感染拡大/縮小のダイナミクスを科学的に理解するための杉本大一郎さんによる物理学者的方法

杉本さんからの情報発信を理解していくために、 コロナウイルスの感染伝搬など連鎖的に広がる現象解析の基本的な部分と用語定義を、 抜粋してまとめました。
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sugi_sci @SciSugi

#コロナウイルス 隠れ-1:7/9東京都の「新規」感染者224人になった。前日7/8に少な目であったのを補った形。図の赤「現」感染者数は7/5から同じ勾配の延長。7/1からの増加率よりやや鈍ったが、警戒が必要。「新規」は「隠れ」の発見によると言うが、その検証は→隠れ-2に続く pic.twitter.com/zRwn9mWnbj

2020-07-10 12:49:25
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#コロナウイルス 隠れ-2:「新規」感染率はdz/dt=az-cz。「隠れ」の発見 F(人/日)は a に繰込んだと言っていたが、c にと言っても同じ(退院者がFだけ減ったこと相当)。取出して表すと、dz/dt=az-c_0z+Fで、c_0は発見ナシとしたときの率。F は源泉項(source term)と呼ばれるもの。→隠れ-3に続く

2020-07-10 12:53:10
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#コロナウイルス 隠れ-3:データから求めたaとczは、aと c_0z-F だから、F=(c_0-c)z。3つ目の独立データがなく、c_0 は決められないので一定値(cの変化はaの変化に比べて小さいから)と仮定し、6/23(新規は28人/日)の値(0.124:6/20以降の最大値)を採用し、Fを大きい目に見積もる。→隠れ4に続く

2020-07-10 12:56:37
sugi_sci @SciSugi

#コロナウイルス 隠れ-4:「隠れ」発見数 Fの見積りを図の「隠れ」発見分で。7/5~7/7は半数程度を占めるが、大きい目の見積ということを考慮すると、「急な増加の主因(担当相と東京都)」ではないと読める。やはり主要な対象(活動範囲)での接触率等を調節して、aを下げる必要がある。→隠れ5に続く pic.twitter.com/X6ByshQ3wh

2020-07-10 12:59:30
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#コロナウイルス 隠れ-5:感染拡大の予測図に急増時の現実の点をつけ加えたものを示す。7/4~8 の盛り上がりには、「隠れ」の発見が効いたように見えるが、7/9 には2つの赤線の間に入っている。赤の実線より上なので、今後も注視と対策が必要。 pic.twitter.com/2BeNQSJAl6

2020-07-10 13:14:23
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#コロナウイルス 評価と今後49:そうは言っても、接触8割削減 (して2割に)は目覚ましい効果を発揮した。図の東京都のデータで、「現」感染者数(赤)は4/26に最大(2814人)、その後は確実に減少、5月末頃まで続いた。ここで注目すべきは、東京都は5/26からステップ 1の接触緩和をしたこと。→..50に続く pic.twitter.com/fYYId0v7tQ

2020-07-12 09:22:22
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sugi_sci @SciSugi

#コロナウイルス 評価と今後50:削減効果の程度は図のa、c、a-cの値から見れる。5月初めは0.01~0.03まで下がっていた。以前の東京は治癒等者のデータがないので不詳だが、北海道や東京のその後の値0.1~0.15に比べると、その1~2割まで下がっていた。接触率2割(1/5)以上に効いたのである。→..51に続く pic.twitter.com/bcsZ6uQ4Pl

2020-07-12 09:25:30
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sugi_sci @SciSugi

#コロナウイルス 評価と今後51:実際の接触率か何割だったかは分からないが、aの低下に接触率の1乗(比例)「以上に、よく」効いたと思われる。接触密度の高い場所、接触継続時間の長い場所での接触削減が特に有効だったことが(既に議論した理論的にだけでなく)、 データ的にも読み取れる。→..52に続く

2020-07-12 09:50:57
sugi_sci @SciSugi

#コロナウイルス 評価と今後53:今気になるのは、aの急激な増加(..50の図)が見られること。それには接触自粛が6/19から全面解除になったこと、特に同日のステップ3の解除が関係しているよう。拡大予測図と実情の図から見て、1日も早い対策が必要。一方、病院力cは、比較的安定している。 →..54に続く pic.twitter.com/8oU4AtpFgl

2020-07-12 09:28:59
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