せないように心がけた。あの笑顔を失いたくないと。ここは遊郭、自分の置かれた境遇を知るには、彼女はあまりにも幼すぎる #twnovel

2017-11-23 00:30:51
リュカ @ryuka511

君に告白したのも、初めてケンカしたのも、夜景が見えるこの店だった。2人で食事する時はたいていこの店だった。そして、終わりを迎えたのもこの店だった。1人で店を出る時、僕らを覚えていたウエイターが気まずそうに「またいらして下さい」と言った。うん。いずれ、彼女を忘れられたなら。 #twnovel

2017-11-23 23:48:19
リュカ @ryuka511

ここが最後の砦だった。急襲を受け混乱する仲間を落ち着かせ、指示を出す。君さえ守れれば、まだ戦える。君とよく似た背格好の私、やるべきことはひとつ。「私はここにいるぞ!」敵が私に向かってくる。銃声が響く。崩壊する砦。薄れる意識で願う。『君は、生きて、』君は私達の希望だから #twnovel

2017-11-25 00:24:29
リュカ @ryuka511

大人達が嫌う暴力的な歌を歌う、そんな君が大好きだった。君は天使を名乗り僕らを天国へ導くと約束してくれた。僕はその日を待っていたのに、大好きな君は死んだらしい。たくさんの薬を飲んで。悲しくて、けど君は本当に天使だと感じた。ちゃんと約束を守ってくれる。君が飲んだのと同じ薬が #twnovel

2017-11-25 23:43:28
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