オーバーロード・オーバーライト ＃４

劉度 @arther456

「ああもう、イライラする……」こんな調子なので、誰も不知火の命令を聞こうとしない。頼りになるのは倉田が連れてきた魔術師たちと、アトランタや熊野といった、ゴトランドの洗脳に耐えて行動してくれるメンバーだけだ。その数もごく僅かで、提督を探すには人数が全く足りない。39

劉度 @arther456

「落ち着きなよ、不知火」隼鷹が不知火を宥める。「この鎮守府に隠れてるのは間違いないんだ。冷静に居場所を推理すれば見つかるって」「……いいから偵察を続けてください」能天気な言葉だ。得体の知れない相手に提督な捕まっているのに、どうして彼女は呑気にしていられるのだろうか。40

劉度 @arther456

「……わーかった、わーかったよう」隼鷹は気まずそうに下がった。「……あんなに刺々しい子でしたっけ？」「提督がいないとすぐああなるのさ」隼鷹と倉田が何やら喋っているが、不知火は無視した。報告を元に地図に印を付け、提督の居場所を絞り込む。41

劉度 @arther456

《こちら正面ゲート。応答願います》通信が入った。「不知火です。見つかりましたか？」《いえ、中から出さないと聞いたのですが、外から人が来たらどうしますか？》「外から？誰か来たのですか？」《はい、その……》《あの、これは一体何の騒ぎですか？》それは落ち着いた女性の声だった。42

劉度 @arther456

【オーバーロード・オーバーライト】＃４おわり＃５へ続く