【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第287話「七歩の詩」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第15巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」01】 第287話です。「七歩の詩(しちほのし)」の巻。 曹操の喪にも服さず、曹丕の魏王就任祝いも送らず、酒を飲んだくれていた曹植は、側近の丁儀と丁廙の兄弟とともに捕らえられます。曹丕は、三人の前に立つと、有無を言わさず死罪を言い渡します。

2020-06-25 13:21:35
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」02】 弁明すら許されないことに驚愕した表情の曹植。酔いも一気に覚めたことでしょう。まず側近を打てという曹丕の命令により、丁儀と丁廙の二人がそれぞれ処刑されます。続いて曹植の番、という段階になって、血相を変えて飛び込んでくる女性が。

2020-06-25 13:23:36
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」03】 乱入してきたのは曹丕・曹植の母です。曹操の妻、側室は何人かいますが、晩年の正妻である卞氏(べんし)は、曹丕、曹彰、曹植、曹熊の母です。この母は、まず曹植の不義理を叱責します。申し訳ございませぬ、と頭を下げるしかない曹植。

2020-06-25 13:27:27
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」04】 母親は、ちょっと、と言って曹丕を別な場所に連れ出します。そこで、曹植の助命運動を行います。曹植が酒をたしなみおかしなふるまいをするのは、自分の才能の自慢でしたことで、別に悪意があるわけではないと。

2020-06-25 13:29:42
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」05】 四男の曹熊が首をくくって死んだと聞かされたばかりなのに、曹植まで失うとは。みんな自分が腹を痛めて産んだ子、そのような悲しいことをしないでおくれ、と跪いて曹丕に頼み込む母。

2020-06-25 13:30:57
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」06】 こうなると母親の言葉を無下にすることはできません。自分も弟を殺す気はなく、ちょっと懲らしめただけだと言います。丁兄弟は躊躇なく処刑してますので、母が来なければ即刻曹植の首も跳ねてたでしょう…。これで、曹丕は曹植を処刑できなくなりました。

2020-06-25 13:33:02
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」07】 曹植の処刑がなくなったと安心した母親。血を分けた兄弟が殺し合うようなことを聞いては、死んでも死にきれないと言って退出します。その後にやってきたのが丞相の華歆です。母に言われて曹植の処刑を取りやめたと聞いた華歆は、困りましたなあ、と。

2020-06-25 13:35:20
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」08】 華歆としては、お家騒動を起こさないことが最優先。才知優れた曹植がいることで、いつまでも身を屈してるとは思えず、また周囲のものが担ぎ上げてしまうから、早く亡き者にせねば後日の禍のもととなると言います。しかし、曹丕は母親との約束があります。

2020-06-25 13:38:20
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」09】 では、と華歆。曹植に言われるほどの才能があるのかを試して、もし不出来ならそれを口実に殺してしまえと。噂通りの才能を示したら、官爵を落として遠地へ追い込み、天下繁忙の時代に詩文にのみふけっている輩の見せしめとせよ、と。

2020-06-25 13:40:20
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」10】 こう提案する華歆の姿は悪代官風ですが、曹丕は、なるほど、一挙両得だ、と言います。早速曹植を居間に呼び出すように言います。 縄を説かれた曹植は、曹丕の前で土下座です。曹丕は曹植に、そちは才に頼って礼をないがしろにした、と叱責します。

2020-06-25 13:42:56
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」11】 曹丕は曹操も誌が好きであったから、曹植は兄弟の中で一番可愛がられていたが、自分は曹植の詩は誰かの代筆だろうと疑っていたと言います。もし本当にその才があるならば、七歩あゆむ間に詩を一首吟じろと言います。

2020-06-25 13:44:52
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」12】 うまくできれば死罪は許す、できなければ先王を長く欺いた罪で即座に処罰する、と言います。詩の出来如何で生死が分かれる曹植。詩を読むにも、何かお題をくれと言います。

2020-06-25 13:46:43
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」13】 曹丕がふと見ると、二頭の牛が格闘している絵がかけられていました。それをお題とすることに。「二頭闘牆下 一牛墜井死(二頭の牛が牆下で闘う 一牛が井戸に堕ちて死ぬ)」と、なぜこの絵が飾られていたのか疑問な内容ですが、この文言の使用を禁止。

2020-06-25 13:54:32
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」14】 曹丕にしてみればお題は何でもいいわけです。七歩あゆむうちに作らねば首をはねる、と再度念押しされますが、曹植はすでに整っていました。

2020-06-25 13:55:45
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」15】 「両肉ひとしき道をいき、頭上兕(じ)骨を帯ぶ 相遇う塊山の下 たちまち起ちて 相いとう突す 二敵 倶には剛からず 一肉 土窟に臥す 是れ力の如ばざるに非ず 盛気 直るを得ざればなり」と牛も井戸も使わずこの絵の情景を詠み上げる曹植。

2020-06-25 14:04:53
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」16】 むむむ、と曹丕も思わず見事だ、と言います。しかし、たしかに七歩だが、少しゆっくり歩いたように見える、と言って、題を出したらすぐ一首吟じよ、と言います。酒を飲んでなければ頭脳明晰な曹植。お題を要求します。

2020-06-25 14:17:16
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」17】 曹丕は、兄弟を題とするように言います。ただし、これも兄弟の文字は使ってはいけないという縛りを設けます。曹植は即座に吟じ始めます。

2020-06-25 14:18:28
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」18】 「豆を煮るに 豆萁(まめがら)を燃やし 豆は釜中(ふちゅう)に在りて泣く 本(もと)是れ同じ根より生ぜしに 相煎ること 何ぞ太(はなは)だ急なる」 と哀愁たっぷりに読み上げる曹植。

2020-06-25 14:30:00
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」19】 同じ土から豆であっても、片方は煮られる豆、片方はその燃料、と運命が異なってしまうように、今の曹丕、曹植の関係を表したのでしょうか。曹丕も思わず胸をつまらせます。そこに再び母親がやってきます。

2020-06-25 14:31:49
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」20】 兄がなぜ弟にそうむごくあたるのか、と言う母に対し、国法を守るためだ、と答える曹丕。しかし、これで曹植が誰かの代作曹操をたぶらかしていたのではないとわかったと、曹丕は約束を守ると宣言します。

2020-06-25 14:33:30
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」21】 母親は、これに懲りてこれからは自分の才能におごってはならぬ、と言明します。曹操が亡くなって日が浅いというのに、兄弟がもう相争うとは悲しいことだ、と言いながら退出する母親。

2020-06-25 14:35:36
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」22】 曹丕は、曹植に対し、約束通り命は助けるが、天下いまだ平和にあらず、国の安定をはかるにも忙しい時に詩文にのみふけっている罪は重い、として、爵位を下げ安郷候に封じる、と言います。

2020-06-25 14:37:31
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」23】 曹植の詩は、曹植の命を救いました。 こうして、曹植は少ない伴を連れて、悄然と魏王宮を去り、遠方へと赴任します。 これにて、曹丕は完全に魏王として君臨することになります。

2020-06-25 14:39:45
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【横山光輝「三国志」講座287「七歩の詩」24】 ひとまず魏はこれで安定することになります。しかし、魏・呉・蜀の緊張関係が解けたわけではありません。 次回からは、曹操の死を知った蜀サイドの話となります。 今回はここまで。

2020-06-25 14:41:24