【横山光輝「三国志」講座292「新帝」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第292話「新帝」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第15巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座292「新帝」26】 華歆は、一人の天子立って一人の天子が廃されるは古来の道。殺されても文句は言えない立場ですが、曹丕は情け深い方故、危害を加えるに忍びず、山陽公に封じたのだ、と言い、今日すぐに出立し、詔がないかぎり都へのぼってはならぬ、と厳命します。

2020-07-03 16:01:23
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」27】 すでに頭からは皇帝の被り物も外した状態の劉氏。その日のうちに一頭のろばとわずかな旧臣をともなって田舎へと落ちていきます。献帝の在位は西暦189年〜220年。亡くなったのは234年と言いますから、このあと14年ほどの余生を過ごします。

2020-07-03 16:04:39
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」28】 司馬懿仲達の進言により、曹家が漢皇室より帝位を禅譲されますが、後に、魏帝国が司馬懿仲達の子孫によって、晋へと禅譲されます。晋が呉を滅ぼして三国時代が終焉するわけです。ある意味、三国志の終わりの始まり、という事件であったと言えましょう。

2020-07-03 16:09:28
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」29】 舞台は蜀、成都に戻ります。曹丕が帝位についたという知らせが玄徳にもたらされます。献帝が国を譲ったという報告に、それは奪われたのだ、と玄徳は叫びます。献帝が都を追われたと聞いて、なんとおいたわしい、とうなだれる玄徳。

2020-07-03 16:11:18
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」30】 関羽、張飛とともに桃園の誓いは、すべて漢朝のために生死をともにしようというもの。漢朝に再び昔の権威を取り戻させ、天下泰平の世を作ろうと、数々の犠牲の上に戦い続けてきた人生。その漢朝が、自分の力が足りなかったばかりに滅んでしまったと嘆きます。

2020-07-03 16:14:04
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」31】 関羽の死、劉封の死、そして、今、漢朝が滅んだという立て続けの悲報は、玄徳に多大なる衝撃を与えたことでしょう。玄徳はその日から病の床に伏してしまいました。

2020-07-03 16:18:25
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」32】 翌年の三月のことです。襄陽の川で漁をする漁師。網には魚達に混じって、見慣れぬものが引っかかっていました。なんだろうと引き上げると、それは黄金で出来ていて「命を天に受く、既に寿(いのちなが)く永(とこし)えに昌(さか)えん」と彫られています。

2020-07-03 16:22:47
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」33】 これはとんでもないものらしいと、漁師は、これを仁徳の噂高い漢中王に献上しようと考えます。これが成都に届けられ、孔明のもとに届けられます。ちなみに、件の漁師の名は張嘉(ちょうか)という名だったようです。

2020-07-03 16:26:44
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」34】 孔明が見ると、これは帝位に即く者が持つ玉璽、と言います。これは河の底から拾いあげられた、そうか、と孔明。その昔、洛陽の大乱の時、漢家から持ち出され久しく行方知れずとなっていた宝章、それだ、と言います。

2020-07-03 16:29:00
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」35】 玉璽といえば、その昔、孫堅が井戸から発見し、それが孫策に渡って、袁術に渡ったものがありました。結局これは曹操の手に渡っています。それとは別の玉璽ということになりましょうか。

2020-07-03 16:34:14
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」36】 献帝から曹丕に譲られた玉璽は、これが行方不明になってから仮に朝廷でつくられたものに違いない、と孔明。これが間違いなく本物、と断定します。これを持つ者がこの国の皇帝を名乗ることができる、それがまったくの偶然で、玄徳のもとに届けられたのです。

2020-07-03 16:36:11
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」37】 これを、玄徳に皇帝を名乗らせるために孔明が作らせた、という穿った見方をするのはやめておきましょう。また、玉璽さえ持っていれば皇帝になれるというものではありません。玉璽を持って皇帝を名乗った袁術がすぐに滅亡してしまった例もあります。

2020-07-03 16:39:01
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」38】 魏が漢から皇帝の座を譲られたからといって、蜀が魏を宗主国と見ることは出来ません。孔明としては、玄徳が蜀皇帝を名乗り独立する必要があると考えてることでしょう。玉璽の出現で、玄徳こそ皇帝を名乗るのに相応しいという雰囲気を醸造することが出来ます。

2020-07-03 16:44:31
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【横山光輝「三国志」講座292「新帝」39】 魏の曹丕が皇帝となったことで、漢が消滅。そのため、蜀が独立をするというのは当然の流れです。あとは、玄徳がそれを承服するかどうかですが…。この続きは次回となります。 今回はここまで。

2020-07-03 16:47:18