痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘
- suzumeninja
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「お前が親玉ゆね?」ポテチが崖上のオークを睨む。「グフフ、だったらどうしたというのだ?」「……ハムにすゆ」ポテチの目からハイライトが消えた。「ハムにするだあ!?グファファ!生き残ってから言うんだなあ!」オークが右手を上げると、弓を構えた無数のゴブリンたちが崖上に現れた。
2020-07-14 23:39:23「ハムになるのはキサマラよお!撃てぇい!」「「「「「イーハハァ!!」」」」」オークの合図が無数の矢が三人に放たれる!万事休すか!否!「ハァァァイヤァァァ!!!」
2020-07-14 23:41:18メンマが地面に竹槍を突き刺して魔力を込めると、突如として三人を守るように竹が生い茂りゴブリンの矢を完全に遮った!「パンダの爪より柔い矢なんぞ竹で十分よ!」「なんだとぉ!?おのれマイナーエルフごときがぁ!」予想外の事態に今度はオークが狼狽!
2020-07-14 23:44:14「マイナーエルフだからって舐めるんじゃねえぞ!ポテチ!かましてやれ!」「んゆ!」メンマの号令に、今度はポテチが地面に両手を当てる。「ムニャムニャ……」ポテサラエルフ特有の呪文詠唱がポテチのカロリーを媒介に発動!「「「「「グギャアッ!」」」」」ゴブリンたちの立つ地面がぐずぐずに!
2020-07-14 23:46:57ゴブリンたちは3人のエルフたちと同じく穴の底に落ちる。しかし戦闘意欲はまだあるようで、各々が短刀を構えて三人のエルフに襲いかかる!だが!「ハイヤーッ!」メンマの竹光一閃!一瞬円形の光りが放たれたと思いきや、ゴブリンたちの短刀がすべて折られているではないか!
2020-07-14 23:49:44「バンブーエルフの竹光の切れ味、舐めるんじゃないよ」バンブーエルフが魔力を込めた竹光は真剣の切れ味を軽く凌駕すると言われている。いわんや、ゴブリンが持つなまくら短刀など、いくらあっても雨後のタケコの等しい!
2020-07-14 23:51:27「ええい!怯むな!かかれぃ!」オークの号令で無数のゴブリンたちが三人に襲いかかる。もはや時代劇のチャンバラのような戦力差だ。「いくぞ!ポテチ!ハカセ!」「んゆ!」「ほーい」迎え撃つ三人も各々の武器を構える。
2020-07-14 23:53:37「「「ゴブゴブーッ!」」」メンマに拳で殴りかかるゴブリンたち。「ハイヤーッ!」メンマは竹のしなりを利用して大きく跳躍。竹光の刃はフェンシングの剣のようにしなり、ゴブリンの骨の間を滑り込んで弱点の臓腑に的確に刃を滑らせる!「「「ゴバアァッ!!」」」ゴブリン無残!
2020-07-14 23:57:22「「「ゴブゴブーッ!」」」ポテチに拳で殴りかかるゴブリンたち。「んゆ!」ポテチは地面を強く踏み抜き跳躍!同時に地面をポテサラ魔法でぐずぐずにする。「「「ゴブ!?」」」足を取られたゴブリンたちは慌てふためくが、底なし沼にハマったがの如く身動きが取れない。
2020-07-15 00:00:01そんなゴブリンたちを見下ろすようにポテチは地面を踏みしめ、ポテトマッシャーのような杖を大きく振りかぶる。「おまえたち、ハムにもならんゆ」ポテサラ作りで鍛え上げられた強力な筋力で杖がバットスイングのように振り抜かれる!「「「ゴバアァッ!!」」」ゴブリン無残!
2020-07-15 00:02:29「「「ゴブゴブーッ!」」」ハカセに拳で殴りかかるゴブリンたち。「あはは、よーし、ばんばるぞー」ハカセは笑ってなにかの構えを取ると思いきや、そのままゴブリンたちの攻撃をすべてモロに喰らう!「「「ゴブゴブーッ!」」」勢いづいてゴブリンたちは滅多打ちだ!だが。「ゴブ?」
2020-07-15 00:04:42一匹のゴブリンが異変に気がついた。どれだけ殴ってもハカセにダメージが通らないのだ。それどころか、ゴブリン自身の拳がダメージを受けているのだ!「「「ゴブァ???」」」一方的に殴られていたハカセの周囲には、いつの間にか魔力の渦が渦巻いていた。
2020-07-15 00:06:49クソバカエルフははっきり言って知性が低い。しかし、魔力を操るという点だけで見れば前エルフの中でも軍を抜いている。しかし、その知性ゆえ魔法は得意とせず、魔力そのものを身にまとい力を振るうのだ。「うーわあーお!!」ハカセが全身の魔力を解き放つ!
2020-07-15 00:08:59クソバカエルフが得意とする”魔力そのもの放出”は純粋なエネルギーの本流であるため防ぐのは困難だ!「「「ゴバアァッ!!」」」ゴブリン無残!
2020-07-15 00:10:17三者三様の大乱闘の末、残ったのはオーク一匹だ。「ぐぬぬ……キサマラよくもお!!」オークが飛び降りてくる!ズゥゥゥゥンッ!近くで見ると改めて実感できるが、ゴブリンとは体格が違う。体格が違うということは脚の大きさが違うということであり、ポテサラ魔法による急速地面軟化が通用しない。
2020-07-15 00:14:22「ゆゆゆ……」ポテチは自分の魔法が有用しないと感じてか、数歩下がる。「ここはアタイに任せな」代わりにメンマが数歩前に出る。ハカセの魔力放出は多数に対して有利だが、タフなやつ相手には少々分が悪い。それどころか下手すれば巻き添えを食らってしまう(メンマは実際に食らったことがある)。
2020-07-15 00:17:31「一騎打ちとは命知らずカァ?」オークが巨大な金棒を構える。「いいや、これも作戦だよ」メンマは竹光では棍棒を受けきれないと判断し、武器を竹トンファーに持ち変えると風をきるように振り回してから構え直した。「さあ、こいよ!」「強がりがぁ!」オークの棍棒がメンマに襲いかかる!
2020-07-15 00:21:50「ハイヤーッ!」メンマはオークの棍棒を左の竹トンファーで受け流し、同時に右の竹トンファーでオークの顔面をぶん殴る!「効かんなあ!効かんぞぉ!」オークにダメージは通っていないのか?だが、どうあれメンマはひたすら極近接距離での攻防を継続する!
2020-07-15 00:24:30「ハイヤーッ!」メンマの竹脚甲回し蹴り!「グフフッ!」ノーダメージ!「フンッ!」オークの金棒叩き受け!「ハイヤーッ!」メンマは金棒を避けて踏み台にして高高度に跳躍!「馬鹿め!もはや避けられんぞ!」オークが金棒を下段に構えたその時だ!「なにぃ!?」
2020-07-15 00:27:12オークの足元がぐずぐずになっている。それどことが、下段に構えた金棒も地面に埋まっているではないか!「なっ!なんだこれはああああ!」「ポテサラエルフを甘く見たからゆ」「しっ!しまった!」オークが気がついたときにはもはや、ポテサラ魔法でぐずぐずになった地面に首までつかっていた。
2020-07-15 00:30:05メンマがオークの気を引いている間にポテチは今朝摂取した全カロリーを消費して、オークの足元に”急激に崩れる魔法”を用意していたのだ「『ポテサラエルフの足元を見ゆやつにはつま先を見せてやれ』とはよく言ったものだゆ。後はまかせたゆ」
2020-07-15 00:33:02「よっしゃ任せろ!」メンマは竹のしなりを利用して崖の上に脱出し、同時に竹槍を2本投げた。竹槍はぐんぐんと伸びハカセとポテチを崖の上に引き上げる。崖下に残ったのはぐずぐずになった地面に囚われたオークだけだ。
2020-07-15 00:35:35メンマは竹槍に赤い札を貼り付ける。ハカセの魔力が目一杯詰まった札だ。その竹槍を構え、呪文とともに力いっぱい投擲した!「ササノハサラサラゴシキノタンザク!!」
2020-07-15 00:38:03「や、やめろおおおお!」オークの命乞いも虚しく竹槍が貫通し、魔力が竹槍を暴発させた!爆竹である!「オグァァァッッッッッ!!」オークは爆発四散!!
2020-07-15 00:40:02「ハッハァ!やったぜぃ!」メンマはガッツポーズ。「うわーい!やっつけた!やっつけた!」ハカセも無邪気に万歳する。ポテチは爆発四散で吹き飛んだオークの四肢を、目を輝かせながら回収する。「ハムにすゆ!ハムにすゆ!」
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