龍馬さんがカルデアの敵になった話

龍馬さんがアラヤの命令で立夏を殺すのを以蔵さんが止める。
1
かむい @sunyaxxx

「ねえ、まだやる気なの」何体目のサーヴァントを撃ち殺したか、背後にある気配に、ゆっくり後ろを振り向けば全身を包帯で巻かれ、その両手には二振りの刀を離さぬようにきつく巻き付けている。その姿はまさしく満身創痍そのものだと言うのに笑う「マスター守るんは、サーヴァントの、わしの仕事じゃ、

2019-11-05 12:42:10
かむい @sunyaxxx

わしは仕事はぎっちりやる主義じゃ」「立つのもやっとの状態なのに?」「おまん、殺すのにちょうどえい具合じゃ」世界はカルデアのマスターを排除すべきと判断し、それを抑止力である彼、坂本龍馬に命を下した。藤丸立香をただちに排除、抹殺せよと、そして、龍馬の前に何度も立ち塞がり阻止しつづける

2019-11-05 12:42:10
かむい @sunyaxxx

のが、岡田以蔵だ。「僕は藤丸君を排除すれば終わる、君もこれ以上傷つかなくてすむ、だから、いい加減、守ることを諦めてくれないかな」左腕に巻き付けた刀を腕ごとあげ「三十」にちゃあと笑い「わしが護衛を依頼されて目の前で殺された奴なんぞ一人としておらん、わしが守ると決めたなら、必ず守りき

2019-11-05 12:42:10
かむい @sunyaxxx

る、それをよう知っちゅんは、おまんじゃろ、やから、おまんが立香を殺そうとして、わしが「坂本龍馬」を殺した数が、おまんで、ちょうど三十人目じゃ!!」

2019-11-05 12:42:11
かむい @sunyaxxx

ぼろぼろの革靴はすでに捨てた履いていては邪魔になる足をとられる裸足のまま一瞬にして懐に入り「もう一度脳髄ぶちまけて死ね」反応するよりも早く懐に入られ髪が風圧で浮き上がり生前の名残である額の傷痕に切っ先が触れたかと思えば深々と脳を貫き横に引かれる痛みで叫ぶ暇もなく体が光の粒子となり

2019-11-05 21:23:14
かむい @sunyaxxx

消えていく『また何もできず殺される』思った瞬間、以蔵は落とさぬように左手に巻きつけていた刀を真後ろに押し込んだ「さんじゅういちいいいい!!」間違いなく心臓を貫きそのまま上に斬り上げる新しい抑止力の『坂本龍馬』が生み出され銃を構えようとするよりも早く斬り裂き、そのまま「さんじゅうに

2019-11-05 21:23:15
かむい @sunyaxxx

いい!!」右手に縛りつけた刀を斜めから下に斬り裂く『坂本龍馬』を殺す、何度も何度も生み出される『坂本龍馬』を殺し続ける、マスターを守る為にひたすら幼馴染の姿をした影法師を斬り殺す。

2019-11-05 21:23:15
かむい @sunyaxxx

「俺は、無力だ」マスターは泣きそうになりながら悔しそうに唇を噛みしめ走る。今泣いてはならない、きっと今一番泣きたいのは、この場にいない二人だ。以蔵は自ら龍馬の足止めする事を引き受けた。自らの傷口からの出血を止めるための包帯を外し、そのまま口と手で最後に使える魔力で刀を手に編み出

2019-11-05 22:03:45
かむい @sunyaxxx

し落とさぬようにきつく括り縛りつけながら『英雄…イアソン、おまん、逃げ方知っちゅうろう』一番最初に龍馬の異変に気づいたが以蔵だ、他の誰よりも速くマスターを庇い、まず肩を撃たれた、だがマスターは守った、そこからがまるでここが地獄かと思うほどの一瞬だった、マスターと以蔵以外のその場

2019-11-05 22:03:45
かむい @sunyaxxx

にいたカルデアの人間が一瞬にして食い殺され斬り殺され撃ち殺された『…は?』情けない程に気の抜けた声がしか出せなかった。龍馬の背後には自律型宝具のお竜が一瞬にして飲み干したのだ紅い舌をぺろりと出し『まだまだ食べるぞ、腹ぺこ、お竜さんを満足させるには足りないな、なあ、リョーマ』『うん

2019-11-05 22:03:46
かむい @sunyaxxx

、でも、以蔵さんは食べないでね』『ぁあ、イゾーを食べるのは、リョーマだからな、でもな、時々、お竜さんにも『いつも通り』少し分けろよ』『はいはい、わかってますよ』二人だけの会話に以蔵はついていけなかった『な、に、を言うとる』声が震えた、だがマスターだけはしっかりと背に庇い離れない、

2019-11-05 22:03:46
かむい @sunyaxxx

龍馬とお竜はふわりとした笑みを浮かべ『ごめんね、以蔵さん、こうなったら僕は『世界の為に』藤丸君を殺さないといけない『世界が藤丸君を剪定』しろと命令を下した』何を基準に?マスターは勝手に選ばれて多大なる世界の為に傷つきながらこんなに頑張っているじゃないか、だと言うのに『死ね』と世界

2019-11-05 22:03:46
かむい @sunyaxxx

が言った、だから『殺す』と目の前の幼馴染はいつも通りの穏やかな顔で口調で以蔵に平然と言ってのけた『おまん、何を言っとるんかわかっとるか?』『僕は、『藤丸立香』を殺す、だから、そこをどいて以蔵さん』そこからが深く長い地獄への始まりで、マスターを殺そうとすれば以蔵がそれを戸惑いながら

2019-11-05 22:03:46
かむい @sunyaxxx

阻止し連れて逃げカルデアの職員が殺されサーヴァントが駆けつければ、それすらも世界の後押しを受けてのものか次々と殺されていく、だが、全てのサーヴァントを殺すにも力が必要である、殺すまでもなく座に強制的に還されるサーヴァントも出てきた、だが、カルデアの最深部にあるシステムは辛うじて生

2019-11-05 22:03:47
かむい @sunyaxxx

きている、それがわかった頃に以蔵は、まず一人目の龍馬を殺し『なんちゃあない』呆然と光の粒子となり消えていく龍馬を見下していたが背中を袈裟懸けに斬られマスターから一瞬気を離してしまった『どうも、君の強い想いでいるから簡単には操られても消えてもくれないね』冷たい目で以蔵を見ながらさら

2019-11-05 22:03:47
かむい @sunyaxxx

に言ってのけられ『どきや、以蔵、おまん、死ぬのが怖いやろ』懐かしい郷里の言葉で以蔵を追い詰める『痛い事もしとうない、おまんとお竜さんは特別やき、良い子やから、マスターから離れて、わしの後ろにおりや』こんな冷たい目をした幼馴染など見たことない知らない記憶にない優しい幼馴染だった、

2019-11-05 22:03:48
かむい @sunyaxxx

世界に使い続けてこんなにも優しい幼馴染が心を擦り切らせ壊されたのか怖くて泣き続けて、こんなにも…心を凌辱されたのか刀を握り直しマスターを背に庇い龍馬を見ながら向けながら嗤った龍馬に向けて『立香、いや、マスター、私には人を斬る事しかできない大莫迦者です、その上でお赦し願う事もできま

2019-11-05 22:03:48
かむい @sunyaxxx

せんが、この場を血で汚すことを目をそらしお願い申し上げます、ですが、必ずや貴方様の御身、この岡田以蔵宜振が命に代えましても、お守り申し上げるとお約束致します』それから以蔵はマスターの前に立ちふさがる龍馬とお竜を殺し続ける、ひたすらに殺し続ける、

2019-11-05 22:03:48
かむい @sunyaxxx

他の誰でもない自らの手で龍馬を何度となく挑発し見せつける『マスターではない、自分だけを見ろと』「嘆くなら生きるために走るしかない」

2019-11-05 22:03:48
かむい @sunyaxxx

殺して殺して殺し続けて逃げ続けて、抑止力は何度でも新しい坂本龍馬を召喚し続けるマスターを殺すまで、だが、以蔵は違う、以蔵のマスターは世界ではない『藤丸立香』と言う人間ただ一人だ。マスターが疲弊すればするほどに魔力の供給は弱くなり続けるならば少しずつ増える怪我を治す必要はない魔力は

2019-11-05 22:21:20
かむい @sunyaxxx

体力は残しておかなければならない、逃げる事、生きる事に長けたもの達の中で以蔵はああえてイアソンを選んだ。イアソンは知っている生き方を弱いくせに逃げ生きる術をわかっている、弱いからこそどうすればいいのかわかっている、だからイアソンにマスターを託した、これが最後のレイシフト、イアソン

2019-11-05 22:21:21
かむい @sunyaxxx

は自分の持てる全ての知識をもって命がけの以蔵の頼みを聞いた、そこはイアソンがかつて輝けた英雄たらしめる逸話のものだ「これこそが、私の、俺の英雄たる証、アルゴー船だ!!」「イアソンさん」「さあ、乗れ」

2019-11-05 22:21:21
かむい @sunyaxxx

「よ、んじゅう…に、ぃ」魔力切れが近いとわかりながら剣をふるい続け、四十二人目の龍馬を斬りふらりと倒れかける。だが新しい龍馬は生まれていない。壁に寄りかかり返り血によって血まみれの体であたりを見回し壁伝いに歩こうとするが利き足が床に崩れ落ちた。「まいったね」帽子を深く被りなおし

2019-11-06 22:29:10
かむい @sunyaxxx

「ここまで粘るとはね」龍馬ではない龍馬からの殺気は微塵もない。そうだろう龍馬は鼻から以蔵を殺す気はないのだから、ならば何が以蔵を攻撃したのか。利き足を撃ち抜いたのは、ただの躯のカルデアの職員だ。龍馬にばかり気が向いて躯に気をやれなかった。両手に銃を持ちまた引き金を引こうとする。

2019-11-06 22:29:10
かむい @sunyaxxx

だがその銃は勢いよく投げつけられた刀が銃口を突きさし貫き躯は手を上げさせられる、その間でよかった以蔵は利き足を撃ち抜かれながら痛みを無視して躯を細切れに切り刻む。「おまんのせいやぞ」二度と何ももてない動けないように切り刻んだ躯を見下し刀を向ける「おまんのせいで、

2019-11-06 22:29:10
1 ・・ 10 次へ